第37回(令和7年2月実施) 障害者福祉

書籍の中の文字や単語、文章を選択すると、その場でAI検索に行くことができます。

問題文は「第37回社会福祉士国家試験 試験問題」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)より、出題当時の文言のまま掲載しています。正答は同センター公表の「合格基準及び正答」に基づきます。解説は管理人(ばっふぁ)が独自に作成したものです。

問題 52

「令和4年生活のしづらさなどに関する調査」(厚生労働省)、「令和5年度障害者雇用実態調査」(厚生労働省)及び「令和5年版障害者白書」(厚生労働省)にみられる障害児・者の実態に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 12012年(平成24年)から2022年(令和4年)の間に、特別支援教育を受ける児童生徒の数は減少した。
  2. 2身体障害者と知的障害者を比較すると、知的障害者の方が身体障害者よりも施設入所者の割合が高い。
  3. 319歳以上65歳未満の在宅の身体障害者と知的障害者を比較すると、知的障害者の方が身体障害者よりも親との同居率が低い。
  4. 4在宅の身体障害者と知的障害者を比較すると、知的障害者の方が身体障害者よりも65歳以上の者の割合が高い。
  5. 5雇用されている身体障害者と知的障害者を比較すると、知的障害者の方が身体障害者よりも週の所定労働時間が30時間以上である者の割合が高い。
正答・解説を見る

正答2

障害児・者の生活実態と雇用実態を、で比べる問題です。統計問題では、対象年齢や在宅・施設入所といった区分を混同しないことが大切です。

者は者より施設入所者の割合が高く、選択肢2が正答です。特別支援教育を受ける児童生徒は2012年から2022年にかけて増加しています。また、19歳以上65歳未満の在宅知的は親との同居率が高く、在宅身体障害者は知的障害者より65歳以上の割合が高い傾向があります。雇用実態では、知的障害者の方が週30時間未満の割合が高くなっています。

管理人の視点: 統計の選択肢は「障害種別」「在宅か施設か」「年齢」「労働時間」の比較軸を一つずつ確認します。印象で選ばず、どの集団とどの集団を比べているかを線で結ぶと逆転表現に気づきやすくなります。

出典の補足:問題文中の「令和5年版障害者白書(厚生労働省)」という表記は試験センター公表問題のとおりですが、障害者白書の発行主体は内閣府です。問題文は原文を保持しています。

選択肢1

✕ 適切ではありません

特別支援教育を受ける児童生徒数は、2012年から2022年にかけて増加しています。減少したという記述は誤りです。

選択肢2(正答)

○ 適切です

身体障害者と比べて、知的障害者は施設入所者の割合が高くなっています。調査では在宅か施設入所かを分けて実態を把握します。

選択肢3

✕ 適切ではありません

19歳以上65歳未満の在宅の知的障害者は、身体障害者より親と同居している割合が高い傾向にあります。

選択肢4

✕ 適切ではありません

在宅の身体障害者は高齢者の割合が高く、知的障害者の方が65歳以上の割合が高いわけではありません。

選択肢5

✕ 適切ではありません

雇用されている知的障害者は、身体障害者より週所定労働時間が30時間未満の者の割合が高い傾向にあります。

↑ 目次へ戻る

問題 53

「障害者総合支援法」における基幹相談支援センターに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 1地域における中核的な役割を担う機関として、総合的・専門的な相談支援や成年後見制度利用支援事業の実施等の業務を行う。
  2. 2障害者を通わせ、創作的活動又は生産活動の機会の提供、社会との交流の促進等の便宜を供与する役割を担う。
  3. 3障害者の職業生活における自立を図るため、就業面及び生活面の一体的な相談を行う。
  4. 4矯正施設を退所した障害者に対し、適切な福祉サービスに結び付けるための特別調整を行う。
  5. 5障害児の発達において中核的な役割を担う機関として、障害児の家族等に対し、相談、助言その他の必要な援助を行う。

(注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

正答・解説を見る

正答1

基幹センターの役割を問う問題です。基幹相談支援センターは、地域の相談支援の中核として、総合的・専門的な相談支援、相談支援への助言、地域移行・地域定着の促進、利用支援などを行います。選択肢1が正答です。

ほかの選択肢は、地域活動支援センター、センターなどの役割です。「通う場」「就業と生活」「」「障害児の発達」という対象・機能を手掛かりに分けます。

管理人の視点: 「〇〇センター」という名称だけで覚えると混同します。基幹相談支援センターは、個別相談だけでなく地域の相談支援体制そのものを支える中核です。「地域の相談支援を束ね、底上げする機関」と捉えると選択肢1を選べます。

