第37回(令和7年2月実施) 社会保障
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問題文は「第37回社会福祉士国家試験 試験問題」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)より、出題当時の文言のまま掲載しています。正答は同センター公表の「合格基準及び正答」に基づきます。解説は管理人(ばっふぁ)が独自に作成したものです。
問題 28
事例を読んで、社会保険制度の加入に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(23歳)は常勤の国家公務員である。Aさんの配偶者であるBさん(18歳)は無職であり、Aさんに扶養されている。
- 1Aさんは厚生年金保険の被保険者である。
- 2Aさんは介護保険の第二号被保険者である。
- 3Aさんは雇用保険の被保険者である。
- 4Bさんは健康保険の被保険者である。
- 5Bさんは国民年金の第三号被保険者である。
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正答1
の加入関係を、年齢と働き方から整理する問題です。事例では、Aさんが常勤の国家公務員で、Bさんは18歳で扶養されていることが決め手になります。
・は、会社員だけでなく常勤の公務員にも適用されます
・のは40歳から64歳までです
・のは、国民年金の第2号に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者です
・常勤の国家公務員の医療保障は共済組合の短期給付です。と組合員を区別します
Aさんは常勤の国家公務員なので、厚生年金保険の被です。年金制度は平成27年に公務員等も厚生年金へ一元化されています。したがって選択肢1が正答です。
事例の答えを決める一文は「Aさん(23歳)は常勤の国家公務員である」です。国民年金の被保険者となるのは原則20歳からであるため、Bさんは扶養されていても、18歳の時点では第3号被保険者になりません。
管理人の視点: 入職時や結婚、離職の前後は、本人が制度の名前を知らないまま困りやすい時期です。施設でも「扶養に入ったから年金も何もしなくてよいですよね」と聞かれることがあります。私は年齢、働き方、扶養の3つを一緒に確認します。制度を一気に説明するより、生活が変わった日に何が切り替わるかを順に見たほうが、本人にも伝わります。
- 選択肢1(正答)
○ 適切です
正しいです(正答)。常勤の国家公務員は厚生年金保険の被保険者です。共済年金は厚生年金に一元化されており、公務員も厚生年金の仕組みに入っています。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
正しくありません。介護保険の第2号被保険者は40歳以上64歳以下の加入者です。Aさんは23歳なので該当しません。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
正しくありません。国家公務員は原則としての被保険者ではありません。雇用保険は一般の労働者を対象とする制度です。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
常勤の国家公務員Aさんの医療保障は国家公務員共済組合の短期給付であり、Aさんは共済組合員である。Bさんは要件を満たせばその被扶養者となるが、の被保険者ではない。厚生年金への一元化と医療保障の制度を混同しない。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
正しくありません。国民年金の第3号被保険者は、国民年金の第2号被保険者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者です。Bさんは18歳であり、年齢要件を満たしません。
問題 29
日本の社会保障の歴史に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1第二次世界大戦後間もなく、児童福祉法、身体障害者福祉法、老人福祉法が制定され、福祉三法の体制が確立した。
- 2厚生年金保険法の改正により、1961年(昭和36年)に国民皆保険が実現した。
- 3ひとり親世帯を対象とする手当の支給のために、1971年(昭和46年)に児童手当法が制定された。
- 4老人医療費の無料化が1982年(昭和57年)の老人保健法の制定により行われた。
- 52000年度(平成12年度)から、新しい社会保険制度として、介護保険法が施行された。
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正答5
日本のがいつ、どの問題に対応して整えられてきたかを問う問題です。年号を一つずつ暗記するより、制度の流れとして押さえると混ざりません。
・戦後すぐは、、、などが整えられました
・昭和36年には国民皆年金・が実現しました
・昭和48年には老人医療費の無料化が始まりました
