第37回(令和7年2月実施) 障害者福祉
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問題文は「第37回社会福祉士国家試験 試験問題」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)より、出題当時の文言のまま掲載しています。正答は同センター公表の「合格基準及び正答」に基づきます。解説は管理人(ばっふぁ)が独自に作成したものです。
問題 52
「令和4年生活のしづらさなどに関する調査」(厚生労働省)、「令和5年度障害者雇用実態調査」(厚生労働省)及び「令和5年版障害者白書」(厚生労働省)にみられる障害児・者の実態に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 12012年(平成24年)から2022年(令和4年)の間に、特別支援教育を受ける児童生徒の数は減少した。
- 2身体障害者と知的障害者を比較すると、知的障害者の方が身体障害者よりも施設入所者の割合が高い。
- 319歳以上65歳未満の在宅の身体障害者と知的障害者を比較すると、知的障害者の方が身体障害者よりも親との同居率が低い。
- 4在宅の身体障害者と知的障害者を比較すると、知的障害者の方が身体障害者よりも65歳以上の者の割合が高い。
- 5雇用されている身体障害者と知的障害者を比較すると、知的障害者の方が身体障害者よりも週の所定労働時間が30時間以上である者の割合が高い。
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正答2
障害児・者の生活実態と雇用実態を、とで比べる問題です。統計問題では、対象年齢や在宅・施設入所といった区分を混同しないことが大切です。
者は者より施設入所者の割合が高く、選択肢2が正答です。特別支援教育を受ける児童生徒は2012年から2022年にかけて増加しています。また、19歳以上65歳未満の在宅知的は親との同居率が高く、在宅身体障害者は知的障害者より65歳以上の割合が高い傾向があります。雇用実態では、知的障害者の方が週30時間未満の割合が高くなっています。
管理人の視点: 統計の選択肢は「障害種別」「在宅か施設か」「年齢」「労働時間」の比較軸を一つずつ確認します。印象で選ばず、どの集団とどの集団を比べているかを線で結ぶと逆転表現に気づきやすくなります。
出典の補足:問題文中の「令和5年版障害者白書(厚生労働省)」という表記は試験センター公表問題のとおりですが、障害者白書の発行主体は内閣府です。問題文は原文を保持しています。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
特別支援教育を受ける児童生徒数は、2012年から2022年にかけて増加しています。減少したという記述は誤りです。
- 選択肢2(正答)
○ 適切です
身体障害者と比べて、知的障害者は施設入所者の割合が高くなっています。調査では在宅か施設入所かを分けて実態を把握します。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
19歳以上65歳未満の在宅の知的障害者は、身体障害者より親と同居している割合が高い傾向にあります。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
在宅の身体障害者は高齢者の割合が高く、知的障害者の方が65歳以上の割合が高いわけではありません。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
雇用されている知的障害者は、身体障害者より週所定労働時間が30時間未満の者の割合が高い傾向にあります。
問題 53
「障害者総合支援法」における基幹相談支援センターに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1地域における中核的な役割を担う機関として、総合的・専門的な相談支援や成年後見制度利用支援事業の実施等の業務を行う。
- 2障害者を通わせ、創作的活動又は生産活動の機会の提供、社会との交流の促進等の便宜を供与する役割を担う。
- 3障害者の職業生活における自立を図るため、就業面及び生活面の一体的な相談を行う。
- 4矯正施設を退所した障害者に対し、適切な福祉サービスに結び付けるための特別調整を行う。
- 5障害児の発達において中核的な役割を担う機関として、障害児の家族等に対し、相談、助言その他の必要な援助を行う。
(注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
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正答1
基幹センターの役割を問う問題です。基幹相談支援センターは、地域の相談支援の中核として、総合的・専門的な相談支援、相談支援への助言、地域移行・地域定着の促進、・利用支援などを行います。選択肢1が正答です。
ほかの選択肢は、地域活動支援センター、、、センターなどの役割です。「通う場」「就業と生活」「」「障害児の発達」という対象・機能を手掛かりに分けます。
管理人の視点: 「〇〇センター」という名称だけで覚えると混同します。基幹相談支援センターは、個別相談だけでなく地域の相談支援体制そのものを支える中核です。「地域の相談支援を束ね、底上げする機関」と捉えると選択肢1を選べます。
- 選択肢1(正答)
○ 適切です
基幹相談支援センターは地域の中核として、総合的・専門的な相談支援や、などを行います。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
創作的活動・生産活動の機会や社会との交流を提供するのは、地域活動支援センターの役割です。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
就業面と生活面を一体的に支援するのは、就業・生活支援センターです。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
は、が・地域生活定着支援センター等と連携して、退所後に等へつなぐために行う生活環境の調整である。地域生活定着支援センターは受入先や福祉サービスの調整を担う。基幹相談支援センターの固有の業務を述べたものではない。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