選択肢1(正答)

○ 適切です

基幹相談支援センターは地域の中核として、総合的・専門的な相談支援や、などを行います。

選択肢2

✕ 適切ではありません

創作的活動・生産活動の機会や社会との交流を提供するのは、地域活動支援センターの役割です。

選択肢3

✕ 適切ではありません

就業面と生活面を一体的に支援するのは、就業・生活支援センターです。

選択肢4

✕ 適切ではありません

は、・地域生活定着支援センター等と連携して、退所後に等へつなぐために行う生活環境の調整である。地域生活定着支援センターは受入先や福祉サービスの調整を担う。基幹相談支援センターの固有の業務を述べたものではない。

選択肢5

✕ 適切ではありません

障害児の発達支援の中核となり、家族への相談・助言等を行うのは児童発達支援センターです。

↑ 目次へ戻る

問題 54

事例を読んで、Aさんの状況にあてはまる、「精神保健福祉法」に基づく入院形態として、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

統合失調症のAさん(40歳)は、この1週間で絶え間ない幻聴と、常に誰かに監視されているという妄想がひどくなってきた。さらに盗聴器を探して家具を壊すなどの行為が始まったため、同居する母親に付き添われ、かかりつけのB精神科病院を受診した。精神保健指定医であるC医師は診察の結果、入院治療を要すると判断し、Aさんにその旨を説明したが、Aさんはおびえた様子で意味不明な独語を繰り返すのみで、応答は得られなかった。C医師はAさんが入院治療の必要性について納得できるよう丁寧に説明を重ねたが、やはり入院についての同意を得ることはできず、また、症状の緩和も見られなかったため、やむを得ず母親の同意によって即日入院してもらうことになった。

  1. 1措置入院
  2. 2緊急措置入院
  3. 3医療保護入院
  4. 4任意入院
  5. 5応急入院

(注) 「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。

正答・解説を見る

正答3

に基づく入院形態を問う事例問題です。Aさんは幻聴・妄想が強く、説明を重ねても入院について応答・同意できない状態です。精神障害のため入院による医療・保護が必要で、任意入院を行える状態にないというの判断と、母親の同意に基づくであり、選択肢3が正答です。

は自傷他害のおそれについて指定医の診察等に基づき都道府県知事が行う入院です。任意入院は本人の同意による入院であり、応急入院は家族等の同意を得られない緊急時に、所定の要件で行う入院です。

管理人の視点: 本人が同意しないという理由だけで医療保護入院にできるわけではありません。精神障害のため任意入院を行える状態にないとの指定医の判断を、事例の症状や応答の状況と結びつけ、家族等の同意などの要件と合わせて確認します。

選択肢1

✕ 適切ではありません

措置入院は、自傷他害のおそれがある人について、都道府県知事が行う入院です。本事例は母親の同意による入院であり、措置入院ではありません。

選択肢2

✕ 適切ではありません

緊急措置入院は、急速を要し通常の措置入院の手続をとれない場合に行うものです。本事例の根拠は家族の同意です。

選択肢3(正答)

○ 適切です

精神障害のため入院による医療・保護が必要で、任意入院を行える状態にないと精神保健指定医が判断し、家族等の同意などの要件を満たして行う入院は医療保護入院です。本事例では幻聴・妄想等により入院について応答・同意できず、指定医の判断と母親の同意によって入院しています。

選択肢4

✕ 適切ではありません

任意入院は本人の同意に基づく入院です。Aさんは入院について意思を示せず、同意も得られていません。

選択肢5

✕ 適切ではありません

応急入院は、本人の同意も家族等の同意も得られず、直ちに入院が必要な場合に行う入院です。本事例では母親の同意があります。

↑ 目次へ戻る

問題 55

「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 1この法律が施行される前から、障害者基本法に「差別の禁止」の規定があった。
  2. 2民間事業者の合理的配慮の提供は、努力義務である。
  3. 3この法律に基づき、市町村障害者虐待防止センターが設けられている。
  4. 4障害者差別をした事業者には、この法律に基づき科料が科される。
  5. 5この法律に基づく障害者の定義は、障害者基本法に規定されている障害者の定義より狭い。

(注) 「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。

正答・解説を見る

正答1

の関係を問う問題です。基本法には、障害を理由とする差別等の権利侵害行為をしてはならない旨の規定が、障害者差別解消法の施行前から置かれていました。よって選択肢1が正答です。

