第38回(令和8年2月実施) 地域福祉と包括的支援体制

書籍の中の文字や単語、文章を選択すると、その場でAI検索に行くことができます。

問題文は「第38回社会福祉士国家試験 試験問題」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)より、出題当時の文言のまま掲載しています。正答は同センター公表の「合格基準及び正答」に基づきます。解説は管理人(ばっふぁ)が独自に作成したものです。

問題 43

国内外のセツルメントの歴史に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 1バーネット(Barnett, S.)がトインビー・ホール(ロンドン)を設立した当初、主に活動したのは外部から移り住んだ大学の卒業生達であった。
  2. 2アダムス(Addams, J.)がハル・ハウス(シカゴ)を設立した当初、ヨーロッパからの移民が集住する地域で学習機会提供を含む様々な支援活動が展開された。
  3. 3岡山博愛会は、社会階層の高い住民の割合が大きい地域の中で、排除された人々が気軽に立ち寄り交流する場を提供した。
  4. 4キングスレー館は、1924年(大正13年)の関東大震災を契機として、東京帝国大学セツルメントの関係者によって設立された。
  5. 5我が国の隣保事業は、明治後期に同和対策事業として、政府による公設セツルメントとして始まった。
正答・解説を見る

正答1・2

国内外のの歴史を問う問題です。

年代と人物を整理します。
・1884年 トインビー・ホール(ロンドン)…バーネット夫妻が設立。世界初の。オックスフォード大学などの学生・卒業生がスラム地区に住み込んで活動した
・1889年 ハル・ハウス(シカゴ)…アダムスが設立。ヨーロッパからの移民が集まる地域で、学習の機会の提供などを行った
・1891年 岡山博愛会…アリス・ペティ・アダムスが設立。日本のセツルメントの先駆け。貧しい人が多く暮らす地域に置かれた
・1897年 キングスレー館…片山潜が設立。東京帝国大学セツルメントは、1923年(大正12年)の関東大震災を契機として翌1924年(大正13年)に設立された別のもの

セツルメントの本質は「支援者が地域に住み込む」ことです。(COS)が個別訪問と組織化を行ったのと対比して覚えます。

選択肢1(正答)

○ 適切です

トインビー・ホールは、大学の卒業生や学生が外部からスラム地区に移り住み、住民と生活をともにしながら活動した点に特徴があります。

選択肢2(正答)

○ 適切です

ハル・ハウスは、ヨーロッパからの移民が集住するシカゴの地域に設立され、学習機会の提供をはじめとする多様な支援活動を展開しました。

選択肢3

✕ 適切ではありません

岡山博愛会は、貧しい人々が多く暮らす地域に設立されました。の高い住民が多い地域ではありません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

キングスレー館は1897年(明治30年)に片山潜が設立したものです。関東大震災を契機に設立されたのは東京帝国大学セツルメントです。なお関東大震災は1923年(大正12年)の出来事で、東京帝国大学セツルメントの設立は1924年(大正13年)です。

選択肢5

✕ 適切ではありません

日本の隣保事業は民間の取組から始まりました。同和対策事業として政府が公設で始めたものではありません。

↑ 目次へ戻る

問題 44

地域福祉の動向に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 12023年(令和5年)施行の「改正個人情報保護法」では、多機関連携を推進するため、地方公共団体ごとに個人情報保護条例を制定し、情報共有ルールを明確にすることが規定された。
  2. 22024年(令和6年)の「民生委員・児童委員の選任要件に関する検討会」により、居住要件が撤廃されることになった。
  3. 32024年(令和6年)に改訂された「農福連携等推進ビジョン」では、障害者の就労に特化した福祉農園の普及・拡大を提言した。
  4. 42025年(令和7年)に公表された「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方に関するとりまとめ」では、中山間・人口減少地域での高齢者の集住促進を提言した。
  5. 52025年(令和7年)に公表された「『地域共生社会の在り方検討会議』中間とりまとめ」では、身寄りのない高齢者に対する死後事務支援などを提供することができる事業を社会福祉事業として位置づけることとした。

