第38回(令和8年2月実施) 権利擁護を支える法制度

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問題文は「第38回社会福祉士国家試験 試験問題」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)より、出題当時の文言のまま掲載しています。正答は同センター公表の「合格基準及び正答」に基づきます。解説は管理人(ばっふぁ)が独自に作成したものです。

問題 37

民法の婚姻にかかる規定及び解釈に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 1未成年者は、親権者の同意がなければ婚姻できない。
  2. 2成年被後見人は、成年後見人の同意がなければ婚姻できない。
  3. 3夫婦は同居しなければならない。
  4. 4離婚は裁判によらなければならない。
  5. 5内縁の夫婦が内縁関係を解消する場合、財産分与を請求することはできない。
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正答3

民法の婚姻に関する規定を問う問題です。

押さえておきたい点は次のとおりです。
・婚姻年齢は男女とも18歳。成年年齢も18歳になったため、婚姻にの同意を要する場面はなくなった
・婚姻は身分行為であり、であっても、があれば単独で行える。の同意は不要
・夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない(民法第752条)
・離婚には協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚があり、日本では協議離婚が大半
・内縁関係の解消にも、婚姻に準じて財産分与の請求が認められている

婚姻・離婚・といった身分行為は、財産に関する行為とは扱いが違い、本人の意思が最も重んじられる点が要点です。

選択肢1

✕ 適切ではありません

婚姻できる年齢は男女とも18歳で、成年年齢と同じです。そのため、未成年者が婚姻することは想定されておらず、親権者の同意という規定もなくなりました。

選択肢2

✕ 適切ではありません

婚姻は身分行為なので、意思能力があれば成年被後見人でも単独で行えます。人の同意は必要ありません。

選択肢3(正答)

○ 適切です

民法第752条は、夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならないと定めています。

選択肢4

✕ 適切ではありません

日本では当事者の話し合いによる協議離婚が認められており、実際にも大半を占めます。

選択肢5

✕ 適切ではありません

内縁関係の解消についても、婚姻に準じて財産分与の請求が認められています。

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問題 38

事例を読んで、次のうち、事件当時にAさんに備わっていたか否かが問われる能力として、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

Aさん(15歳)は、口論の末、Bさんを殴ってしまい、Bさんにけがを負わせてしまった。Bさんは、Aさんに対し、治療費を請求することを考えている。

  1. 1行為能力
  2. 2事理弁識能力
  3. 3意思能力
  4. 4権利能力
  5. 5責任能力
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正答5

よく似た「能力」の言葉を区別できるかを問う事例問題です。

・権利能力…権利や義務の主体となれる資格。すべての人が生まれた時から持つ
…自分の行為の意味を理解できる能力。これを欠いたは無効
…単独で確定的に有効な法律行為ができる資格。未成年者やは制限される
・事理弁識能力…物事の道理をわきまえる能力。で後見・保佐・補助のどれに当たるかを判断する基準
…自分の行為が違法であり、責任が生じることを理解できる能力。おおむね12歳前後が目安

事例は、Aさん(15歳)がBさんを殴ってけがをさせ、Bさんが治療費(損害賠償)を請求しようとしている場面です。不法行為の損害賠償責任が本人に生じるかどうかは、責任能力の有無で決まります(民法第712条)。

選択肢1

✕ 適切ではありません

行為能力は契約などの法律行為に関わる資格で、不法行為の責任とは別の話です。

選択肢2

✕ 適切ではありません

事理弁識能力は、成年後見制度でどの類型に当たるかを判断するときの基準です。

選択肢3

✕ 適切ではありません

意思能力は契約などの法律行為が有効かどうかに関わる能力です。

選択肢4

✕ 適切ではありません

権利能力はすべての人が生まれながらに持つもので、15歳のAさんに備わっているかが問われることはありません。

選択肢5(正答)

○ 適切です

不法行為による損害賠償責任を本人が負うかどうかは、責任能力の有無で決まります。15歳であれば通常は備わっていると考えられますが、事件当時に備わっていたかが問われることになります。

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問題 39

次のうち、介護保険制度において行政行為に当たるものとして、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 1行政直営の地域包括支援センター職員による介護保険制度に関する教示
  2. 2行政直営の地域包括支援センター職員による介護予防ケアプランの作成
  3. 3指定介護サービス事業者に対する改善勧告
  4. 4介護保険審査会への審査請求
  5. 5市町村による要介護認定
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正答5

