第37回(令和7年2月実施) ソーシャルワークの基盤と専門職(共通)
書籍の中の文字や単語、文章を選択すると、その場でAI検索に行くことができます。
問題文は「第37回社会福祉士国家試験 試験問題」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)より、出題当時の文言のまま掲載しています。正答は同センター公表の「合格基準及び正答」に基づきます。解説は管理人(ばっふぁ)が独自に作成したものです。
問題 64
次の記述のうち、社会福祉士及び介護福祉士法において社会福祉士が努めなければならないと規定されていることとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1社会福祉士の信用を傷つけるような行為をしないこと。
- 2福祉サービス関係者等との連携を保つこと。
- 3相談援助に関する知識及び技能の向上を行うこと。
- 4正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らさないこと。
- 5常にその者の立場に立って誠実にその業務を行うこと。
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正答3
※ 法改正等による補足
令和7年(2025年)6月に拘禁刑が創設され、懲役と禁錮は拘禁刑に一本化されました。これに伴い、(第46条)に違反した場合の罰則は「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」から「1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金」に変わっています。義務規定そのものの内容に変更はありません。
に定められた義務規定を問う問題です。決め手は条文の語尾で、「努めなければならない」と書かれているものは1つしかありません。
この法律の義務規定は5つあります。
・誠実義務(第44条の2)…個人の尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことができるよう、常にその者の立場に立って、誠実にその業務を行わなければならない
・信用失墜行為の禁止(第45条)…信用を傷つけるような行為をしてはならない
・義務(第46条)…正当な理由がなく、業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。でなくなった後も続き、違反には罰則がある
・連携(第47条)…等が総合的かつ適切に提供されるよう、福祉サービス関係者等との連携を保たなければならない
・資質向上の責務(第47条の2)…相談援助又は介護等に関する知識及び技能の向上に努めなければならない
「しなければならない」「してはならない」は義務・禁止、「努めなければならない」はです。努力義務の形になっているのは資質向上の責務だけなので、選択肢3が正答です。この5つは語尾を入れ替えて繰り返し出題されています。
管理人の視点: 資質向上の責務は、私にとって一番実感のある条文です。も障害の制度も数年ごとに変わるので、資格を取ったときの知識のままでは、利用者に古い情報を渡してしまいます。実習生には「合格してからが勉強の本番」と伝えています。学び続けることまで法律に書き込まれている専門職だ、ということです。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
信用失墜行為の禁止(第45条)は「信用を傷つけるような行為をしてはならない」という禁止の規定です。「努める」という形ではありません。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
連携(第47条)は「福祉サービス関係者等との連携を保たなければならない」と定められた義務です。努力義務ではありません。
- 選択肢3(正答)
○ 適切です
資質向上の責務(第47条の2)にあたります。業務の内容の変化に適応するため、相談援助又は介護等に関する知識及び技能の向上に「努めなければならない」と定められています。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
秘密保持義務(第46条)は「漏らしてはならない」という義務の規定で、違反には罰則があります。社会福祉士でなくなった後も義務は続きます。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
誠実義務(第44条の2)は「常にその者の立場に立って、誠実にその業務を行わなければならない」と定められた義務です。努力義務ではありません。
問題 65
「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014年)におけるソーシャルワークの知(Knowledge)に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
