第37回(令和7年2月実施) 社会保障

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問題文は「第37回社会福祉士国家試験 試験問題」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)より、出題当時の文言のまま掲載しています。正答は同センター公表の「合格基準及び正答」に基づきます。解説は管理人(ばっふぁ)が独自に作成したものです。

問題 28

事例を読んで、社会保険制度の加入に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

Aさん(23歳)は常勤の国家公務員である。Aさんの配偶者であるBさん(18歳)は無職であり、Aさんに扶養されている。

  1. 1Aさんは厚生年金保険の被保険者である。
  2. 2Aさんは介護保険の第二号被保険者である。
  3. 3Aさんは雇用保険の被保険者である。
  4. 4Bさんは健康保険の被保険者である。
  5. 5Bさんは国民年金の第三号被保険者である。
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正答1

の加入関係を、年齢と働き方から整理する問題です。事例では、Aさんが常勤の国家公務員で、Bさんは18歳で扶養されていることが決め手になります。

は、会社員だけでなく常勤の公務員にも適用されます
は40歳から64歳までです
は、国民年金の第2号に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者です
・常勤の国家公務員の医療保障は共済組合の短期給付です。と組合員を区別します

Aさんは常勤の国家公務員なので、厚生年金保険の被です。年金制度は平成27年に公務員等も厚生年金へ一元化されています。したがって選択肢1が正答です。

事例の答えを決める一文は「Aさん(23歳)は常勤の国家公務員である」です。国民年金の被保険者となるのは原則20歳からであるため、Bさんは扶養されていても、18歳の時点では第3号被保険者になりません。

管理人の視点: 入職時や結婚、離職の前後は、本人が制度の名前を知らないまま困りやすい時期です。施設でも「扶養に入ったから年金も何もしなくてよいですよね」と聞かれることがあります。私は年齢、働き方、扶養の3つを一緒に確認します。制度を一気に説明するより、生活が変わった日に何が切り替わるかを順に見たほうが、本人にも伝わります。

選択肢1(正答)

○ 適切です

正しいです(正答)。常勤の国家公務員は厚生年金保険の被保険者です。共済年金は厚生年金に一元化されており、公務員も厚生年金の仕組みに入っています。

選択肢2

✕ 適切ではありません

正しくありません。介護保険の第2号被保険者は40歳以上64歳以下の加入者です。Aさんは23歳なので該当しません。

選択肢3

✕ 適切ではありません

正しくありません。国家公務員は原則としての被保険者ではありません。雇用保険は一般の労働者を対象とする制度です。

選択肢4

✕ 適切ではありません

常勤の国家公務員Aさんの医療保障は国家公務員共済組合の短期給付であり、Aさんは共済組合員である。Bさんは要件を満たせばその被扶養者となるが、の被保険者ではない。厚生年金への一元化と医療保障の制度を混同しない。

選択肢5

✕ 適切ではありません

正しくありません。国民年金の第3号被保険者は、国民年金の第2号被保険者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者です。Bさんは18歳であり、年齢要件を満たしません。

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問題 29

日本の社会保障の歴史に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 1第二次世界大戦後間もなく、児童福祉法、身体障害者福祉法、老人福祉法が制定され、福祉三法の体制が確立した。
  2. 2厚生年金保険法の改正により、1961年(昭和36年)に国民皆保険が実現した。
  3. 3ひとり親世帯を対象とする手当の支給のために、1971年(昭和46年)に児童手当法が制定された。
  4. 4老人医療費の無料化が1982年(昭和57年)の老人保健法の制定により行われた。
  5. 52000年度(平成12年度)から、新しい社会保険制度として、介護保険法が施行された。
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正答5

日本のがいつ、どの問題に対応して整えられてきたかを問う問題です。年号を一つずつ暗記するより、制度の流れとして押さえると混ざりません。

・戦後すぐは、などが整えられました
・昭和36年には国民皆年金・が実現しました
・昭和48年には老人医療費の無料化が始まりました
・昭和57年のは、老人保健制度を整えた法律です
・平成12年度にはが施行されました

は、介護を家族だけで抱えず社会全体で支えるためのとして、2000年度から始まりました。したがって選択肢5が正答です。

選択肢には、正しい制度名と年号をずらしたものが並びます。とくに老人医療費の無料化と老人保健法、は、目的と時期をセットで整理します。

管理人の視点: で働いていると、介護保険があることを当たり前の前提として仕事をしてしまいます。でも、家族の介護を社会の制度として支える仕組みは、長い歴史から見れば新しいものです。利用者や家族が制度を使うまでには、相談、申請、認定といくつもの壁があります。制度の年表は暗記のためだけでなく、なぜ今の仕組みが必要になったのかを考える手がかりになります。

選択肢1

✕ 適切ではありません

は昭和38年の制定で、第二次世界大戦後間もなくの福祉三法には入りません。福祉三法は児童福祉法、福祉法、法です。

選択肢2

✕ 適切ではありません

国民皆保険は、昭和33年に全面改正された法の下で昭和36年に実現しました。同じ昭和36年には、昭和34年制定のが全面施行され、国民皆年金も実現しました。法の改正によって国民皆保険が実現したわけではありません。