(注) 「改正個人情報保護法」とは、2021年(令和3年)に改正された「個人情報の保護に関する法律」のことである。

正答・解説を見る

正答5

※ 法改正等による補足

本問は2025年5月の中間とりまとめが示した方向を問う過去問です。その後、等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)が2026年6月25日に公布されました。利用援助事業の対象・支援内容を広げる改正部分は、公布から2年以内の政令で定める日に施行する規定です。提言、法律の公布、各規定の施行を区別して確認します(2026年9月8日確認)。

近年のに関する動きを問う問題です。2023年(令和5年)から2025年(令和7年)までの新しい報告書や法改正が並びます。

選択肢に出てくる動きの要点は次のとおりです。
・改正個人情報保護法…従来は自治体ごとに個人情報保護条例がばらばらで、規定も運用も異なっていました(いわゆる「2000個問題」)。2021年(令和3年)の改正で、も含めて法律による全国共通のルールに一元化され、地方公共団体に関する規定は2023年(令和5年)4月1日に施行されました
の選任要件に関する検討会(2024年(令和6年))…原則はこれまでどおり「その地域に居住する者から選出する」。現職が任期の途中に近隣へ転居した場合などに、残りの任期に限って活動の継続を認める、という限定的な例外を示したものです
等推進ビジョン(2024年(令和6年)改訂)…対象をだけでなく、高齢者、、ひきこもり状態にある人、罪を犯した人などへ広げ、農業だけでなく林業・水産業にも広げる方向を示しました。提言されているのは、障害の有無を越えて子どもから高齢者までが利用できる「ユニバーサル農園」の普及・拡大です
・2040年に向けたサービス提供体制等のあり方に関するとりまとめ(2025年(令和7年)7月)…全国を「中山間・人口減少地域」「大都市部」「一般市等」に分けて考え、中山間・人口減少地域では配置基準等の弾力化、サービス間の連携・柔軟化、市町村事業によるサービス提供、地域の介護を支える法人への支援などを示しました
・「の在り方検討会議」中間とりまとめ(2025年(令和7年)5月)…身寄りのない高齢者等への対応として、日常生活支援・入院入所手続支援・死後事務支援等を提供する第二種を新設することを明記しました

誤りの作り方はどれも典型的です。「自治体ごとの条例」→実は全国共通ルール、「居住要件の撤廃」→実は限定的な緩和、「障害者に特化」→実はユニバーサル化、「高齢者の集住」→別の議論(新たな地域医療構想)との混同、というように、方向が逆か、言いすぎか、別の話との取り違えになっています。

選択肢1

✕ 適切ではありません

誤りです。方向が逆です。もともと自治体ごとに個人情報保護条例があり、規定や運用がばらばらでした(「2000個問題」)。2021年(令和3年)の改正は、地方公共団体についても法律による全国共通のルールに一元化するもので、地方公共団体に関する規定は2023年(令和5年)4月1日に施行されています。条例をそれぞれ制定させる方向ではありません。

選択肢2

✕ 適切ではありません

誤りです。居住要件は撤廃されていません。検討会が示したのは、原則として「その地域に居住する者から選出する」ことを保ったうえで、現職のが任期の途中に近隣地域へ転居し、活動を続ける意思があって支障もない場合に、残りの任期に限って活動の継続を認める、という限定的な例外です。「撤廃」は言いすぎになります。

選択肢3

✕ 適切ではありません

誤りです。「障害者の就労に特化」というところが違います。2024年(令和6年)の改訂版では、対象を障害者だけでなく高齢者、生活困窮者、ひきこもり状態にある人、罪を犯した人などへ広げ、農業だけでなく林業・水産業にも広げる方向が示されました。また、普及・拡大が提言されているのは「福祉農園」ではなく、障害の有無を越えて子どもから高齢者までが利用できる「ユニバーサル農園」です。

選択肢4

✕ 適切ではありません

誤りです。高齢者の集住を促進するという提言はされていません。このとりまとめが中山間・人口減少地域について示したのは、サービスを維持・確保するための柔軟な対応(配置基準等の弾力化、包括的な評価の仕組み、訪問・通所などサービス間の連携・柔軟化、市町村事業によるサービス提供、地域の介護を支える法人への支援など)です。なお「高齢者の集住」は、新たな地域医療構想の議論に出てくる話で、そちらとの混同をねらった選択肢です。