- 1ソーシャルワークの理論的基盤及び研究は、専ら医学の知見に基づいて構成されている。
- 2ソーシャルワークの研究と理論の独自性は、閉鎖性と応用性にある。
- 3人々と作り上げてきたソーシャルワークの知は、それぞれの国や各地域においても、また国を越えて普遍的に、それぞれの形で、より適切に実践されることになる。
- 4ソーシャルワークの知は、西洋の理論や知識を根拠としたものであることが期待されている。
- 5多くのソーシャルワーク研究と理論は、サービス利用者との双方向性のある対話的過程を通して共同で作られている。
(注) 「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」とは、2014年7月の国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)の総会・合同会議で採択されたものを指す。
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正答3・5
「専門職のグローバル定義」(2014年)の注釈のうち、「知」の内容を問う問題です。
注釈「知」の要点は4つです。
・ソーシャルワークは複数の学問分野をまたぎ、その境界を超えていく。広範な科学的諸理論と研究を利用する
・ソーシャルワークの研究と理論の独自性は「応用性と解放志向性」にある
・多くの研究と理論は、サービス利用者との双方向性のある対話的過程を通して共同で作り上げられてきた
・西洋の理論や知識だけでなく、先住民を含めた民族固有の知にも拠る。植民地主義の下で先住民の知が過小評価されてきたことへの反省が書き込まれている
ひとことで言えば、ソーシャルワークの知は、専門家が一方的に作って世界中に同じ形で持ち込むものではなく、利用者や地域の人々と共に作られ、それぞれの土地に合う形で実践されるものだ、ということです。この軸で見ると、共同で作られるとする選択肢5と、それぞれの形で実践されるとする選択肢3が残り、医学だけ(選択肢1)、閉鎖性(選択肢2)、西洋の知が根拠(選択肢4)は定義と反対の内容だと分かります。
管理人の視点: 「知は利用者との対話から共同で作られる」というくだりは、現場の実感そのものです。私のケアの引き出しの多くは、研修で習うより先に、目の前の利用者と家族から教わったものでした。この方にはこの声かけ、この時間帯なら落ち着く、と教科書の知識をその人に合う形に作り直す作業を毎日やっている。それがこの定義の言う対話的過程なのだと思います。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
グローバル定義では、ソーシャルワークは複数の学問分野をまたぎ、広範な科学的諸理論と研究を利用するとされています。医学だけに基づくものではありません。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
ソーシャルワークの研究と理論の独自性は「応用性と解放志向性」にあるとされています。閉鎖性ではなく、学問の境界を超えていくことが特徴です。
- 選択肢3(正答)
○ 適切です
ソーシャルワークの知は人々と共同で作り出されるものであり、それぞれの国や地域でも、国を越えても、それぞれの形でより適切に実践されることになる、という注釈の内容に合っています。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
注釈には、植民地主義の下で西洋の理論や知識のみが評価され、先住民の知が過小評価されてきたことへの反省が書かれています。西洋の知だけを根拠にすることは、むしろ退けられています。
- 選択肢5(正答)
○ 適切です
多くのソーシャルワーク研究と理論は、サービス利用者との双方向性のある対話的過程を通して共同で作り上げられてきた、と注釈に述べられています。
問題 66
事例を読んで、A社会福祉士の発言の基盤となっている考え方を提示した人物として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
地域活動支援センターで指導員として勤務するAが、地域自立支援協議会の実務者会議に出席したところ、管轄地域内における今後の生活支援の方向性を問われた。そのため、日頃の相談支援活動を踏まえて「私は、障害のある方々の様々な活動が価値ある役割として、社会に認められていくための取組を、私たちはこれからも続けていくことが大切だと思います」と発言し、出席者から賛同を得た。
- 1バンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen, N.)
- 2ニィリエ(Nirje, B.)
- 3ソロモン(Solomon, B.)
- 4ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger, W.)
- 5バンクス(Banks, S.)