・昭和57年のは、老人保健制度を整えた法律です
・平成12年度にはが施行されました
は、介護を家族だけで抱えず社会全体で支えるためのとして、2000年度から始まりました。したがって選択肢5が正答です。
選択肢には、正しい制度名と年号をずらしたものが並びます。とくに老人医療費の無料化と老人保健法、とは、目的と時期をセットで整理します。
管理人の視点: で働いていると、介護保険があることを当たり前の前提として仕事をしてしまいます。でも、家族の介護を社会の制度として支える仕組みは、長い歴史から見れば新しいものです。利用者や家族が制度を使うまでには、相談、申請、認定といくつもの壁があります。制度の年表は暗記のためだけでなく、なぜ今の仕組みが必要になったのかを考える手がかりになります。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
は昭和38年の制定で、第二次世界大戦後間もなくの福祉三法には入りません。福祉三法は児童福祉法、福祉法、法です。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
国民皆保険は、昭和33年に全面改正された法の下で昭和36年に実現しました。同じ昭和36年には、昭和34年制定のが全面施行され、国民皆年金も実現しました。法の改正によって国民皆保険が実現したわけではありません。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
ひとり親世帯を対象とするのは児童扶養手当です。は昭和46年に制定されましたが、対象は児童を養育する人一般です。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
老人医療費の無料化は昭和48年に始まりました。昭和57年の老人保健法は、その後に老人保健制度を整えた法律です。
- 選択肢5(正答)
○ 適切です
介護保険法は平成12年度、2000年度から施行されました。介護を社会全体で支える新しい制度として始まりました。
問題 30
「令和3年度社会保障費用統計」(国立社会保障・人口問題研究所)による社会保障の費用等に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 12021年度(令和3年度)の社会保障給付費の総額は、160兆円を超過している。
- 22021年度(令和3年度)の部門別(「医療」、「年金」、「福祉その他」)の社会保障給付費のうち、「福祉その他」の割合は、2割を超過している。
- 32021年度(令和3年度)の政策分野別社会支出の割合が最も大きいのは「家族」である。
- 42021年度(令和3年度)の社会保障財源における公費負担の割合は、社会保険料の割合よりも大きい。
- 52020年度(令和2年度)の日本の社会支出は、対国内総生産比でみると、OECD加盟国の中で最も大きい。
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正答2
令和3年度費用統計の数字と、統計のものさしの違いを問う問題です。とは似た名前ですが、集計の基準が異なります。
・社会保障給付費はILO基準で、総額は138兆7,433億円です
・部門別は、年金40.2%、医療34.2%、福祉その他25.6%です
・社会支出はOECD基準で、政策分野別では保健42.3%が最大です
・社会保障財源は、料46.2%が公費負担40.4%を上回ります
福祉その他は35兆5,076億円で、社会保障給付費全体の25.6%を占めます。2割を超えているため、選択肢2が正答です。福祉その他には、、障害福祉、、のうち以外などが含まれます。
この問題では、社会保障給付費と社会支出を取り違えないことが大切です。社会保障給付費の総額は160兆円未満で、政策分野別社会支出の最大項目は家族ではなく保健です。
管理人の視点: 統計は、現場の一人ひとりを数字に置き換えるためのものではありません。けれども、介護や障害、子育ての支えにどれほどのお金が使われているかを見ると、支援が個人の善意だけで成り立っていないことが分かります。私は家族から制度への不満を聞くときほど、制度の全体像と、目の前の人に届いていない部分を分けて考えるようにしています。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
正しくありません。令和3年度の社会保障給付費総額は138兆7,433億円で、160兆円を超えていません。社会支出の総額142兆9,802億円とも区別します。
- 選択肢2(正答)
○ 適切です
正しいです(正答)。令和3年度の福祉その他は35兆5,076億円で、社会保障給付費総額の25.6%を占めます。2割を超えています。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
正しくありません。政策分野別社会支出で最も大きいのは保健で、60兆5,208億円、全体の42.3%です。家族は13兆5,363億円、9.5%です。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