障害者差別解消法では、不当な差別的取扱いを禁止し、の提供を求めています。民間の合理的配慮は2024年4月から義務となりました。市町村防止センターの根拠はであり、差別をした事業者へ直ちに科料を科す仕組みでもありません。

管理人の視点: 法律問題は「差別」「虐待」「」という近い言葉に引かれず、根拠法を確認します。合理的配慮については、行政機関だけでなく民間事業者も義務になった改正時点を押さえておきましょう。

選択肢1(正答)

○ 適切です

障害者基本法には、障害を理由とする差別その他の権利利益を侵害する行為をしてはならない旨の規定が、障害者差別解消法の施行前からありました。

選択肢2

✕ 適切ではありません

民間事業者の合理的配慮の提供は、法改正により2024年4月から義務です。ではありません。

選択肢3

✕ 適切ではありません

市町村障害者虐待防止センターは障害者虐待防止法に基づく仕組みです。障害者差別解消法に基づくものではありません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

障害者差別解消法には、差別をした事業者に科料を科すという罰則はありません。

選択肢5

✕ 適切ではありません

同法の障害者の定義は、障害者基本法の定義と同様に、心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいいます。

↑ 目次へ戻る

問題 56

「障害者雇用促進法」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 1就労継続支援A型事業は、この法律に基づき就労支援サービスを提供するものである。
  2. 2公共職業安定所(ハローワーク)は、就労を希望した障害者の就職後の助言、指導は行わない。
  3. 3事業主は、障害者である労働者を雇用する事業所において障害者職業生活相談員を外部委託することができる。
  4. 4雇用義務の対象となる障害者であるかどうかの確認は、精神障害者については、精神障害者保健福祉手帳により行う。
  5. 5事業主は、障害者と障害者でない者との機会均等を図るために、過重な負担となるときであっても、合理的配慮を講じなければならない。

(注) 「障害者雇用促進法」とは、「障害者の雇用の促進等に関する法律」のことである。

正答・解説を見る

正答4

に基づく雇用支援を問う問題です。が雇用義務の対象かを確認する際は、により確認します。選択肢4が正答です。

によるです。は就職後も職場適応のための指導・助言を行い、職業生活相談員は事業所内で選任します。は事業主に過重な負担を及ぼさない範囲で求められます。と一般雇用を支える制度を混同しないことが大切です。

管理人の視点: 「就労」という語だけで障害者雇用促進法と判断しないようにします。A型は福祉サービス、雇用率・職業生活相談員・合理的配慮は雇用施策です。誰と雇用契約を結ぶ場面かを考えると整理できます。

選択肢1

✕ 適切ではありません

A型は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスです。障害者雇用促進法に基づくサービスではありません。

選択肢2

✕ 適切ではありません

ハローワークは就職後も、職場適応を促すために必要な助言・指導を行います。

選択肢3

✕ 適切ではありません

障害者職業生活相談員は、障害者を雇用する事業所が事業所内で選任するものです。外部委託することはできません。

選択肢4(正答)

○ 適切です

精神障害者について雇用義務の対象となるかの確認は、精神障害者保健福祉手帳によって行います。

選択肢5

✕ 適切ではありません

合理的配慮は、事業主に過重な負担を及ぼす場合には講ずる義務を負いません。障害者との機会均等を図るためでも、無制限に求められるものではありません。

↑ 目次へ戻る

問題 57

事例を読んで、大学の学生支援センターのA相談員(社会福祉士)のBさんへの対応に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。

〔事 例〕

統合失調症の診断を受けた大学3年生のBさんは、周囲から聞こえてくる悪口と薬の副作用に悩み、授業も休みがちである。Bさんは、主治医から「悪口は幻聴である。薬物療法で緩和できる」との説明を受けているものの、不安は消えない。悩んだBさんは、学生支援センターを訪れ「薬の副作用がつらい。今後の就職活動も不安でたまらない。自分と同じ経験をしている学生は他にもいるのか。いるなら話をしてみたい」とAに訴えた。Bさんの不安や焦燥感を受け止めたAは、Bさんにどのように対応すべきかを考えている。

  1. 1主治医に相談するよう伝える。
  2. 2学生支援センターに登録しているピアサポートスタッフの紹介を検討する。
  3. 3地域の指定特定相談支援事業所の相談支援専門員の紹介を検討する。
  4. 4就労移行支援事業所のサービス管理責任者の紹介を検討する。
  5. 5精神障害者保健福祉手帳の取得を勧める。
正答・解説を見る