選択肢5(正答)

○ 適切です

正しいです(正答)。2025年(令和7年)5月の中間とりまとめでは、身寄りのない高齢者等への対応として、日常生活支援、入院入所手続支援、死後事務支援等を提供する第二種社会福祉事業を新設することが明記されました。その後の福祉部会でも同じ方向で整理されています。

この解説を確かめた資料

↑ 目次へ戻る

問題 45

地域社会に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 1中山間地域とは、住宅地と山間地の中間地域のことである。
  2. 2限界集落とは、75歳以上の人口が50%以上の地域のことである。
  3. 3消滅可能性自治体とは、2010年(平成22年)から30年間に0歳から17歳の児童が半数以下に減少する自治体のことである。
  4. 4公共交通の空白地域とは、過疎地域において、一定の距離の範囲内に駅やバス停がない地域のことである。
  5. 5食料品アクセス困難人口とは、店舗まで500m以上かつ自動車の利用が困難な65歳以上の高齢者の人口のことである。
正答・解説を見る

正答5

地域社会を表す用語の定義を問う問題です。数字を正確に覚えておく必要があります。

・中山間地域…平野の外縁部から山間部にかけての地域。農林水産省の統計で用いられる区分で、「住宅地と山間地の中間」という意味ではない
・限界集落…65歳以上の人口が半数(50%)以上を占め、共同体の機能維持が難しくなった集落(大野晃)
・消滅可能性自治体…2014年の分析では2010~2040年に20~39歳の女性人口が半数以下へ減少する自治体。2024年の分析では2020~2050年を対象とする。本問の児童人口という説明が誤り
・公共交通空白地域…鉄道駅からおおむね1km、バス停からおおむね500mといった一定の範囲内に、駅やバス停がない地域。過疎地域に限らない
・食料品アクセス困難人口…店舗まで直線距離で500m以上あり、かつ自動車の利用が困難な65歳以上の高齢者

「65歳以上の半数」(限界集落)と「20〜39歳の女性が半数以下」(消滅可能性自治体)の区別が要点です。

選択肢1

✕ 適切ではありません

中山間地域は、平野の外縁部から山間部にかけての地域を指す統計上の区分です。

選択肢2

✕ 適切ではありません

限界集落は、65歳以上の人口が50%以上を占める集落を指します。75歳以上ではありません。

選択肢3

✕ 適切ではありません

消滅可能性自治体は、20歳から39歳の女性人口が半数以下に減少する自治体を指します。0歳から17歳の児童ではありません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

公共交通の空白地域は、駅やバス停から一定の距離の範囲外にある地域を指し、過疎地域に限られません。

選択肢5(正答)

○ 適切です

食料品アクセス困難人口は、店舗まで500m以上あり、かつ自動車の利用が困難な65歳以上の高齢者の人口を指します。

↑ 目次へ戻る

問題 46

事例を読んで、多文化共生ソーシャルワークの実践を進めるためにAコミュニティソーシャルワーカー(社会福祉士)が日本における外国人を取り巻く制度や動向について調べたことのうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

B国出身のCさん(23歳、男性)は、農業関係の第1号技能実習生として半年前から日本で働いている。ある時、D市社会福祉協議会のフードパントリーにCさんが食べ物をもらいたいと来所し、Aが話を聴いたところ、今までの時間外労働の賃金が支払われておらず、困っているということだった。Aは、Cさんの了解を得て労働局の総合労働相談窓口に同行して支援を行うとともに、多文化共生に向けたソーシャルワーク実践として、地域住民が技能実習生を取り巻く制度や動向について知ることができる勉強会を開催することとし、調査した。