正しくありません。社会保障財源では、社会保険料が75兆5,227億円、46.2%で、公費負担の66兆1,080億円、40.4%を上回ります。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
正しくありません。令和2年度の日本の社会支出の対GDP比は25.36%で、アメリカの29.67%やフランスの35.62%より小さく、OECD加盟国で最大ではありません。
問題 31
社会保障の給付に係る国の負担に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1基礎年金の給付費の3分の2を負担する。
- 2年金生活者支援給付金の費用の2分の1を負担する。
- 3介護保険の給付費の2分の1を負担する。
- 4児童扶養手当の費用の3分の1を負担する。
- 5生活保護費の2分の1を負担する。
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正答4
の給付費を、国と地方、保険料がどのように分担しているかを問う問題です。割合だけをばらばらに覚えるより、制度ごとに公費負担の基本形を整理します。
・のは2分の1です
・年金生活者支援給付金は全額が国の負担です
・の給付費は公費が2分の1で、そのうち国の負担は原則4分の1です
・の費用は国が3分の1を負担します
・費は国が原則4分の3を負担します
選択肢4の児童扶養手当は、国が費用の3分の1を負担します。ほかの選択肢は、国の負担と公費全体の負担、または別の割合を取り違えています。
国の負担を問われたときは「公費で半分」と書いてあっても、その半分を国だけが負担するとは限らない点が重要です。介護保険は国、都道府県、市町村で公費を分け合っています。
管理人の視点: 制度の財源は、利用者にとっては遠い話に見えるかもしれません。しかし、サービスの量や職員配置、利用料の説明には必ずつながっています。相談員として家族に制度を説明するとき、私は「税金か保険料か」の言葉だけで済ませず、誰か一人の負担ではなく皆で支える仕組みだと伝えるようにしています。それが、利用することへの遠慮を少し和らげることがあります。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
基礎年金の給付費に対する国庫負担は3分の2ではなく2分の1です。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
年金生活者支援給付金の費用は2分の1ではなく全額が国の負担です。低所得の年金受給者を支える給付です。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
介護保険の給付費は公費全体では2分の1ですが、国だけの負担は原則4分の1です。残りは都道府県と市町村が負担します。
- 選択肢4(正答)
○ 適切です
児童扶養手当の費用は国が3分の1を負担します。児童扶養手当は、ひとり親家庭などを支える制度です。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
生活保護費は国が原則4分の3を負担します。2分の1ではありません。
問題 32
事例を読んで、社会保険の適用に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(47歳)は、大学卒業と就職氷河期が重なったことにより、正社員として就職することができず、現在に至るまでアルバイトとして働いている。Aさんは7歳の子と二人で暮らしている。被用者保険の適用拡大によって、それまで国民健康保険の被保険者だったAさんは初めて健康保険の被保険者となった。これにより、Aさんの状況はどのように変化するか。
- 1新たに、国民年金の第二号被保険者となる。
- 2児童手当の支給額が増額される。
- 3新たに、労働者災害補償保険が適用される。
- 4新たに、介護保険の第二号被保険者となる。
- 5健康保険の保険料を、Aさんが3分の2、事業主が3分の1を負担することになる。
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正答1
の適用拡大によって、働く人のが何に変わるかを問う事例問題です。だけを見るのではなく、同時に変わる年金も確認します。
・被用者保険には健康保険とがあります
・厚生年金保険のは、ではです
・は働く人に幅広く適用され、健康保険の適用拡大とは別の制度です
・健康保険料は原則として労働者と事業主が折半します
Aさんは、それまでの被でしたが、被用者保険の適用拡大により健康保険の被保険者になりました。これに伴い厚生年金保険にも入り、国民年金の第2号被保険者になります。よって選択肢1が正答です。
事例の答えを決める一文は「被用者保険の適用拡大によって、それまで国民健康保険の被保険者だったAさんは初めて健康保険の被保険者となった」です。健康保険と年金を別々の変更と考えないことがポイントです。