選択肢3

✕ 適切ではありません

ひとり親世帯を対象とするのは児童扶養手当です。は昭和46年に制定されましたが、対象は児童を養育する人一般です。

選択肢4

✕ 適切ではありません

老人医療費の無料化は昭和48年に始まりました。昭和57年の老人保健法は、その後に老人保健制度を整えた法律です。

選択肢5(正答)

○ 適切です

介護保険法は平成12年度、2000年度から施行されました。介護を社会全体で支える新しい制度として始まりました。

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問題 30

「令和3年度社会保障費用統計」(国立社会保障・人口問題研究所)による社会保障の費用等に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 12021年度(令和3年度)の社会保障給付費の総額は、160兆円を超過している。
  2. 22021年度(令和3年度)の部門別(「医療」、「年金」、「福祉その他」)の社会保障給付費のうち、「福祉その他」の割合は、2割を超過している。
  3. 32021年度(令和3年度)の政策分野別社会支出の割合が最も大きいのは「家族」である。
  4. 42021年度(令和3年度)の社会保障財源における公費負担の割合は、社会保険料の割合よりも大きい。
  5. 52020年度(令和2年度)の日本の社会支出は、対国内総生産比でみると、OECD加盟国の中で最も大きい。
正答・解説を見る

正答2

令和3年度費用統計の数字と、統計のものさしの違いを問う問題です。は似た名前ですが、集計の基準が異なります。

・社会保障給付費はILO基準で、総額は138兆7,433億円です
・部門別は、年金40.2%、医療34.2%、福祉その他25.6%です
・社会支出はOECD基準で、政策分野別では保健42.3%が最大です
・社会保障財源は、料46.2%が公費負担40.4%を上回ります

福祉その他は35兆5,076億円で、社会保障給付費全体の25.6%を占めます。2割を超えているため、選択肢2が正答です。福祉その他には、、障害福祉、のうち以外などが含まれます。

この問題では、社会保障給付費と社会支出を取り違えないことが大切です。社会保障給付費の総額は160兆円未満で、政策分野別社会支出の最大項目は家族ではなく保健です。

管理人の視点: 統計は、現場の一人ひとりを数字に置き換えるためのものではありません。けれども、介護や障害、子育ての支えにどれほどのお金が使われているかを見ると、支援が個人の善意だけで成り立っていないことが分かります。私は家族から制度への不満を聞くときほど、制度の全体像と、目の前の人に届いていない部分を分けて考えるようにしています。

選択肢1

✕ 適切ではありません

正しくありません。令和3年度の社会保障給付費総額は138兆7,433億円で、160兆円を超えていません。社会支出の総額142兆9,802億円とも区別します。

選択肢2(正答)

○ 適切です

正しいです(正答)。令和3年度の福祉その他は35兆5,076億円で、社会保障給付費総額の25.6%を占めます。2割を超えています。

選択肢3

✕ 適切ではありません

正しくありません。政策分野別社会支出で最も大きいのは保健で、60兆5,208億円、全体の42.3%です。家族は13兆5,363億円、9.5%です。

選択肢4

✕ 適切ではありません

正しくありません。社会保障財源では、社会保険料が75兆5,227億円、46.2%で、公費負担の66兆1,080億円、40.4%を上回ります。

選択肢5

✕ 適切ではありません

正しくありません。令和2年度の日本の社会支出の対GDP比は25.36%で、アメリカの29.67%やフランスの35.62%より小さく、OECD加盟国で最大ではありません。

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問題 31

社会保障の給付に係る国の負担に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 1基礎年金の給付費の3分の2を負担する。
  2. 2年金生活者支援給付金の費用の2分の1を負担する。
  3. 3介護保険の給付費の2分の1を負担する。
  4. 4児童扶養手当の費用の3分の1を負担する。
  5. 5生活保護費の2分の1を負担する。
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正答4

の給付費を、国と地方、保険料がどのように分担しているかを問う問題です。割合だけをばらばらに覚えるより、制度ごとに公費負担の基本形を整理します。

は2分の1です
・年金生活者支援給付金は全額が国の負担です
の給付費は公費が2分の1で、そのうち国の負担は原則4分の1です
の費用は国が3分の1を負担します
費は国が原則4分の3を負担します

選択肢4の児童扶養手当は、国が費用の3分の1を負担します。ほかの選択肢は、国の負担と公費全体の負担、または別の割合を取り違えています。

国の負担を問われたときは「公費で半分」と書いてあっても、その半分を国だけが負担するとは限らない点が重要です。介護保険は国、都道府県、市町村で公費を分け合っています。

管理人の視点: 制度の財源は、利用者にとっては遠い話に見えるかもしれません。しかし、サービスの量や職員配置、利用料の説明には必ずつながっています。相談員として家族に制度を説明するとき、私は「税金か保険料か」の言葉だけで済ませず、誰か一人の負担ではなく皆で支える仕組みだと伝えるようにしています。それが、利用することへの遠慮を少し和らげることがあります。