行政行為に当たるものを見分ける問題です。

行政行為とは、行政機関が法律に基づいて、一方的に国民の権利義務を具体的に決める行為をいいます。判断の目安は次の2つです。
・行政の側が一方的に決めるものか(契約や申請ではない)
・その人の権利義務を具体的に決めるものか(単なる案内や事実行為ではない)

選択肢を当てはめると次のようになります。
・教示や情報提供…事実行為であり、行政行為ではない
・ケアプランの作成…専門的な援助行為であり、権利義務を決めるものではない
・改善勧告…相手方の任意の協力を求める行政指導であり、行政行為ではない
…国民の側から行う行為であり、行政の行為ではない
…市町村が一方的に区分を決める処分であり、行政行為に当たる

選択肢1

✕ 適切ではありません

誤りです。制度についての教示は情報提供であり、権利義務を決めるものではないので行政行為ではありません。

選択肢2

✕ 適切ではありません

誤りです。介護予防ケアプランの作成は専門的な援助行為であって、行政行為ではありません。

選択肢3

✕ 適切ではありません

誤りです。改善勧告は相手方の任意の協力を求める行政指導であり、行政行為には当たりません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

誤りです。は国民の側から不服を申し立てる行為であり、行政が行う行為ではありません。

選択肢5(正答)

○ 適切です

正しいです(正答)。要介護認定は、市町村が申請に基づいて要介護状態区分を一方的に決定する処分であり、行政行為に当たります。

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問題 40

事例におけるAさんとBさんの会話を読んで、〔甲〕に入る文章として、次のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

Aさん 「私は、将来に備えて、任意後見制度の利用を検討しているんだ」 Bさん 「それはいいことだね。任意後見制度は〔甲〕と聞いているよ」 Aさん 「それは安心だね」

  1. 1いつでも任意後見契約の効力を生じさせることができる
  2. 2家庭裁判所が任意後見人を選任する
  3. 3任意後見人が家庭裁判所から直接監督を受ける
  4. 4本人が希望すれば、公正証書で任意後見契約を締結することもできる
  5. 5任意後見契約の効力が生じる場合には必ず任意後見監督人が選任される
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正答5

の仕組みを問う問題です。

任意後見制度は、判断能力が十分あるうちに、将来に備えて自分で後見人を選んでおく制度です。(判断能力が低下してからが選ぶ)との違いを押さえます。

手続きの流れは次のとおりです。
1. 本人がを選び、を結ぶ。契約は必ずで行う
2. 本人の判断能力が不十分になったら、家庭裁判所にの選任を申し立てる
3. 家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から、契約の効力が生じる

要点は、「契約を結んだだけでは効力は生じない」「必ず任意後見監督人が選任される」「本人が後見人を選ぶ」の3つです。を直接監督するのは任意後見監督人であり、家庭裁判所は監督人を通じて間接的に監督します。

選択肢1

✕ 適切ではありません

契約の効力は、本人の判断能力が不十分になり、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から生じます。いつでも効力を生じさせられるわけではありません。

選択肢2

✕ 適切ではありません

任意後見人を選ぶのは本人です。家庭裁判所が選任するのは任意後見監督人です。

選択肢3

✕ 適切ではありません

任意後見人を直接監督するのは任意後見監督人です。家庭裁判所は、監督人を通じて間接的に監督します。

選択肢4

✕ 適切ではありません

任意後見契約は必ず公正証書によらなければなりません。「希望すれば」という任意のものではありません。

選択肢5(正答)

○ 適切です

任意後見契約の効力が生じるのは家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時なので、効力が生じる場合には必ず監督人が選任されます。本人にとっては、これが安心につながる仕組みです。

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問題 41

次のうち、「成年後見関係事件の概況(令和6年1月~12月)」(最高裁判所事務総局家庭局)に示された「成年後見関係事件」の申立人のうち最も多い者として、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 1市区町村長
  2. 2本人
  3. 3本人の子
  4. 4本人の兄弟姉妹
  5. 5本人の任意後見人

(注) 「成年後見関係事件」とは、後見開始、保佐開始、補助開始及び任意後見監督人選任事件のことである。

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正答1

※ 法改正等による補足

本問の正誤は、問題文が指定する令和6年の「関係事件の概況」に基づいて判断します。市区町村長23.9%、本人23.5%という僅差も、指定年の集計として確認します。最新動向を調べる際は新しい公表資料を参照し、過去問の数値とは区別します。

最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況(令和6年1月〜12月)」から、申立人の内訳を問う問題です。