  1. 1実習実施者に対する監督指導における主な違反事項(2023年(令和5年))として最も多かったのは、賃金の支払である。
  2. 2第1号技能実習生には、労働基準法が適用されない。
  3. 3技能実習生の国籍別構成(2023年度(令和5年度))で最も多い国籍はインドネシアである。
  4. 4特定技能の在留資格をもつ者は、所属機関との契約を期間途中で解除し、異なる機関と新たな雇用契約を結ぶことができない。
  5. 5今後、技能実習制度は育成就労制度へ移行することになっている。
正答・解説を見る

正答5

※ 法改正等による補足

技能実習制度を廃止して育成就労制度を創設する法律は、2024年(令和6年)6月14日に成立し、6月21日に公布されました。施行は公布から3年以内とされていましたが、2025年(令和7年)9月26日の閣議で、2027年(令和9年)4月1日施行と決まりました。

つまり、この試験のあともしばらくは技能実習制度が動いています。学習の際は、いまどちらの制度が動いているかを確かめてください。

外国人労働者、とくに技能実習生をめぐる制度と動向を問う事例問題です。

押さえておきたい点は次のとおりです。
・技能実習生も労働者です。2010年(平成22年)7月施行の改正入管法により、入国1年目から雇用関係のある在留資格「技能実習」が与えられるようになり、労働基準法、法、などが適用されます。かつての「研修生」(労働者ではない扱い)との違いがよく問われます
・実習実施者への監督指導で見つかった違反(2023年(令和5年))で最も多かったのは「使用する機械等の安全基準」で、次が「割増賃金の支払」、その次が「健康診断結果についての医師等からの意見聴取」です。賃金は2番目で、1番ではありません
・技能実習生の国籍別で最も多いのはベトナムです。インドネシアは急に増えていますが2番目です
・特定技能は、要件を満たせば転職(所属機関の変更)ができます。特定技能の異なる分野への移動も、その分野の試験合格等の要件を満たし、所定の手続を行えば可能です。技能実習でも、やむを得ない事情がある場合などには実習先の変更が認められます
・技能実習制度は廃止され、育成就労制度へ移行することが2024年(令和6年)に決まりました

事例のCさんは賃金の未払いで困っているので、選択肢1の「賃金の支払」につられやすくなっています。事例の内容と統計の結果は別ものなので、分けて考えます。

選択肢1

✕ 適切ではありません

2023年(令和5年)に労働基準関係法令違反の疑いがある実習実施者10,378事業場へ監督指導が行われ、7,602事業場(73.3%)で違反が見つかりました。主な違反事項は、多い順に①使用する機械等の安全基準(23.6%)、②割増賃金の支払(16.5%)、③健康診断結果についての医師等からの意見聴取(16.2%)です。賃金の支払は2番目で、最も多い違反ではありません。事例が賃金の未払いなので、引っ張られやすい選択肢です。

選択肢2

✕ 適切ではありません

技能実習生も労働者であり、労働基準法が適用されます。2010年(平成22年)7月施行の改正入管法により、入国1年目から雇用関係のある在留資格「技能実習」が与えられるようになりました。技能実習法第1条も、労働基準法・労働安全衛生法その他の労働に関する法令とあいまって技能実習生の保護を図る、と定めています。事例のCさんの未払い賃金についても、労働基準法に基づいて是正を求めることができます。

なお、団体監理型の入国後講習の期間は雇用関係が生じないため労働関係法令の適用外ですが、講習が終われば第1号の段階から労働者です。

選択肢3

✕ 適切ではありません

外国人技能実習機構「令和5年度業務統計」によると、技能実習計画の認定件数の国籍・地域別では、ベトナムが162,010件で46.3%と約半分を占めて最も多く、インドネシアは74,879件で21.4%と2番目です。インドネシアは前年度の17.4%から21.4%へと急に増えていますが、最多はベトナムです。

選択肢4

✕ 適切ではありません

特定技能では所属機関の変更が可能で、所定の在留資格変更等の手続が必要となる。異なる分野でも、その分野の技能試験に合格するなど要件を満たせば移れるため、同じ分野または試験の共通性が認められた場合だけに限られない。

選択肢5(正答)

○ 適切です

2024年(令和6年)6月14日に改正法が成立し、6月21日に公布されました。技能実習制度に代えて「育成就労」制度を創設し、一定の条件のもとで本人の意向による転籍を認め、監理団体は要件を厳しくしたうえで「監理支援機関」となります。