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正答4
事例のAの発言の基盤にある考え方から、提唱者を選ぶ問題です。周辺の人名は、国と業績をセットで覚えます。
・バンク-ミケルセン(デンマーク)…ノーマライゼーションの生みの親。1959年法にこの理念を盛り込んだ
・(スウェーデン)…ノーマライゼーションの原理を8つに整理して世界に広めた
・(北米)…ノーマライゼーションを北米に紹介し、発展させてソーシャル・ロール・バロリゼーション(社会的役割の実現)を提唱した
・ソロモン(アメリカ)…を提唱した
・バンクス(イギリス)…の専門職倫理の研究者
答えを決める一文は、発言の中の「様々な活動が価値ある役割として、社会に認められていく」です。障害のある人が社会的に価値ある役割を得て、それが認められるように支援していく。これはヴォルフェンスベルガーのソーシャル・ロール・バロリゼーションそのものなので、選択肢4が正答です。ノーマライゼーションの3人は取り違えを狙って並べられます。生みの親、8つの原理、北米で社会的役割、と一言ずつで区別できるようにしておきましょう。
管理人の視点: この考え方は施設の毎日に直結します。下膳や洗濯物たたみを「係」として担い、周りから頼りにされている利用者がいます。職員が先回りして全部やってしまうことは、安全ではあっても、その人から役割を取り上げることになる。価値ある役割がその人の見られ方を変える、というヴォルフェンスベルガーの指摘を、私は手を出す前の一呼吸として思い出すようにしています。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
バンク-ミケルセンは、デンマークでのある人の親の会の運動に関わり、1959年法にノーマライゼーションの理念を盛り込んだ人物です。「ノーマライゼーションの生みの親」と呼ばれます。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
ニィリエは、ノーマライゼーションの原理を8つに整理して世界に広めたスウェーデンの人物です。1日・1週間・1年のノーマルなリズムなどを挙げました。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
ソロモンは、エンパワメントの概念を提唱した人物です。抑圧の中で力を奪われてきた人が、力を取り戻していく過程を支援の中心に置きました。
- 選択肢4(正答)
○ 適切です
ヴォルフェンスベルガーは、ノーマライゼーションを北米に紹介・発展させ、ソーシャル・ロール・バロリゼーション(社会的役割の実現)を提唱しました。「価値ある役割として社会に認められていく」というAの発言は、この考え方に基づくものです。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
バンクスは、ソーシャルワークの価値と専門職倫理を研究したイギリスの研究者です。倫理綱領や倫理的ジレンマの議論で知られます。
問題 67
事例を読んで、被保護者との関係に苦慮するA現業員に対する査察指導員B(社会福祉士)のスーパービジョンの助言として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
C福祉事務所の査察指導員Bは、生活保護を担当して1年目のAから、単身世帯のDさん(70歳)への対応について相談を受けた。Aによると、Dさんは、Dさんの誤解によるトラブルから近隣とのつきあいはほとんどなく、買い物以外は家に閉じこもっている。私(A)が訪問すると毎回のように「あなたも近所の人たちと同じだ。あなたの話もわからない。福祉は困っている人を助けるためにあるはずだ。なのに、なぜ、もっと自分を助けてくれないのか」と言われる。内容を尋ねるも具体的なことはわからず、どのように応答してよいのか困っているとのことであった。
- 1「家庭訪問でのDさんとのやりとりを振り返ってみましょう」
- 2「話し相手がいる近隣のサロンを紹介すると伝えてみましょう」
- 3「日頃の生活をご近所の方々に尋ねることについてDさんから了解を得てください」
- 4「他の事例を適用してDさんへの対応を検討してみましょう」
- 5「生活保護担当者としての業務と役割について、一緒に確認してみましょう」
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正答1・5
のあり方を問う事例問題です。査察指導員Bがスーパーバイザー、1年目のAがスーパーバイジー(受ける側)です。
スーパービジョンの機能は3つあります。
・管理的機能…業務が組織の目的と役割に沿って行われるよう支える
・教育的機能…実践に必要な知識や技術が身につくよう支える
・支持的機能…スーパーバイジーの不安や落ち込みを受け止めて支える
大事なのは、本事例では結論を一方的に指示するより、スーパーバイジー自身が振り返って気づけるよう支えることが必要だ、ということです。