選択肢1

✕ 適切ではありません

基礎年金の給付費に対する国庫負担は3分の2ではなく2分の1です。

選択肢2

✕ 適切ではありません

年金生活者支援給付金の費用は2分の1ではなく全額が国の負担です。低所得の年金受給者を支える給付です。

選択肢3

✕ 適切ではありません

介護保険の給付費は公費全体では2分の1ですが、国だけの負担は原則4分の1です。残りは都道府県と市町村が負担します。

選択肢4(正答)

○ 適切です

児童扶養手当の費用は国が3分の1を負担します。児童扶養手当は、ひとり親家庭などを支える制度です。

選択肢5

✕ 適切ではありません

生活保護費は国が原則4分の3を負担します。2分の1ではありません。

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問題 32

事例を読んで、社会保険の適用に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

Aさん(47歳)は、大学卒業と就職氷河期が重なったことにより、正社員として就職することができず、現在に至るまでアルバイトとして働いている。Aさんは7歳の子と二人で暮らしている。被用者保険の適用拡大によって、それまで国民健康保険の被保険者だったAさんは初めて健康保険の被保険者となった。これにより、Aさんの状況はどのように変化するか。

  1. 1新たに、国民年金の第二号被保険者となる。
  2. 2児童手当の支給額が増額される。
  3. 3新たに、労働者災害補償保険が適用される。
  4. 4新たに、介護保険の第二号被保険者となる。
  5. 5健康保険の保険料を、Aさんが3分の2、事業主が3分の1を負担することになる。
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正答1

の適用拡大によって、働く人のが何に変わるかを問う事例問題です。だけを見るのではなく、同時に変わる年金も確認します。

・被用者保険には健康保険とがあります
・厚生年金保険のは、ではです
は働く人に幅広く適用され、健康保険の適用拡大とは別の制度です
・健康保険料は原則として労働者と事業主が折半します

Aさんは、それまでの被でしたが、被用者保険の適用拡大により健康保険の被保険者になりました。これに伴い厚生年金保険にも入り、国民年金の第2号被保険者になります。よって選択肢1が正答です。

事例の答えを決める一文は「被用者保険の適用拡大によって、それまで国民健康保険の被保険者だったAさんは初めて健康保険の被保険者となった」です。健康保険と年金を別々の変更と考えないことがポイントです。

管理人の視点: 非正規で働いてきた方の相談では、保険料が給与から引かれることへの不安をよく聞きます。目の前の手取りだけを見ると、負担が増えたように感じるからです。一方で、や将来の厚生年金など、働けなくなったときの支えも増えます。私は制度の良さを決めつけず、今の暮らしへの影響と、いざというときの支えを両方並べて説明します。

選択肢1(正答)

○ 適切です

健康保険の被保険者となると、原則として厚生年金保険にも加入します。国民年金では第2号被保険者となります。

選択肢2

✕ 適切ではありません

の支給額は、健康保険の種類が変わったことだけでは増額されません。児童の年齢や養育状況などで決まります。

選択肢3

✕ 適切ではありません

労災保険は労働者を広く対象とする制度で、健康保険の被保険者になったことによって新たに適用されるものではありません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

の第2号被保険者は40歳以上64歳以下の加入者です。Aさんは47歳なので、被用者保険の適用前からすでに該当しており、新たに第2号被保険者になるという変化はありません。

選択肢5

✕ 適切ではありません

健康保険料は原則として労働者と事業主が折半します。Aさんが3分の2を負担する仕組みではありません。

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問題 33

公的年金の給付に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 1老齢厚生年金は、受給権者が請求の手続きをとらなくても、支給開始年齢に達すれば自動的に支給が開始される。
  2. 2老齢厚生年金を受給しながら就労する場合、収入によっては老齢厚生年金の一部又は全部の支給が停止される場合がある。
  3. 3老齢基礎年金は、繰上げ受給又は繰下げ受給を選択できるが、いずれを選択しても受給額は変わらない。
  4. 4障害基礎年金の受給者が遺族基礎年金の受給要件を満たした場合、両方の年金を受給することができる。
  5. 5国民年金には、第三号被保険者を対象とする独自の給付として、付加年金がある。
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正答2

の受け取り方と、働きながら受ける場合の調整を問う問題です。老齢、障害、遺族の年金は、受給要件と請求、併給の関係を分けて整理します。

・老齢年金は、が生じても請求の手続きが必要です
・働きながらを受けると、賃金と年金額によって支給停止になることがあります
・繰上げ受給は減額、繰下げ受給は増額されます
・同じ人が複数の年金を受ける要件を満たしても、原則として併給調整があります

老齢を受給しながら働く人については、賃金と老齢厚生年金の額が一定の基準を超えると、年金の一部または全部が停止されることがあります。これを在職老齢年金といい、選択肢2が正答です。