令和6年の申立人の順位は次のとおりです(資料4「申立人と本人との関係別件数・割合」)。
・市区町村長 … 9,980件(23.9%)
・本人 … 9,786件(23.5%)
・本人の子 … 8,042件(19.3%)
・本人の兄弟姉妹 … 4,519件(10.8%)
等 … 699件(1.7%)

最高裁自身も「申立人については、市区町村長が最も多く全体の約23.9%を占め、次いで本人(約23.5%)、本人の子(約19.3%)の順」と整理しています。

「成年後見の申立ては家族がするもの」と思っていると、本人の子を選んでしまいます。身寄りのない高齢者が増えたことを背景に、市区町村長による申立てが増え続けており、令和6年は9,980件と、前年の9,608件から約3.9%増えました。

なお市区町村長申立ては、身寄りがない人などについて、に基づいて行われるものです。

選択肢1(正答)

○ 適切です

正しいです(正答)。市区町村長が9,980件(23.9%)で最も多く、前年の9,608件から約3.9%増えました。

選択肢2

✕ 適切ではありません

誤りです。本人による申立ては9,786件(23.5%)で2番目です。市区町村長との差は0.4ポイントとごくわずかですが、最も多いのは市区町村長です。

選択肢3

✕ 適切ではありません

誤りです。本人の子による申立ては8,042件(19.3%)で3番目です。かつては親族による申立てが中心でしたが、いまは市区町村長と本人が上回っています。

選択肢4

✕ 適切ではありません

誤りです。本人の兄弟姉妹による申立ては4,519件(10.8%)で、上位3者よりかなり少なくなっています。

選択肢5

✕ 適切ではありません

誤りです。人等が申立人となるのは699件(1.7%)で、選択肢の中で最も少ない部類です。

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問題 42

事例を読んで、Aさんの日常生活自立支援事業の利用に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

有料老人ホームで暮らす軽度の認知症のあるAさん(80歳代)は、最近、自ら金銭管理をすることが困難となってきた。有料老人ホームの職員の助言により、Aさんは社会福祉協議会が実施する日常生活自立支援事業の利用を検討している。

  1. 1Aさんの判断能力の確認には、医師の鑑定書が不可欠である。
  2. 2Aさんの本事業における支援計画は、社会福祉協議会の生活支援員が作成する。
  3. 3Aさんの本事業における支援計画に基づく日常的金銭管理は、有料老人ホームの職員に委託できる。
  4. 4Aさん本人からの申出がなければ、本事業の支援計画を見直すことはできない。
  5. 5Aさんに対する本事業における支援は、Aさん本人から代理権を授与されたうえで、代理による援助を行うことができる。
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正答5

の仕組みを問う事例問題です。

この事業はが実施し、判断能力が不十分な人が地域で自立して生活できるよう支援するものです。要点は次のとおりです。
・対象…判断能力が不十分だが、事業の契約を結ぶ能力は残っている人
・判断能力の確認…専門員等が面接やガイドラインで確認し、疑義がある場合に契約締結審査会へ諮る。医師の鑑定書は必須ではない。でも類型や事案によって鑑定の要否が異なる
・支援計画…専門員が作成し、が計画に沿って支援を行う
・支援の内容…の利用援助、日常的金銭管理、書類等の預かり
・仕組み…利用者との契約に基づいて援助する。本人からを授与された場合は、その範囲で代理による援助も行える
・計画の見直し…本人の状況の変化に応じて随時行う

「専門員が計画をつくり、生活支援員が動く」という役割分担が頻出です。

選択肢1

✕ 適切ではありません

日常生活自立支援事業では、専門員等が面接や契約締結判定ガイドラインにより契約内容の理解を確認し、疑義がある場合に契約締結審査会で審査する。医師の鑑定書は必須ではない。法定後見でも、後見・保佐は原則として鑑定を行うが不要な場合があり、補助は通常、診断書等で判断される。

選択肢2

✕ 適切ではありません

支援計画を作成するのは専門員です。生活支援員は、計画に沿って実際の支援を行います。

選択肢3

✕ 適切ではありません

日常的金銭管理は事業の中心的な支援であり、の職員に委託できるものではありません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

支援計画は、本人の状況の変化に応じて見直します。本人からの申出がなければ見直せないというものではありません。

選択肢5(正答)

○ 適切です

この事業は利用者との契約に基づいて援助します。本人から代理権を授与された場合は、その範囲で代理による援助も行えます。相談・助言、連絡調整、代行などの方法もあり、すべての援助で代理権が必要となるわけではありません。