正答1・2

大学生の統合失調症のある人への支援を問う事例問題です。Bさんは薬の副作用に悩み、同じ経験をした学生と話したいという希望も示しています。医療面はに相談すること、学生生活の中ではにつなぐことが適切で、選択肢1・2が正答です。

本人が求めていない制度や就労支援を急いで紹介するより、まず本人の不安と希望を受け止め、いま必要な支援を一緒に考えます。事例の答えを決める一文は「薬の副作用がつらい」と「自分と同じ経験をしている学生は他にもいるのか。いるなら話をしてみたい」です。

管理人の視点: 事例問題では、支援者が紹介できる制度の多さではなく、本人がいま表明したニーズに応答できているかを見ます。医療上の困りごとは主治医へ、経験の共有はピアへ、という対応が本人中心です。

選択肢1(正答)

○ 適切です

薬の副作用は治療を継続するうえで重要な問題です。処方や副作用への対応について、主治医へ相談するよう伝えることが適切です。

選択肢2(正答)

○ 適切です

同じ経験をしている学生と話したいというBさんの希望に応じ、ピアサポートスタッフの紹介を検討することは適切です。

選択肢3

✕ 適切ではありません

指定特定事業所は等利用計画を作成する機関です。Bさんの当面の希望と困りごとに直接対応する紹介ではありません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

は就労を希望するへの訓練等のサービスです。Bさんはいま大学での療養と学業、同じ経験を持つ人との交流を求めており、直ちに紹介する段階ではありません。

選択肢5

✕ 適切ではありません

手帳取得は本人の意思と必要性を踏まえて検討するものです。本人の希望を確かめずに勧める対応は適切ではありません。

↑ 目次へ戻る

出典

用語の説明

努力義務どりょくぎむ

法律で「〜するよう努めなければならない」「〜努めるものとする」と定められた義務。従わなくても罰則はありませんが、実現に向けて努力することが求められます。「〜しなければならない」と書かれる通常の義務との違いが、試験でよく問われます。

用語の説明

障害者総合支援法しょうがいしゃそうごうしえんほう

障害のある人が使うサービスを、障害の種別をまたいで共通の仕組みにまとめた法律。国が基準を定める自立支援給付(介護給付・訓練等給付など)と、市町村や都道府県が地域の実情に応じて行う地域生活支援事業の二本立てです。正式名称は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」。

用語の説明

障害者基本法しょうがいしゃきほんほう

障害者施策の考え方の柱を示す理念法。差別の禁止、社会的障壁の除去、障害者基本計画などを定めます。個々のサービスの中身までは決めておらず、そこは障害者総合支援法などが受け持ちます。

用語の説明

障害者差別解消法しょうがいしゃさべつかいしょうほう

障害を理由とする不当な差別的取扱いを禁じ、合理的配慮の提供を求める法律。行政機関と事業者が対象で、社会の側にある障壁を取り除く責任を置いている点が特徴です。

用語の説明

障害者虐待防止法しょうがいしゃぎゃくたいぼうしほう

障害のある人への虐待を防ぐ法律。養護者・施設従事者等・使用者による虐待を対象とし、気づいた人の通報義務と、市町村などが受けて対応する流れを定めています。

用語の説明

障害者雇用促進法しょうがいしゃこようそくしんほう

障害のある人の働く場を広げる法律。事業主に一定割合の雇用を求める仕組みのほか、職場での合理的配慮や、職業リハビリテーションの実施を定めています。

用語の説明

精神保健福祉法せいしんほけんふくしほう

精神障害のある人の医療・保護と、社会復帰の促進などを定めた法律。任意入院・医療保護入院・措置入院といった入院の形や、精神保健福祉センターの規定を置いています。正式名称は「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」。