年金は自動的に振り込まれるものではありません。受給できる年齢になった人が請求をし、状況によって受け取る額や組合せが変わります。

管理人の視点: 定年後も働く利用者や家族にとって、年金と仕事の関係はとても切実です。「働くと年金が全部なくなる」と思い込んでいる方もいます。実際には賃金と年金額によって調整がある制度です。私はその場で断定せず、年齢、働き方、年金の種類を確認して、年金事務所などで個別に確かめられるようつなぎます。正しい窓口につなぐことも相談員の大事な仕事です。

選択肢1

✕ 適切ではありません

老齢厚生年金は、受給要件を満たしても請求の手続きが必要です。支給開始年齢に達しただけで自動的に始まるわけではありません。

選択肢2(正答)

○ 適切です

働きながら老齢厚生年金を受ける場合、賃金と年金額によっては在職老齢年金の仕組みにより一部又は全部が支給停止されます。

選択肢3

✕ 適切ではありません

繰上げ受給を選ぶと年金額は減額され、繰下げ受給を選ぶと増額されます。受給額は同じではありません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

の受給要件をともに満たしても、原則として両方を同時に受け取ることはできず、併給調整があります。

選択肢5

✕ 適切ではありません

付加年金は、や一定の任意加入が付加保険料を納めることで上乗せされる。は付加保険料を納付できず、対象外である。

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問題 34

事例を読んで、Aさんに適用される社会保険制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

Aさん(55歳)は配偶者のBさんと離婚した。Aさんは離婚以前、国民年金の第三号被保険者及び健康保険の被扶養者であった。二人の間に子はおらず、Aさんは、現在、単身で暮らしている。離婚時に年金分割の手続きは済ませている。

  1. 1離婚前は、Bさんが、Bさん自身の厚生年金保険料に加えて、Aさんの国民年金保険料を納付していた。
  2. 2Aさんは、離婚前に被扶養者の認定を受けていた健康保険の任意継続被保険者となることができる。
  3. 3Aさんは、離婚の前後を通じて、介護保険料を市町村から直接徴収されている。
  4. 4Aさんは、分割した年金記録に基づく老齢厚生年金を、自身の支給開始年齢に達するまでは受給できない。
  5. 5Aさんは、国民年金保険料の納付猶予制度を利用することができる。
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正答4

離婚後のと年金分割の扱いを問う事例問題です。Aさんの年齢、離婚前の立場、年金分割の手続きが済んでいることを順に見ます。

の保険料は、配偶者が個別に納めるものではありません
は、退職前にだった人の制度です
・40歳から64歳のは、加入するの保険料とあわせて納めます
・年金分割をしても、自分のの支給開始年齢までは受け取れません
・国民年金保険料の納付猶予制度には年齢要件があります

年金分割は、婚姻期間中の記録を分ける制度です。分割後の記録に基づく老齢厚生年金も、Aさん自身が受給要件を満たし、支給開始年齢に達してから受け取ります。したがって選択肢4が正答です。

事例の答えを決める一文は「離婚時に年金分割の手続きは済ませている」です。分割はすぐに現金を受け取る制度ではなく、将来の老齢厚生年金の記録を変える制度です。

管理人の視点: 離婚は、住まい、収入、保険、年金が同時に変わる出来事です。相談を受けるとき、私は年金分割だけを取り出して説明しないようにしています。今月の医療保険はどうするか、国民年金の手続きは済んだか、生活費は足りるか。急ぐことから一緒に並べると、本人が次に行く窓口を選びやすくなります。

選択肢1

✕ 適切ではありません

第3号被の国民年金保険料を、配偶者が自身の厚生年金保険料に上乗せして個別に納付する仕組みではありません。

選択肢2

✕ 適切ではありません

健康保険の任意継続被保険者になれるのは、退職前に被保険者だった人です。だったAさんは利用できません。

選択肢3

✕ 適切ではありません

の保険料は、加入する医療保険の保険料と一体的に扱う。市町村国保では市町村が介護分も合わせて徴収するため、市町村による徴収が第1号だけというわけではない。健康保険の被扶養者には通常、個別の保険料負担はない。

選択肢4(正答)

○ 適切です

年金分割後の記録に基づく老齢厚生年金も、Aさん自身が受給要件を満たし、自身の支給開始年齢に達してから受け取ります。

選択肢5

✕ 適切ではありません

国民年金保険料の納付猶予制度は原則として50歳未満の人が対象です。55歳のAさんは利用できません。

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問題 35

雇用保険制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 1基本手当の支給に係る失業の認定は、労働基準監督署において行われる。
  2. 2基本手当の所定給付日数は、被保険者期間には関係なく決定される。
  3. 3高年齢求職者給付金は、失業し、一定の要件を満たした高年齢被保険者に支給される。
  4. 4介護休業給付金では、介護休業開始時の賃金の50%相当額が支給される。
  5. 5出生時育児休業給付金は、産後休業中の労働者に対して支給される。
正答・解説を見る