管理人の視点: 非正規で働いてきた方の相談では、保険料が給与から引かれることへの不安をよく聞きます。目の前の手取りだけを見ると、負担が増えたように感じるからです。一方で、や将来の厚生年金など、働けなくなったときの支えも増えます。私は制度の良さを決めつけず、今の暮らしへの影響と、いざというときの支えを両方並べて説明します。
- 選択肢1(正答)
○ 適切です
健康保険の被保険者となると、原則として厚生年金保険にも加入します。国民年金では第2号被保険者となります。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
の支給額は、健康保険の種類が変わったことだけでは増額されません。児童の年齢や養育状況などで決まります。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
労災保険は労働者を広く対象とする制度で、健康保険の被保険者になったことによって新たに適用されるものではありません。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
の第2号被保険者は40歳以上64歳以下の加入者です。Aさんは47歳なので、被用者保険の適用前からすでに該当しており、新たに第2号被保険者になるという変化はありません。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
健康保険料は原則として労働者と事業主が折半します。Aさんが3分の2を負担する仕組みではありません。
問題 33
公的年金の給付に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1老齢厚生年金は、受給権者が請求の手続きをとらなくても、支給開始年齢に達すれば自動的に支給が開始される。
- 2老齢厚生年金を受給しながら就労する場合、収入によっては老齢厚生年金の一部又は全部の支給が停止される場合がある。
- 3老齢基礎年金は、繰上げ受給又は繰下げ受給を選択できるが、いずれを選択しても受給額は変わらない。
- 4障害基礎年金の受給者が遺族基礎年金の受給要件を満たした場合、両方の年金を受給することができる。
- 5国民年金には、第三号被保険者を対象とする独自の給付として、付加年金がある。
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正答2
の受け取り方と、働きながら受ける場合の調整を問う問題です。老齢、障害、遺族の年金は、受給要件と請求、併給の関係を分けて整理します。
・老齢年金は、が生じても請求の手続きが必要です
・働きながらを受けると、賃金と年金額によって支給停止になることがあります
・繰上げ受給は減額、繰下げ受給は増額されます
・同じ人が複数の年金を受ける要件を満たしても、原則として併給調整があります
老齢を受給しながら働く人については、賃金と老齢厚生年金の額が一定の基準を超えると、年金の一部または全部が停止されることがあります。これを在職老齢年金といい、選択肢2が正答です。
年金は自動的に振り込まれるものではありません。受給できる年齢になった人が請求をし、状況によって受け取る額や組合せが変わります。
管理人の視点: 定年後も働く利用者や家族にとって、年金と仕事の関係はとても切実です。「働くと年金が全部なくなる」と思い込んでいる方もいます。実際には賃金と年金額によって調整がある制度です。私はその場で断定せず、年齢、働き方、年金の種類を確認して、年金事務所などで個別に確かめられるようつなぎます。正しい窓口につなぐことも相談員の大事な仕事です。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
老齢厚生年金は、受給要件を満たしても請求の手続きが必要です。支給開始年齢に達しただけで自動的に始まるわけではありません。
- 選択肢2(正答)
○ 適切です
働きながら老齢厚生年金を受ける場合、賃金と年金額によっては在職老齢年金の仕組みにより一部又は全部が支給停止されます。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
繰上げ受給を選ぶと年金額は減額され、繰下げ受給を選ぶと増額されます。受給額は同じではありません。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
との受給要件をともに満たしても、原則として両方を同時に受け取ることはできず、併給調整があります。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
付加年金は、や一定の任意加入が付加保険料を納めることで上乗せされる。は付加保険料を納付できず、対象外である。
問題 34
事例を読んで、Aさんに適用される社会保険制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(55歳)は配偶者のBさんと離婚した。Aさんは離婚以前、国民年金の第三号被保険者及び健康保険の被扶養者であった。二人の間に子はおらず、Aさんは、現在、単身で暮らしている。離婚時に年金分割の手続きは済ませている。