用語の説明

保護観察所ほごかんさつしょ

保護観察や生活環境の調整を行う法務省の機関。保護観察官が置かれ、保護司や関係機関と連携して、罪を犯した人の社会復帰を支えます。

用語の説明

公共職業安定所こうきょうしょくぎょうあんていじょ

国が設置する職業紹介の機関で、ハローワークの名で親しまれています。求人の紹介、雇用保険の手続き、障害のある人の就職支援などを行います。

用語の説明

地域生活定着支援センターちいきせいかつていちゃくしえんセンター

高齢または障害のある人が矯正施設を出た後、地域で暮らし続けられるよう調整する機関。入所中から福祉サービスにつなぐ準備を進め、出所後も相談に応じます。

用語の説明

障害者就業・生活支援センターしょうがいしゃしゅうぎょう・せいかつしえんセンター

障害のある人の「働くこと」と「暮らすこと」の相談を一体的に受ける機関。就職の準備や職場定着の支援と、生活面の助言を合わせて行います。

用語の説明

矯正施設きょうせいしせつ

刑務所・少年院・拘置所など、法務省が所管する収容施設の総称。出所・出院後の生活を見据えて、福祉との連携が課題になります。

用語の説明

主治医しゅじい

その人の治療を主に担当している医師。要介護認定の主治医意見書や、サービス利用にあたっての医学的な確認など、福祉の場面でも連携の相手になります。

用語の説明

合理的配慮ごうりてきはいりょ

障害のある人から社会的障壁を取り除いてほしいと申し出があったとき、負担が重すぎない範囲で行う個別の調整のこと。筆談や座席の工夫など、その人の状況に応じて内容が変わります。

用語の説明

成年後見制度せいねんこうけんせいど

判断能力が十分でない人の財産や暮らしを、法律面から支える制度。すでに判断能力が低下してから家庭裁判所が選ぶ法定後見と、元気なうちに自分で決めておく任意後見があります。

用語の説明

相談支援そうだんしえん

本人の困りごとを聞き取り、必要なサービスや資源につなぐ支援。障害福祉では、サービス等利用計画をつくる計画相談支援などの類型があります。

用語の説明

障害福祉サービスしょうがいふくしサービス

障害者総合支援法に基づいて提供されるサービスの総称。介護給付と訓練等給付に大きく分かれ、利用にあたっては市町村の支給決定を受けます。

用語の説明

就労移行支援しゅうろういこうしえん

一般企業への就職をめざす障害のある人が、知識や能力を高める訓練を受け、職場探しや定着まで支援を受けるサービス。利用できる期間に定めがあります。

用語の説明

就労継続支援しゅうろうけいぞくしえん

一般企業で働くことが難しい障害のある人が、働く場を得ながら能力を高めるサービス。雇用契約を結ぶA型と、結ばないB型があります。

用語の説明

精神障害者保健福祉手帳せいしんしょうがいしゃほけんふくしてちょう

精神障害のある人が、各種のサービスや税の控除などを受けやすくするための手帳。障害の程度に応じた等級があり、定期的な更新が必要です。

用語の説明

成年後見制度利用支援事業せいねんこうけんせいどりようしえんじぎょう

身寄りがない、費用を負担できないなどの理由で成年後見制度を使いにくい人に、市町村長申立てや費用の助成を行う事業。制度があっても使えない人を減らすための仕組みです。

用語の説明

知的障害ちてきしょうがい

発達期にあらわれ、知的な機能と日常生活への適応の両面に困難がある状態。手帳の名称や判定の基準は自治体によって違いがあります。

用語の説明

身体障害しんたいしょうがい

視覚・聴覚・肢体・内部機能などに継続的な障害がある状態。身体障害者福祉法に基づき、手帳の交付を受けることでサービスにつながります。

用語の説明

福祉サービスふくしサービス

生活を支えるために提供される公的・民間のサービスの総称。措置から契約へと利用の仕組みが変わったことで、利用者の選択と、その選択を支える権利擁護の仕組みが重要になりました。

用語の説明

事業者じぎょうしゃ

商業その他の事業を行う個人・法人・団体等を指す言葉です。福祉サービスの提供者だけでなく、店舗や宿泊施設なども含み、営利・非営利を問いません。法律によって具体的な対象範囲を確認します。指定を受けて行う障害福祉サービスなどには、人員・設備・運営の基準が定められています。

用語の説明

措置入院そちにゅういん

精神保健福祉法に基づき、自傷他害のおそれがある精神障害者を都道府県知事の権限で入院させる制度のこと。精神保健指定医2名の診察結果が一致することが要件です。本人の同意で入る任意入院や、家族等の同意と指定医1名で行う医療保護入院とは、誰の同意で入るのかと判断する医師の人数が違う点を整理しておきましょう。

用語の説明

ピアサポートピアサポート

同じ病気や障害、生活のしづらさを経験した人同士が、対等な立場で支え合う活動のこと。専門職による援助とは違い、体験を分かち合えること自体が支えになります。難病相談支援センターや精神保健福祉の分野で行われており、専門職の支援に置き換わるものではなく、並んで働く支援だと押さえましょう。