正答3

※ 法改正等による補足

選択肢5に関連する補足です。令和7年4月から、一定の要件を満たして両親がともに育児休業を取得した場合などに、出生後休業支援給付金が始まりました。既存の出生時育児休業給付金等とあわせて、休業中の収入を支える制度です。

の基本手当と、年齢、介護、育児に関する給付を問う問題です。似た名前の給付でも、誰が、どのような状態のときに受けられるかを分けて考えます。

・基本手当の失業認定はが行います
・基本手当のは、年齢、離職理由、期間などで決まります
・高年齢求職者給付金は、65歳以上のが離職したときの給付です
は休業前賃金のおおむね67%です
・出生時育児休業給付金は、産後休業ではなく出生時育児休業を対象にします

高年齢求職者給付金は、失業した高年齢被が一定の要件を満たすと受けられる一時金です。高年齢の人の雇用保険には、通常の基本手当とは別の扱いがあるため、選択肢3が正答です。

給付の名前から推測せず、対象者と休業・離職の状態を確かめることが大切です。とくに育児に関する給付は制度改正もあるため、利用するときは最新の案内で確認します。

管理人の視点: や育児休業の相談では、制度があっても職場に言い出せないという声があります。私は、休むか働き続けるかを本人の気合いの問題にしないよう気をつけています。家族の介護や子育てが始まるときに、収入と仕事をどう守るかは生活そのものです。利用できる制度と、相談先を早めに示すことが、追いつめられる前の支援になります。

選択肢1

✕ 適切ではありません

基本手当の支給に係る失業の認定は、ハローワークで行われます。労働基準監督署ではありません。

選択肢2

✕ 適切ではありません

基本手当の所定給付日数は、被保険者期間、年齢、離職理由などを踏まえて決まります。被保険者期間と無関係ではありません。

選択肢3(正答)

○ 適切です

高年齢求職者給付金は、失業し、一定の要件を満たした高年齢被保険者に支給されます。通常の基本手当とは異なる給付です。

選択肢4

✕ 適切ではありません

介護休業給付金は、介護休業開始時の賃金の50%ではなく、おおむね67%相当額が支給されます。

選択肢5

✕ 適切ではありません

出生時育児休業給付金は、出生時育児休業を取得した雇用保険の被保険者が対象です。産後休業中の労働者に支給される給付ではありません。

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問題 36

諸外国における公的医療と公的年金の制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 1フランスの公的医療保険は、制度創設以来、外来診療については現物給付を原則としている。
  2. 2ドイツの公的年金制度は、全国民共通の一元的な所得比例年金の構造となっている。
  3. 3スウェーデンの公的年金制度は、完全積立の財政方式をとっている。
  4. 4イギリスでは、租税を主財源とする医療サービスにより公的医療を保障している。
  5. 5アメリカでは、連邦政府運営の公的医療保険によって国民皆保険を実現している。
正答・解説を見る

正答4

諸外国の公的医療とを、財源と制度の形から比べる問題です。国名と制度名を丸暗記するより、どの国が税方式、方式、民間保険中心なのかを整理します。

・イギリスの医療は、税を主な財源とするNHSが中心です
・フランスのは、受診後に費用の払戻しを受ける仕組みが基本です
・ドイツの年金には、公務員などを対象とする別の制度があります
・スウェーデンの公的年金は、の所得比例年金と積立方式のプレミアム年金などで構成されます
・アメリカは、公的保険と民間保険が併存していますが、無もおりは実現していません

イギリスは、NHSによって税を主財源に医療サービスを保障しています。社会保険料を主な財源とする国と比べると違いが分かりやすく、選択肢4が正答です。

外国の制度は、日本と同じ名前でも中身が違います。試験では、か払戻しか、全国民共通か職域別か、税か保険料かを手がかりにします。

管理人の視点: 海外の制度を学ぶと、日本のや医療保険も、決して一つしかない形ではないと分かります。現場で制度に不満が出たとき、外国の制度をそのまま持ち込めば解決するわけではありません。それでも、税で支えるのか保険料で支えるのか、誰を対象にするのかという選び方があると知ると、目の前の制度をただの決まりではなく、社会の選択として考えられるようになります。

選択肢1

✕ 適切ではありません

フランスの公的医療保険は、外来診療について患者がいったん費用を支払い、その後に払戻しを受ける仕組みが基本です。現物給付が原則ではありません。

選択肢2

✕ 適切ではありません

ドイツの公的年金は全国民共通の一元的な制度ではありません。公務員などには別の制度があり、職域ごとの差があります。

選択肢3

✕ 適切ではありません

スウェーデンの公的年金は完全積立方式ではありません。所得比例年金は賦課方式で運営され、積立方式のプレミアム年金も組み合わされています。

選択肢4(正答)

○ 適切です

イギリスでは、租税を主な財源とするNHSにより、公的な医療サービスを保障しています。

選択肢5

✕ 適切ではありません

アメリカには高齢者等を対象とするメディケア、低所得者等を対象とするメディケイドなどがあるが、無保険者もおり国民皆保険は実現していない。公的保険と民間保険が併存している。