- 1離婚前は、Bさんが、Bさん自身の厚生年金保険料に加えて、Aさんの国民年金保険料を納付していた。
- 2Aさんは、離婚前に被扶養者の認定を受けていた健康保険の任意継続被保険者となることができる。
- 3Aさんは、離婚の前後を通じて、介護保険料を市町村から直接徴収されている。
- 4Aさんは、分割した年金記録に基づく老齢厚生年金を、自身の支給開始年齢に達するまでは受給できない。
- 5Aさんは、国民年金保険料の納付猶予制度を利用することができる。
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正答4
離婚後のと年金分割の扱いを問う事例問題です。Aさんの年齢、離婚前の立場、年金分割の手続きが済んでいることを順に見ます。
・のの保険料は、配偶者が個別に納めるものではありません
・のは、退職前にだった人の制度です
・40歳から64歳のは、加入するの保険料とあわせて納めます
・年金分割をしても、自分のの支給開始年齢までは受け取れません
・国民年金保険料の納付猶予制度には年齢要件があります
年金分割は、婚姻期間中の記録を分ける制度です。分割後の記録に基づく老齢厚生年金も、Aさん自身が受給要件を満たし、支給開始年齢に達してから受け取ります。したがって選択肢4が正答です。
事例の答えを決める一文は「離婚時に年金分割の手続きは済ませている」です。分割はすぐに現金を受け取る制度ではなく、将来の老齢厚生年金の記録を変える制度です。
管理人の視点: 離婚は、住まい、収入、保険、年金が同時に変わる出来事です。相談を受けるとき、私は年金分割だけを取り出して説明しないようにしています。今月の医療保険はどうするか、国民年金の手続きは済んだか、生活費は足りるか。急ぐことから一緒に並べると、本人が次に行く窓口を選びやすくなります。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
第3号被の国民年金保険料を、配偶者が自身の厚生年金保険料に上乗せして個別に納付する仕組みではありません。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
健康保険の任意継続被保険者になれるのは、退職前に被保険者だった人です。だったAさんは利用できません。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
のの保険料は、加入する医療保険の保険料と一体的に扱う。市町村国保では市町村が介護分も合わせて徴収するため、市町村による徴収が第1号だけというわけではない。健康保険の被扶養者には通常、個別の保険料負担はない。
- 選択肢4(正答)
○ 適切です
年金分割後の記録に基づく老齢厚生年金も、Aさん自身が受給要件を満たし、自身の支給開始年齢に達してから受け取ります。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
国民年金保険料の納付猶予制度は原則として50歳未満の人が対象です。55歳のAさんは利用できません。
問題 35
雇用保険制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1基本手当の支給に係る失業の認定は、労働基準監督署において行われる。
- 2基本手当の所定給付日数は、被保険者期間には関係なく決定される。
- 3高年齢求職者給付金は、失業し、一定の要件を満たした高年齢被保険者に支給される。
- 4介護休業給付金では、介護休業開始時の賃金の50%相当額が支給される。
- 5出生時育児休業給付金は、産後休業中の労働者に対して支給される。
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正答3
※ 法改正等による補足
選択肢5に関連する補足です。令和7年4月から、一定の要件を満たして両親がともに育児休業を取得した場合などに、出生後休業支援給付金が始まりました。既存の出生時育児休業給付金等とあわせて、休業中の収入を支える制度です。
の基本手当と、年齢、介護、育児に関する給付を問う問題です。似た名前の給付でも、誰が、どのような状態のときに受けられるかを分けて考えます。
・基本手当の失業認定はが行います
・基本手当のは、年齢、離職理由、期間などで決まります
・高年齢求職者給付金は、65歳以上のが離職したときの給付です
・は休業前賃金のおおむね67%です
・出生時育児休業給付金は、産後休業ではなく出生時育児休業を対象にします
高年齢求職者給付金は、失業した高年齢被が一定の要件を満たすと受けられる一時金です。高年齢の人の雇用保険には、通常の基本手当とは別の扱いがあるため、選択肢3が正答です。
給付の名前から推測せず、対象者と休業・離職の状態を確かめることが大切です。とくに育児に関する給付は制度改正もあるため、利用するときは最新の案内で確認します。