用語の説明

児童発達支援じどうはったつしえん

未就学の障害のある子どもが通い、日常生活の基本的な動作や集団生活への適応について支援を受ける障害児通所支援のこと。就学した子どもが放課後や休日に通う放課後等デイサービスとは、対象となる時期が異なります。診断を受けた場合でも、保育所などと併せて利用できる点も押さえておきましょう。

用語の説明

障害者しょうがいしゃ

障害者基本法で、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害があり、障害と社会的障壁によって日常生活または社会生活に継続的に相当な制限を受ける状態にある人のこと。障害者手帳を持っているかどうかは、この定義の要件ではありません。制限が心身の障害だけでなく社会的障壁からも生じるとする社会モデルの考え方が入っている点が問われます。

用語の説明

身体障害者しんたいしょうがいしゃ

身体障害者福祉法で、同法の別表に定める障害があり、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けた18歳以上の人のこと。手帳の交付が定義そのものに含まれるため、手帳がなければこの法律上の身体障害者には当たりません。18歳未満の児童は児童福祉法が担当する点と合わせて押さえます。

用語の説明

知的障害者ちてきしょうがいしゃ

知的障害者福祉法に基づく援護や福祉サービスの対象となる人のこと。同法には知的障害そのものの定義規定が置かれていない点が特徴で、定義の有無はよく問われます。18歳以上の判定は知的障害者更生相談所が行い、都道府県等から療育手帳が交付されます。

用語の説明

障害者虐待しょうがいしゃぎゃくたい

障害者虐待防止法が定める、養護者による虐待、障害者福祉施設従事者等による虐待、使用者による虐待の3つのこと。対象となる障害者は障害者基本法の障害者と同じで、障害者手帳の有無は問いません。高齢者虐待防止法の類型に使用者による虐待が含まれないこととの違いが問われます。

用語の説明

精神保健指定医せいしんほけんしていい

精神保健福祉法に基づいて厚生労働大臣が指定する医師のこと。本人の同意によらない入院が必要かどうかなどを判定します。医療保護入院と応急入院は指定医1名の判断、措置入院は指定医2名の判断の一致という違いがあり、人数と同意の組合せで入院形態を見分けます。

用語の説明

精神障害者せいしんしょうがいしゃ

精神保健福祉法で、統合失調症、精神作用物質による急性中毒またはその依存症、知的障害その他の精神疾患を有する人のこと。この定義に知的障害が含まれる点が特徴です。障害者雇用促進法で雇用義務の対象となるかどうかは、精神障害者保健福祉手帳の有無によって確認します。

用語の説明

就労継続支援A型しゅうろうけいぞくしえんえーがた

障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つで、一般企業で働くことが難しい人が、事業所と雇用契約を結んで働く場のこと。雇用契約を結ばないB型との違いが問われます。名称に「就労」とあっても障害者雇用促進法のサービスではなく、福祉的就労である点に注意します。

用語の説明

矯正施設退所者きょうせいしせつたいしょしゃ

刑務所や少年院などの矯正施設を出た人のこと。このうち高齢または障害のため自立した生活が難しい人を、福祉サービスや住まいにつなぐのが地域生活定着支援センターです。同センターは都道府県の単位で設置され、市町村ごとではありません。他のセンターとの役割の違いで問われます。

用語の説明

特別調整とくべつちょうせい

高齢または障害があって帰る場所がなく、福祉の支援が必要な矯正施設の退所予定者について、釈放後すぐに福祉サービスにつながるよう準備する仕組み。中心となるのは保護観察所で、協力を依頼される機関が地域生活定着支援センターです。本人が同意していることが前提となります。

用語の説明

権利擁護けんりようご

本人の権利が尊重され、侵害を受けず、必要な権利を行使できるよう支える働きかけです。本人に代わって主張することに限らず、情報提供、意思決定・意思表明の支援、差別や虐待の防止、制度の改善も含みます。成年後見制度や日常生活自立支援事業を用いる場合も、本人の意思と必要な支援の範囲を確認します。

用語の説明

医療保護入院いりょうほごにゅういん

精神保健福祉法上、原則として指定医が、精神障害のため入院による医療・保護を要し任意入院できる状態にないと判断し、家族等の同意などの要件を満たして行う入院です。一定の場合には市町村長同意や、特定医師の診察による12時間以内の例外があります。家族の同意だけで開始できるものではなく、2024年4月からは期間と更新の手続も設けられています。