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出典

用語の説明

第1号被保険者だいいちごうひほけんしゃ

第1号被保険者の意味は制度によって異なります。介護保険では、市町村の区域内に住む65歳以上の人です。国民年金では、日本国内に住む20歳以上60歳未満の人で、第2号・第3号被保険者に当たらない自営業者や学生などを指します。どの制度の説明かを確かめて読み分けます。

用語の説明

生活保護法せいかつほごほう

憲法第25条の生存権を形にした法律で、生活に困る人へ必要な保護を行い、自立を助けることを目的とします。無差別平等、補足性などの原理と、8種類の扶助を定めています。

用語の説明

児童福祉法じどうふくしほう

子どもの福祉を保障する基本の法律。児童相談所、要保護児童の保護、里親、児童福祉施設、障害児への支援などを定めています。

用語の説明

介護保険法かいごほけんほう

加齢に伴って介護が必要になった人を、社会全体で支えるための法律。市町村を保険者とし、要介護認定、居宅・施設のサービス、地域支援事業などを定めています。

用語の説明

老人福祉法ろうじんふくしほう

高齢者の福祉を図る法律。老人福祉施設のほか、やむを得ない事由でサービスの契約ができないときに市町村が職権で行う「措置」の根拠を置いています。介護保険法ができた後も、この措置の仕組みは残っています。

用語の説明

身体障害者福祉法しんたいしょうがいしゃふくしほう

身体障害のある人の自立と社会参加を支える法律。身体障害者手帳の交付や、身体障害者更生相談所などを定めています。

用語の説明

社会保険しゃかいほけん

病気・けが・老齢・失業・介護・労働災害などに備え、法律に基づく加入と保険料の負担を基本として給付する公的な仕組みです。医療、年金、介護、雇用、労災の各保険があります。公費も財源に含まれ、労災の事業主負担や年金の第3号被保険者など、本人が個別に保険料を納めない場合もあります。

用語の説明

医療保険いりょうほけん

病気やけがの医療費を保険で分かち合う仕組みです。日本の公的医療保険には、健康保険・共済組合などの被用者保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度があります。常勤の公務員の医療保障は共済組合の短期給付であり、年金の厚生年金への一元化と区別します。

用語の説明

健康保険けんこうほけん

会社などに雇われて働く人とその家族が入る医療保険。保険料は事業主と本人が分け合って負担し、治療のほか傷病手当金や出産に関する給付もあります。

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国民健康保険こくみんけんこうほけん

自営業の人、退職した人など、勤め先の健康保険に入らない人が加入する医療保険。市町村と都道府県が運営するものと、同業者でつくる国民健康保険組合があります。

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被用者保険ひようしゃほけん

雇われて働く人が入る社会保険のこと。健康保険や厚生年金保険がこれにあたり、保険料を事業主と本人で分け合う点や、扶養する家族の扱いに特徴があります。

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被扶養者ひふようしゃ

健康保険などで、被保険者等に主として生計を維持され、親族関係、収入、国内居住などの要件を満たす人です。親族関係によっては同一世帯で暮らすことも必要です。通常は本人の保険料を個別に納めず医療給付を受けられます。国保にはこの被扶養者の仕組みはなく、国民年金の第3号とも要件が異なります。

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保険者ほけんしゃ

保険を運営し、保険料を集めて給付を行う主体のこと。介護保険では市町村、健康保険では健康保険組合や全国健康保険協会がこれにあたります。保険に加入している側の「被保険者」と取り違えないよう注意します。

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第2号被保険者だいにごうひほけんしゃ

介護保険では、市町村の区域内に住む40歳以上65歳未満の医療保険加入者。加齢に伴う特定の病気(特定疾病)が原因のときに限ってサービスを使えます。なお公的年金にも同じ呼び名がありますが、そちらは会社員・公務員などを指し、意味が違います。

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第3号被保険者だいさんごうひほけんしゃ

国民年金の第2号被保険者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者で、原則として国内居住要件を満たす人です。国民年金保険料を個別に納付せず、その期間は保険料納付済期間として扱われます。扶養される子や親は含まず、健康保険の被扶養者とも要件が異なります。介護保険には第3号という区分はありません。

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国民年金こくみんねんきん

老齢・障害・遺族の基礎年金を支給する、公的年金の共通の土台です。国内居住の20歳以上60歳未満の人は原則として加入し、働き方や扶養関係により第1号・第2号・第3号に区分されます。厚生年金加入者の第2号には20歳未満や60歳以上も含まれる場合があり、任意加入の仕組みもあります。