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出典

用語の説明

要介護認定ようかいごにんてい

介護保険のサービスを利用するために、どのくらい介護を必要とするかを市町村が調査・審査して判定する仕組み。軽い順に要支援1・2、要介護1〜5の7段階に分かれます。

用語の説明

精神保健福祉法せいしんほけんふくしほう

精神障害のある人の医療・保護と、社会復帰の促進などを定めた法律。任意入院・医療保護入院・措置入院といった入院の形や、精神保健福祉センターの規定を置いています。正式名称は「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」。

用語の説明

老人福祉法ろうじんふくしほう

高齢者の福祉を図る法律。老人福祉施設のほか、やむを得ない事由でサービスの契約ができないときに市町村が職権で行う「措置」の根拠を置いています。介護保険法ができた後も、この措置の仕組みは残っています。

用語の説明

知的障害者福祉法ちてきしょうがいしゃふくしほう

知的障害のある人の自立と社会参加を支える法律。知的障害者更生相談所や、市町村による援護の実施などを定めています。

用語の説明

社会福祉協議会しゃかいふくしきょうぎかい

社会福祉法に位置づけられた、地域福祉の推進を目的とする民間の組織。住民・福祉関係者の参加を得て、相談、ボランティア、日常生活自立支援事業、生活福祉資金の貸付などを担います。行政ではありませんが、公共性の高い役割を持ちます。

用語の説明

家庭裁判所かていさいばんしょ

家庭に関する事件と少年事件を扱う裁判所。成年後見の開始の審判や後見人の選任、少年の保護処分の決定などを行います。

用語の説明

成年後見制度せいねんこうけんせいど

判断能力が十分でない人の財産や暮らしを、法律面から支える制度。すでに判断能力が低下してから家庭裁判所が選ぶ法定後見と、元気なうちに自分で決めておく任意後見があります。

用語の説明

法定後見ほうていこうけん

判断能力が低下した後に、家庭裁判所の審判で支援者を選ぶ成年後見制度です。2026年9月時点の施行中の制度は、判断能力の程度に応じて後見・保佐・補助に分かれます。2026年6月24日に、後見・保佐を廃止して補助へ一元化する改正法が公布されましたが、この見直しは未施行です。施行日は公布から2年6か月以内の政令で定める日とされており、現行制度と区別します。

用語の説明

任意後見制度にんいこうけんせいど

判断能力があるうちに、将来支援してもらう人と内容を自分で決めて契約しておく成年後見の形。契約は公正証書で結びます。

用語の説明

日常生活自立支援事業にちじょうせいかつじりつしえんじぎょう

判断能力が不十分な人が、契約に基づいて福祉サービスの利用手続きや日常的なお金の管理を手伝ってもらう事業。社会福祉協議会が実施します。契約を理解できる力が必要な点で、成年後見制度と役割が分かれます。

用語の説明

福祉サービスふくしサービス

生活を支えるために提供される公的・民間のサービスの総称。措置から契約へと利用の仕組みが変わったことで、利用者の選択と、その選択を支える権利擁護の仕組みが重要になりました。

用語の説明

生活支援員せいかつしえんいん

障害福祉サービスの事業所・施設等で、生活や活動、相談などを支える職員の名称です。制度によって役割が異なり、日常生活自立支援事業では、専門員が本人と作る支援計画に基づき、福祉サービス利用援助や日常的金銭管理等を実際に行う人を指します。この事業だけで使われる職名ではありません。

用語の説明

成年後見人せいねんこうけんにん

判断能力が欠けている人に代わって、家庭裁判所から選ばれて財産管理と身上保護を行う人。日用品の購入など日常生活に関する行為は取消しの対象から外れ、医療行為への同意権は認められていません。

用語の説明

成年被後見人せいねんひこうけんにん

成年後見人による支援を受ける本人のこと。判断能力が欠けているのが通常の状態にある人が対象で、家庭裁判所の後見開始の審判によって決まります。

用語の説明

任意後見契約にんいこうけんけいやく

判断能力があるうちに、将来支援してもらう人(任意後見受任者)と、任せる事務の内容を決めて結ぶ契約。公正証書で作成することが必要です。

用語の説明

任意後見受任者にんいこうけんじゅにんしゃ

任意後見契約を結んだ時点で、将来支援を引き受けることになっている人。まだ支援は始まっておらず、任意後見監督人が選ばれた時点で任意後見人になります。

用語の説明

任意後見人にんいこうけんにん

任意後見契約に基づいて、本人が決めた範囲の事務を行う人。契約で定めた代理権はありますが、法定後見の後見人と違って取消権はありません。

用語の説明

任意後見監督人にんいこうけんかんとくにん

任意後見人がきちんと仕事をしているかを見張る役。本人の判断能力が低下したときに家庭裁判所が選任し、この選任によって任意後見契約の効力が生じます。

用語の説明

審査請求しんさせいきゅう

行政の処分に納得できない人が、行政機関に対してその見直しを求める不服申立てのこと。介護保険では、要介護認定など保険者の処分に対する審査請求を、都道府県に置かれる介護保険審査会が受け付けます。裁判所に訴える行政訴訟とは別の手続きであり、国民の側から行う行為である点も問われます。