障害児の発達支援の中核となり、家族への相談・助言等を行うのは児童発達支援センターです。
問題 54
事例を読んで、Aさんの状況にあてはまる、「精神保健福祉法」に基づく入院形態として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
統合失調症のAさん(40歳)は、この1週間で絶え間ない幻聴と、常に誰かに監視されているという妄想がひどくなってきた。さらに盗聴器を探して家具を壊すなどの行為が始まったため、同居する母親に付き添われ、かかりつけのB精神科病院を受診した。精神保健指定医であるC医師は診察の結果、入院治療を要すると判断し、Aさんにその旨を説明したが、Aさんはおびえた様子で意味不明な独語を繰り返すのみで、応答は得られなかった。C医師はAさんが入院治療の必要性について納得できるよう丁寧に説明を重ねたが、やはり入院についての同意を得ることはできず、また、症状の緩和も見られなかったため、やむを得ず母親の同意によって即日入院してもらうことになった。
- 1措置入院
- 2緊急措置入院
- 3医療保護入院
- 4任意入院
- 5応急入院
(注) 「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。
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正答3
に基づく入院形態を問う事例問題です。Aさんは幻聴・妄想が強く、説明を重ねても入院について応答・同意できない状態です。精神障害のため入院による医療・保護が必要で、任意入院を行える状態にないというの判断と、母親の同意に基づくであり、選択肢3が正答です。
は自傷他害のおそれについて指定医の診察等に基づき都道府県知事が行う入院です。任意入院は本人の同意による入院であり、応急入院は家族等の同意を得られない緊急時に、所定の要件で行う入院です。
管理人の視点: 本人が同意しないという理由だけで医療保護入院にできるわけではありません。精神障害のため任意入院を行える状態にないとの指定医の判断を、事例の症状や応答の状況と結びつけ、家族等の同意などの要件と合わせて確認します。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
措置入院は、自傷他害のおそれがある人について、都道府県知事が行う入院です。本事例は母親の同意による入院であり、措置入院ではありません。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
緊急措置入院は、急速を要し通常の措置入院の手続をとれない場合に行うものです。本事例の根拠は家族の同意です。
- 選択肢3(正答)
○ 適切です
精神障害のため入院による医療・保護が必要で、任意入院を行える状態にないと精神保健指定医が判断し、家族等の同意などの要件を満たして行う入院は医療保護入院です。本事例では幻聴・妄想等により入院について応答・同意できず、指定医の判断と母親の同意によって入院しています。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
任意入院は本人の同意に基づく入院です。Aさんは入院について意思を示せず、同意も得られていません。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
応急入院は、本人の同意も家族等の同意も得られず、直ちに入院が必要な場合に行う入院です。本事例では母親の同意があります。
問題 55
「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1この法律が施行される前から、障害者基本法に「差別の禁止」の規定があった。
- 2民間事業者の合理的配慮の提供は、努力義務である。
- 3この法律に基づき、市町村障害者虐待防止センターが設けられている。
- 4障害者差別をした事業者には、この法律に基づき科料が科される。
- 5この法律に基づく障害者の定義は、障害者基本法に規定されている障害者の定義より狭い。
(注) 「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。
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正答1
との関係を問う問題です。基本法には、障害を理由とする差別等の権利侵害行為をしてはならない旨の規定が、障害者差別解消法の施行前から置かれていました。よって選択肢1が正答です。
障害者差別解消法では、不当な差別的取扱いを禁止し、の提供を求めています。民間の合理的配慮は2024年4月から義務となりました。市町村防止センターの根拠はであり、差別をした事業者へ直ちに科料を科す仕組みでもありません。
管理人の視点: 法律問題は「差別」「虐待」「」という近い言葉に引かれず、根拠法を確認します。合理的配慮については、行政機関だけでなく民間事業者も義務になった改正時点を押さえておきましょう。
- 選択肢1(正答)
○ 適切です
障害者基本法には、障害を理由とする差別その他の権利利益を侵害する行為をしてはならない旨の規定が、障害者差別解消法の施行前からありました。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
民間事業者の合理的配慮の提供は、法改正により2024年4月から義務です。ではありません。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
市町村障害者虐待防止センターは障害者虐待防止法に基づく仕組みです。障害者差別解消法に基づくものではありません。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
障害者差別解消法には、差別をした事業者に科料を科すという罰則はありません。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
同法の障害者の定義は、障害者基本法の定義と同様に、心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいいます。
問題 56