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厚生年金保険こうせいねんきんほけん

会社員や公務員が、国民年金に上乗せして入る年金。報酬に応じて保険料と年金額が決まり、保険料は事業主と本人が分け合って負担します。

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公的年金こうてきねんきん

国が運営する年金の総称。全員が入る国民年金を1階、会社員や公務員が上乗せで入る厚生年金保険を2階とする、二階建ての形で説明されます。

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老齢厚生年金ろうれいこうせいねんきん

厚生年金保険に入っていた人が、老齢基礎年金に上乗せして受け取る年金。在職中の報酬と加入期間をもとに額が決まります。

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遺族基礎年金いぞくきそねんきん

国民年金の加入者などが亡くなったとき、生計を維持されていた子のある配偶者または子に支給される年金。子の年齢に条件があるため、子のいない世帯は対象になりません。

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雇用保険こようほけん

働く人が失業したときの生活を支え、再就職を促す保険。求職者給付のほか、育児休業や介護休業に関する給付、教育訓練給付などがあります。

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労災保険ろうさいほけん

仕事や通勤が原因のけが・病気などに給付を行う保険の略称。労働者分の保険料は事業主が負担し、労災保険の適用事業で働くパートやアルバイトも対象になります。

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傷病手当金しょうびょうてあてきん

病気やけがで働けない間の生活を支えるために支給されるお金。健康保険の傷病手当金と、雇用保険の傷病手当は別の制度なので、どちらの話かを区別して読みます。

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現物給付げんぶつきゅうふ

お金ではなく、サービスや医療そのものを提供する形の給付。医療扶助や介護扶助のように、券や委託で直接サービスが届く形をいいます。お金を渡す現金給付と対になる言葉です。

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児童手当じどうてあて

子どもを養育している人に支給される手当。子育て世帯の生活の安定と、子どもの健やかな育ちを支えることを目的としています。

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児童扶養手当じどうふようてあて

ひとり親家庭などの子どもの育ちを支えるために支給される手当。すべての子育て世帯が対象の児童手当とは、目的も対象も別の制度です。

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医療扶助いりょうふじょ

生活保護の扶助のひとつで、けがや病気の治療にかかる費用をまかなうもの。原則として現物給付で、指定医療機関がサービスを提供します。

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社会保障制度しゃかいほしょうせいど

病気・老い・失業・貧困などに社会全体で備える仕組みの総称。社会保険、公的扶助、社会福祉、公衆衛生の4つの柱で説明されるのが一般的です。

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公共職業安定所こうきょうしょくぎょうあんていじょ

国が設置する職業紹介の機関で、ハローワークの名で親しまれています。求人の紹介、雇用保険の手続き、障害のある人の就職支援などを行います。

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被保険者ひほけんしゃ

保険に加入し、要件を満たすと給付を受けられる人のこと。保険料の負担や納め方は制度や加入区分によって異なります。保険を運営する側の「保険者」と読み違えやすいので、どちらの立場の話かを意識して読みます。

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生活保護せいかつほご

生活に困る人に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助ける制度。世帯を単位として必要かどうかを判断し、8種類の扶助を組み合わせて行います。

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障害基礎年金しょうがいきそねんきん

病気やけがで一定の障害の状態になったときに、国民年金から支給される年金。初診日がいつか、保険料の納付要件を満たしているかが支給の判断で重要になります。

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国民年金法こくみんねんきんほう

国民年金の加入区分、保険料、老齢・障害・遺族の基礎年金などを定める法律です。第1号・第3号の原則的な年齢要件は20歳以上60歳未満ですが、第2号や任意加入には異なる要件があります。「一定年齢以上なら年齢上限なく全員加入」とは捉えません。

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特別養護老人ホームとくべつようごろうじんほーむ

老人福祉法に基づく施設で、常に介護が必要で自宅での生活が難しい高齢者が入所して生活する場のこと。介護保険法では介護老人福祉施設と呼ばれ、原則として要介護3以上の人が対象です。在宅復帰に向けたリハビリテーションを役割とする介護老人保健施設とは目的が異なる点を押さえましょう。

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老人保健法ろうじんほけんほう

1982年に制定され、老人医療費の一部負担や市町村による保健事業を定めた法律です。1986年には老人保健施設の創設に関わる改正、1990年の福祉関係八法改正では老人保健計画の規定が設けられました。デイサービス・ショートステイの法定化は1986年の老人福祉法改正と区別します。2008年には高齢者の医療の確保に関する法律へ改められました。

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介護休業かいごきゅうぎょう

育児・介護休業法に基づき、要介護状態の家族を介護するために労働者が取得できる休業のこと。対象家族1人あたりの上限日数と、分割して取れる回数が同法に定められています(具体的な日数は改正されることがあるため、最新の条文で確かめてください)。自分の手で介護をするためというより、介護の体制を整えるための期間と位置づけられています。

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介護休業給付金かいごきゅうぎょうきゅうふきん

介護休業を取得した雇用保険の被保険者に対して、休業中の所得を補うために支給される給付のこと。支給するのは雇用保険であり、医療保険や介護保険からの給付ではない点が繰り返し問われます。休む権利を定める育児・介護休業法と、お金を出す雇用保険法という役割分担で整理しましょう。