管理人の視点: や育児休業の相談では、制度があっても職場に言い出せないという声があります。私は、休むか働き続けるかを本人の気合いの問題にしないよう気をつけています。家族の介護や子育てが始まるときに、収入と仕事をどう守るかは生活そのものです。利用できる制度と、相談先を早めに示すことが、追いつめられる前の支援になります。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
基本手当の支給に係る失業の認定は、ハローワークで行われます。労働基準監督署ではありません。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
基本手当の所定給付日数は、被保険者期間、年齢、離職理由などを踏まえて決まります。被保険者期間と無関係ではありません。
- 選択肢3(正答)
○ 適切です
高年齢求職者給付金は、失業し、一定の要件を満たした高年齢被保険者に支給されます。通常の基本手当とは異なる給付です。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
介護休業給付金は、介護休業開始時の賃金の50%ではなく、おおむね67%相当額が支給されます。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
出生時育児休業給付金は、出生時育児休業を取得した雇用保険の被保険者が対象です。産後休業中の労働者に支給される給付ではありません。
問題 36
諸外国における公的医療と公的年金の制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1フランスの公的医療保険は、制度創設以来、外来診療については現物給付を原則としている。
- 2ドイツの公的年金制度は、全国民共通の一元的な所得比例年金の構造となっている。
- 3スウェーデンの公的年金制度は、完全積立の財政方式をとっている。
- 4イギリスでは、租税を主財源とする医療サービスにより公的医療を保障している。
- 5アメリカでは、連邦政府運営の公的医療保険によって国民皆保険を実現している。
正答・解説を見る
正答4
諸外国の公的医療とを、財源と制度の形から比べる問題です。国名と制度名を丸暗記するより、どの国が税方式、方式、民間保険中心なのかを整理します。
・イギリスの医療は、税を主な財源とするNHSが中心です
・フランスのは、受診後に費用の払戻しを受ける仕組みが基本です
・ドイツの年金には、公務員などを対象とする別の制度があります
・スウェーデンの公的年金は、の所得比例年金と積立方式のプレミアム年金などで構成されます
・アメリカは、公的保険と民間保険が併存していますが、無もおりは実現していません
イギリスは、NHSによって税を主財源に医療サービスを保障しています。社会保険料を主な財源とする国と比べると違いが分かりやすく、選択肢4が正答です。
外国の制度は、日本と同じ名前でも中身が違います。試験では、か払戻しか、全国民共通か職域別か、税か保険料かを手がかりにします。
管理人の視点: 海外の制度を学ぶと、日本のや医療保険も、決して一つしかない形ではないと分かります。現場で制度に不満が出たとき、外国の制度をそのまま持ち込めば解決するわけではありません。それでも、税で支えるのか保険料で支えるのか、誰を対象にするのかという選び方があると知ると、目の前の制度をただの決まりではなく、社会の選択として考えられるようになります。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
フランスの公的医療保険は、外来診療について患者がいったん費用を支払い、その後に払戻しを受ける仕組みが基本です。現物給付が原則ではありません。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
ドイツの公的年金は全国民共通の一元的な制度ではありません。公務員などには別の制度があり、職域ごとの差があります。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
スウェーデンの公的年金は完全積立方式ではありません。所得比例年金は賦課方式で運営され、積立方式のプレミアム年金も組み合わされています。
- 選択肢4(正答)
○ 適切です
イギリスでは、租税を主な財源とするNHSにより、公的な医療サービスを保障しています。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
アメリカには高齢者等を対象とするメディケア、低所得者等を対象とするメディケイドなどがあるが、無保険者もおり国民皆保険は実現していない。公的保険と民間保険が併存している。
出典
- 問題文:「第37回社会福祉士国家試験 試験問題 社会保障」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
- 正答:「第37回社会福祉士国家試験の合格基準及び正答について」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
- 試験センター「過去の試験問題」の「過去問題利用にあたっての留意事項等」に基づき掲載しています。