「障害者雇用促進法」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1就労継続支援A型事業は、この法律に基づき就労支援サービスを提供するものである。
- 2公共職業安定所(ハローワーク)は、就労を希望した障害者の就職後の助言、指導は行わない。
- 3事業主は、障害者である労働者を雇用する事業所において障害者職業生活相談員を外部委託することができる。
- 4雇用義務の対象となる障害者であるかどうかの確認は、精神障害者については、精神障害者保健福祉手帳により行う。
- 5事業主は、障害者と障害者でない者との機会均等を図るために、過重な負担となるときであっても、合理的配慮を講じなければならない。
(注) 「障害者雇用促進法」とは、「障害者の雇用の促進等に関する法律」のことである。
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正答4
に基づく雇用支援を問う問題です。が雇用義務の対象かを確認する際は、により確認します。選択肢4が正答です。
はによるです。は就職後も職場適応のための指導・助言を行い、職業生活相談員は事業所内で選任します。は事業主に過重な負担を及ぼさない範囲で求められます。と一般雇用を支える制度を混同しないことが大切です。
管理人の視点: 「就労」という語だけで障害者雇用促進法と判断しないようにします。A型は福祉サービス、雇用率・職業生活相談員・合理的配慮は雇用施策です。誰と雇用契約を結ぶ場面かを考えると整理できます。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
A型は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスです。障害者雇用促進法に基づくサービスではありません。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
ハローワークは就職後も、職場適応を促すために必要な助言・指導を行います。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
障害者職業生活相談員は、障害者を雇用する事業所が事業所内で選任するものです。外部委託することはできません。
- 選択肢4(正答)
○ 適切です
精神障害者について雇用義務の対象となるかの確認は、精神障害者保健福祉手帳によって行います。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
合理的配慮は、事業主に過重な負担を及ぼす場合には講ずる義務を負いません。障害者との機会均等を図るためでも、無制限に求められるものではありません。
問題 57
事例を読んで、大学の学生支援センターのA相談員(社会福祉士)のBさんへの対応に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
統合失調症の診断を受けた大学3年生のBさんは、周囲から聞こえてくる悪口と薬の副作用に悩み、授業も休みがちである。Bさんは、主治医から「悪口は幻聴である。薬物療法で緩和できる」との説明を受けているものの、不安は消えない。悩んだBさんは、学生支援センターを訪れ「薬の副作用がつらい。今後の就職活動も不安でたまらない。自分と同じ経験をしている学生は他にもいるのか。いるなら話をしてみたい」とAに訴えた。Bさんの不安や焦燥感を受け止めたAは、Bさんにどのように対応すべきかを考えている。
- 1主治医に相談するよう伝える。
- 2学生支援センターに登録しているピアサポートスタッフの紹介を検討する。
- 3地域の指定特定相談支援事業所の相談支援専門員の紹介を検討する。
- 4就労移行支援事業所のサービス管理責任者の紹介を検討する。
- 5精神障害者保健福祉手帳の取得を勧める。
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正答1・2
大学生の統合失調症のある人への支援を問う事例問題です。Bさんは薬の副作用に悩み、同じ経験をした学生と話したいという希望も示しています。医療面はに相談すること、学生生活の中ではにつなぐことが適切で、選択肢1・2が正答です。
本人が求めていない制度や就労支援を急いで紹介するより、まず本人の不安と希望を受け止め、いま必要な支援を一緒に考えます。事例の答えを決める一文は「薬の副作用がつらい」と「自分と同じ経験をしている学生は他にもいるのか。いるなら話をしてみたい」です。
管理人の視点: 事例問題では、支援者が紹介できる制度の多さではなく、本人がいま表明したニーズに応答できているかを見ます。医療上の困りごとは主治医へ、経験の共有はピアへ、という対応が本人中心です。
- 選択肢1(正答)
○ 適切です
薬の副作用は治療を継続するうえで重要な問題です。処方や副作用への対応について、主治医へ相談するよう伝えることが適切です。
- 選択肢2(正答)
○ 適切です
同じ経験をしている学生と話したいというBさんの希望に応じ、ピアサポートスタッフの紹介を検討することは適切です。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
指定特定事業所は等利用計画を作成する機関です。Bさんの当面の希望と困りごとに直接対応する紹介ではありません。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
は就労を希望するへの訓練等のサービスです。Bさんはいま大学での療養と学業、同じ経験を持つ人との交流を求めており、直ちに紹介する段階ではありません。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
手帳取得は本人の意思と必要性を踏まえて検討するものです。本人の希望を確かめずに勧める対応は適切ではありません。
出典
- 問題文:「第37回社会福祉士国家試験 試験問題 障害者福祉」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
- 正答:「第37回社会福祉士国家試験の合格基準及び正答について」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
- 試験センター「過去の試験問題」の「過去問題利用にあたっての留意事項等」に基づき掲載しています。