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介護保険かいごほけん

加齢に伴う病気などで介護が必要になったときに、介護サービスを利用できる社会保険制度のこと。保険者は市町村と特別区で、第1号被保険者は65歳以上、第2号被保険者は40歳以上65歳未満の医療保険加入者です。介護を家族だけで抱えず社会全体で支える仕組みとして始まりました。

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社会保険制度しゃかいほけんせいど

法律に基づく加入を通じ、病気、老齢、介護、失業、労働災害などに対して給付する制度です。日本では医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険があります。保険料を主な財源としつつ公費も組み合わせ、保険料免除や事業主負担などもあるため、本人の納付実績だけですべての給付資格を決めるわけではありません。

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社会保障しゃかいほしょう

病気、老齢、失業、貧困などで生活が不安定になったときに、国や社会が給付やサービスで暮らしを支える仕組みの総称。試験では、生活安定・向上機能、所得再分配機能、経済安定機能という3つの機能の区別が問われます。保険料を出し合う社会保険と、税を財源とする社会扶助に大きく分かれます。

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社会保障給付費しゃかいほしょうきゅうふひ

1年間に社会保障の制度を通じて国民に支払われた給付の総額を、ILO(国際労働機関)の基準で集計したもの。年金、医療、福祉その他という部門別に分けて示されます。似た名前の社会支出はOECD基準で範囲が広く、集計のものさしが違うため取り違えないようにします。

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社会支出しゃかいししゅつ

社会保障にかかった費用を、OECD(経済協力開発機構)の基準で集計したもの。個人に直接渡らない施設整備費なども含むため、ILO基準の社会保障給付費より対象の範囲が広くなります。集計は政策分野別に示され、国際比較や国内総生産との比較に使われます。

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国庫負担こっこふたん

社会保障の費用のうち、国が税を財源として負担する分のこと。国と地方公共団体を合わせた公費負担のうち、国の分だけを指す言葉です。制度ごとに国、都道府県、市町村の負担の割り振りが決められているため、誰がどこまで負担するのかを制度ごとに整理して覚えます。

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介護保険料かいごほけんりょう

介護保険の財源に充てるために徴収されるお金のこと。65歳以上の第1号被保険者は市町村が徴収し、原則として年金からの天引き(特別徴収)になります。40歳以上65歳未満の第2号被保険者分は、医療保険の保険料とあわせて徴収されます。ただし、健康保険の被扶養者は、原則として個別には納めません。

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受給権じゅきゅうけん

年金などの給付を受け取ることができる権利のこと。要件を満たせば受給権は発生しますが、実際に受け取るには本人の請求手続きが必要で、年齢に達しただけで自動的に始まるわけではありません。遺族年金では、受け取っている配偶者が再婚すると受給権を失います(失権)。

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国民皆保険こくみんかいほけん

すべての国民が、いずれかの公的医療保険に加入する状態をつくった仕組みのこと。国民健康保険法の全面改正によって実現し、ほぼ同じ時期に国民皆年金も整いました。会社などの被用者保険に入らない人を国民健康保険が受け止めることで、加入もれをなくしています。

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任意継続にんいけいぞく

退職等で健康保険の被保険者資格を失った人が、一定の加入期間や申出期限などの要件を満たして、最長2年間加入を続けられる仕組みです。被扶養者だった人が、その資格だけで独立して任意継続被保険者になることはできません。ただし、任意継続する本人の家族が、扶養の要件を満たして被扶養者として加入することはできます。

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児童手当法じどうてあてほう

児童を養育している人に児童手当を支給することを定めた法律。対象は児童を養育する人一般であり、ひとり親家庭を対象とする児童扶養手当とは別の制度です。名前が似ている児童手当と児童扶養手当は、目的も根拠となる法律も違うため、区別して覚えます。

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所定給付日数しょていきゅうふにっすう

雇用保険の基本手当を受けられる日数のこと。年齢、離職理由、被保険者であった期間などを組み合わせて決まり、誰でも一律の日数になるわけではありません。倒産や解雇などで離職を余儀なくされた人のほうが、自己都合で辞めた人より手厚く設定されています。

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高年齢被保険者こうねんれいひほけんしゃ

雇用保険で、65歳以上で雇われている被保険者のこと。離職したときは通常の基本手当ではなく、一時金として支給される高年齢求職者給付金の対象になります。65歳を境に受けられる給付の名前と形が変わるため、年齢と給付名をセットで覚えます。

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身体障害者しんたいしょうがいしゃ

身体障害者福祉法で、同法の別表に定める障害があり、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けた18歳以上の人のこと。手帳の交付が定義そのものに含まれるため、手帳がなければこの法律上の身体障害者には当たりません。18歳未満の児童は児童福祉法が担当する点と合わせて押さえます。

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賦課方式ふかほうしき

その時点の現役世代の保険料などで、受給世代の年金を支える財政方式です。日本の公的年金はこの考え方を基本とし、国庫負担や積立金も活用しています。自分の将来の給付に備える積立方式と区別されます。