Aの困りごとは、事例の最後の「どのように応答してよいのか困っている」です。そこで、Dさんとのやりとりを一緒に振り返ること(選択肢1)と、「福祉は困っている人を助けるためにあるはずだ」という訴えに向き合うため、担当者としての業務と役割を確認し直すこと(選択肢5)が正答になります。サロンの紹介や近所への聞き取りは、近隣とのトラブルで閉じこもっているDさんの状況に合わず、他の事例の当てはめは個別化の原則に反します。
管理人の視点: 実習指導で相談を受けると、つい私は「こうすればいい」と答えを渡したくなります。渡せばその場は片づきますが、それでは次の似た場面でまた困ってしまう。そのとき何と言われて、自分はどう返したのか、と一緒に振り返るほうが、時間はかかっても本人の力になります。スーパービジョンは指導の時間というより、実践を言葉にし直す時間だと思っています。
- 選択肢1(正答)
○ 適切です
やりとりを一緒に振り返ることで、Dさんの言葉の背景や自分の応答のあり方を、A自身が見直せるようになります。気づきを支えるスーパービジョンの基本の形です。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
Dさんは近隣とのトラブルからつきあいがほとんど無い状態です。その状況で近隣のサロンを勧めるのは実情に合わず、Aが困っている「応答の仕方」への助言にもなっていません。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
関係がこじれている近所の人たちにDさんの生活を尋ねることは、「あなたも近所の人たちと同じだ」と感じているDさんの不信感を、さらに強めるおそれがあります。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
他の事例をそのまま当てはめることは、一人ひとりの状況の違いから出発する個別化の原則に反します。まずDさん自身の背景と言葉の意味を理解することが先です。
- 選択肢5(正答)
○ 適切です
「福祉は困っている人を助けるためにあるはずだ」という訴えを受け止めるには、生活保護の担当者としての業務と役割を確認し直すことが土台になります。Aが自分の立ち位置を整理するのを支える助言です。
問題 68
アメリカにおける初期のセツルメントに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1「施与ではなく友人を」を掲げて友愛訪問活動を行った。
- 2貧困を社会的・経済的な問題として捉えた。
- 3ケーススタディを通して貧困状態にある人の救済を行った。
- 4援助の効率化を図るために「援助に値する貧民」を選別した。
- 5シカゴにはトインビーホールが設立された。
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正答2
アメリカにおける初期のを問う問題です。この時代は、(COS)とセツルメントの2つの流れを対にして覚えると、選択肢がきれいに仕分けられます。
・慈善組織協会(COS)…「施与ではなく友人を」を合言葉に、友愛訪問員が家庭を個別に訪問。援助に値する貧民かどうかを選別した。の源流
・セツルメント…知識人や学生がスラム(貧困地区)に住み込み、住民と共に生活しながら教育や環境の改善に取り組んだ。貧困を個人の責任ではなく、社会的・経済的な問題として捉えた。やの源流
場所と人名も整理しておきます。
・ロンドン…トインビーホール(1884年、バーネット)。世界初のセツルメント
・ニューヨーク…ネイバーフッド・ギルド(1886年、コイト)。アメリカ初
・シカゴ…ハルハウス(1889年、アダムス)
正答は選択肢2です。貧困を社会の側の問題と捉える見方がセツルメントの核心で、選択肢1・3・4はCOSの説明、選択肢5はロンドンとシカゴの取り違えです。
管理人の視点: COSとセツルメントの対比は暗記項目のようでいて、いまも生きている援助観の2つの軸です。私も生活に困った方の相談を受けるたびに、本人の頑張りだけではどうにもならない事情、仕事や住まいや家族という構造に突き当たります。目の前の一人を個別に支える働きと、貧困を生む仕組みの側に働きかける働き。が最初からこの2本足で始まったと知っておくことは、「本人のせい」という見方に流されないための支えになります。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
「施与ではなく友人を」を掲げて友愛訪問を行ったのは慈善組織協会(COS)です。セツルメントは訪問による個別援助ではなく、スラムに住み込んで活動しました。
- 選択肢2(正答)
○ 適切です
セツルメントは、貧困を個人の道徳や努力の問題ではなく、社会的・経済的な問題として捉え、生活実態の調査や社会改良に取り組みました。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
個別のケースの調査を通した救済は慈善組織協会(COS)の方法で、のちにリッチモンドが体系化するケースワークへつながっていきます。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
「援助に値する貧民」を選別したのは慈善組織協会(COS)です。セツルメントはこうした選別をせず、地域の住民と共に生活しながら活動しました。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