用語の説明

要介護状態ようかいごじょうたい

介護を必要とする状態のことで、介護保険法と育児・介護休業法とで意味が異なる用語。介護休業でいう要介護状態は、負傷や病気、障害により2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態を指し、介護保険の要介護認定を受けている必要はありません。事例問題では、この違いが答えを分けます。

用語の説明

養子縁組ようしえんぐみ

血縁のない者などとの間に、法律上の親子関係をつくる制度のこと。普通養子縁組では実の親との親子関係が続きますが、特別養子縁組では実の親との法律上の親子関係が終了します。一定期間子どもを預かって育てる里親制度とは異なり、親子関係そのものを結ぶ仕組みである点を区別しましょう。

用語の説明

親権者しんけんしゃ

未成年の子どもについて、身の回りの世話や教育を行い、財産を管理する権利と義務を持つ者のこと。原則として父母が担います。児童相談所が子どもを保護する場面では、親権者の同意があるかどうかで手続が変わり、同意がない場合には裁判官や家庭裁判所の関与が必要になる点が問われます。

用語の説明

責任能力せきにんのうりょく

法律上の責任を負わせられるだけの判断能力等を指し、分野によって意味が異なります。刑法では、行為の是非を判断し、それに従って行動を制御する能力で、欠如は心神喪失、著しい低下は心神耗弱とされます。民法の不法行為では、自分の行為の責任を理解できる能力が問題になります。契約に関する意思能力・行為能力とも区別します。

用語の説明

意思能力いしのうりょく

自分の行為がどのような意味を持つかを理解できる能力のこと。これを欠いた状態で行った契約などの法律行為は無効になります。単独で確定的に有効な法律行為ができる資格である行為能力とは別の概念で、婚姻のような身分行為は、成年被後見人であっても意思能力があれば一人で行えます。

用語の説明

法律行為ほうりつこうい

契約や遺言のように、当事者の意思表示によって権利や義務を生じさせる行為のこと。意思能力を欠いた状態で行われた法律行為は無効になります。この法律行為を単独で確定的に有効に行える資格が行為能力で、未成年者や成年被後見人は制限される、という順で整理すると混乱しません。

用語の説明

行為能力こういのうりょく

単独で、確定的に有効な法律行為ができる資格のこと。未成年者や成年被後見人はこれが制限され、行った契約を後から取り消せる場合があります。契約などの財産上の行為に関わる資格であって、不法行為の責任を負うかどうかを決める責任能力とは別の話である点が、選択肢のひっかけになります。

用語の説明

公正証書こうせいしょうしょ

公証人が法律の定める方式に従って作成する公文書のこと。任意後見契約は必ず公正証書によらなければならず、当事者だけで作った書面では効力が生じません。「希望すれば公正証書にできる」というように、任意で選べるかのように書かれた選択肢は誤りになります。

用語の説明

代理権だいりけん

本人に代わって契約などの法律行為を行い、その効果を本人に生じさせる権限です。日常生活自立支援事業では相談・助言、連絡調整、代行なども行い、代理が必要な場合に契約で範囲を限定して代理権を得ます。すべての援助に代理権が必要なわけではありません。成年後見制度では、成年後見人に幅広い代理権があるのに対し、保佐人・補助人の代理権は家庭裁判所が定めた範囲に限られます。

用語の説明

有料老人ホームゆうりょうろうじんホーム

高齢者を入居させ、食事の提供、介護、家事、健康管理のいずれかを行う住まいのこと。本人と事業者の契約によって利用します。市町村の措置によって入所する養護老人ホームとの違いがよく問われます。開設にあたっては都道府県知事等への届出が必要で、認可を受ける仕組みではありません。

用語の説明

審査請求しんさせいきゅう

行政庁の処分や、法令に基づく申請への不作為について、行政庁に不服を申し立てる手続です。行政不服審査法などに基づき、申立先や期間を確認して行います。裁判所に訴えを起こすこととは異なります。