トインビーホールは1884年にロンドンで設立された世界初のセツルメントです。シカゴに設立されたのは、アダムスらによるハルハウス(1889年)です。
問題 69
ドルゴフ(Dolgoff, R.)らによって提示された倫理原則に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1平等と不平等に関する倫理原則では、同じ環境に置かれている人には誰に対しても同じように対応しなければならない。
- 2プライバシーと守秘義務に関する倫理原則では、全ての人が自らのプライバシーと守秘義務を強化しなければならない。
- 3自律と自由に関する倫理原則では、全ての人々の生活の質を高めるような選択肢を選ばなければならない。
- 4最小限の害に関する倫理原則では、あらゆる人の生活や生命を守らなければならない。
- 5誠実と情報の開示に関する倫理原則では、クライエントへの関連の有無に関係なく、全ての情報を伝えなければならない。
(注) 「ドルゴフ(Dolgoff, R.)ら」とは、2009年にEthical Decisions for Social Work Practice(8th ed.)を著したドルゴフ、ローウェンバーグ(Loewenberg, F.M.)とハリントン(Harrington, D.)のことである。
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正答1
ドルゴフらが示した「倫理原則スクリーン」を問う問題です。倫理的ジレンマに直面したとき、どの原則を優先するかを順位の形で並べたもので、上から次の7つです。
・1位 生命の保護
・2位 平等と不平等
・3位 自律と自由
・4位 最小限の害
・5位 生活の質
・6位 プライバシーと
・7位 誠実と情報開示
上にある原則ほど優先されます。秘密を守ること(6位)と命を守ること(1位)がぶつかったら、命が優先です。
この問題で問われているのは順位ではなく、各原則の中身です。平等と不平等の原則は「同じ状況に置かれている人は同じように扱われるべきであり、状況が異なる人は、その違いに応じて異なる扱いが認められる」というものです。選択肢1はこの内容のとおりなので正答です。ほかの選択肢は、別の原則の説明とすり替えられていたり(選択肢3は生活の質、選択肢4は生命の保護の内容)、中身がねじ曲げられていたり(選択肢2・5)します。原則の名前と中身を対で覚えることが決め手です。
管理人の視点: この順位表が現場で効くのは、が別の原則とぶつかる場面です。「死にたい。誰にも言わないでほしい」と打ち明けられたとき、体にあざを見つけたとき。秘密は守りたい。でも、命の保護はその上に置かれています。私は迷ったら、何と何がぶつかっているのかをまず言葉にして、一人で抱えずチームで判断するようにしています。倫理の知識は人を責めるためではなく、迷ったときに立ち返るための道具です。
- 選択肢1(正答)
○ 適切です
正しいです(正答)。平等と不平等の原則は、同じ状況に置かれている人は同じように扱われるべきだ、というものです。あわせて、置かれた状況が異なる人には、その違いに応じて異なる扱いが認められることも含んでいます。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
正しくありません。プライバシーと守秘義務の原則は、援助する側がすべての人のプライバシーと守秘の権利を守るように決定する、というものです。全ての人が自らの守秘義務を強化する、という内容ではありません。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
正しくありません。全ての人々の生活の質を高める選択肢を選ぶのは、5位の生活の質に関する原則です。自律と自由の原則は、クライアントの自律・自立と自由を尊重した決定を求めるものです。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
正しくありません。あらゆる人の生活や生命を守るのは、最優先に置かれた生命の保護の原則です。最小限の害の原則は、害が避けられないときに、最も害が少なく回復しやすい選択肢を選ぶことを求めるものです。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
正しくありません。誠実と情報の開示の原則が求めるのは、クライアントに誠実であり、関連する情報を全て開示することです。関連の有無にかかわらず全ての情報を伝えるものではありません。
出典
- 問題文:「第37回社会福祉士国家試験 試験問題 ソーシャルワークの基盤と専門職(共通)」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
- 正答:「第37回社会福祉士国家試験の合格基準及び正答について」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
- 試験センター「過去の試験問題」の「過去問題利用にあたっての留意事項等」に基づき掲載しています。