↑ 目次へ戻る

問題 47

事例を読んで、次の記述のうち、A自治体職員の対応として、適切なものを2つ選びなさい。

〔事 例〕

Aは、住民に対するニーズ調査から災害時の福祉支援の必要性が浮き彫りになったことから、災害時の福祉支援体制を強化するために、従来、バラバラであった周辺の自治体との連携の強化を含め、現在の重層的支援体制整備事業の実施体制を見直すこととした。

  1. 1災害対策会議と重層的支援会議のメンバーが重複するため、時間を切り分けて同日に実施することとした。
  2. 2災害時における避難行動要支援者への福祉支援を強化するため、アウトリーチ等を通じた継続的支援事業を発災時に実施する仕組みに変更した。
  3. 3災害に備えて、福祉支援の必要性が高いケースに関しては、速やかに諮るため、支援会議を随時開催とし、定例開催と同様に本人同意がなくても行うこととした。
  4. 4重層的支援体制整備事業実施計画は、各種福祉計画の上位計画であるため、自治体の地域防災計画の内容を含めて、見直すことにした。
  5. 5災害対策は広域的な対応が重要であるため、重層的支援体制整備事業の実施主体を複数の市町村で構成される広域連合に変更することとした。
正答・解説を見る

正答1・3

と災害時の福祉支援を、どう組み合わせるかを考える事例問題です。

制度の押さえどころは次のとおりです。
・重層的支援体制整備事業は市町村が実施する任意事業。実施主体をに変えるという仕組みではない
(第106条の6)は、本人の同意がなくても情報を共有できる会議で、が課される。随時開催もできる
は、本人の同意を得たうえでプランを協議する会議
等を通じた継続的支援事業は、日常的に、届きにくい人に出向いて関わる事業。発災時だけ実施するものではない
・重層的支援体制整備事業実施計画は、他の福祉計画と調和が保たれたものでなければならないが、地域防災計画の上位計画ではない

「同意がなくても情報共有できるのは支援会議」という区別が要点です。

選択肢1(正答)

○ 適切です

メンバーが重複する会議を同じ日に時間を分けて開くことは、関係者の負担を減らし、連携を進めるうえで現実的な工夫です。

選択肢2

✕ 適切ではありません

アウトリーチ等を通じた継続的支援事業は、日常的に支援が届きにくい人へ出向いていく事業です。発災時だけ実施する仕組みに変えるのは適切ではありません。

選択肢3(正答)

○ 適切です

支援会議は本人の同意がなくても情報共有ができる会議として設けられており、随時開催することもできます。災害に備えて速やかに諮る仕組みとして活用できます。

選択肢4

✕ 適切ではありません

重層的支援体制整備事業実施計画は、他の福祉計画と調和が保たれたものとされていますが、各種福祉計画の上位計画ではなく、地域防災計画を取り込むものでもありません。

選択肢5

✕ 適切ではありません

重層的支援体制整備事業は市町村が実施主体となる事業であり、広域連合に変更するという仕組みはありません。

↑ 目次へ戻る

問題 48

生活困窮者自立支援法に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。

  1. 1生活困窮者に対する自立の支援は、生活困窮者の資産及び収入の状況、健康状態、地域社会からの孤立の状況に応じて、包括的かつ早期に行わなければならないとしている。
  2. 2生活困窮者家計改善支援事業は、被保護者を対象とすることはできないとしている。
  3. 3福祉事務所設置自治体は、居住支援法人が行う業務や関連施策との連携を図るよう努めるものとしている。
  4. 4福祉事務所設置自治体は、生活困窮者就労準備支援事業を実施しなければならないとしている。
  5. 5福祉事務所設置自治体は、支援会議の開催、地域住民相互の交流を行う拠点との連携や訪問等により、生活困窮者の状況を把握するよう努めるものとしている。
正答・解説を見る

正答3・5

※ 法改正等による補足

令和6年改正により、は「」に改称され、地域の実情に応じて必要と認める事業の実施が化されました。

の規定を問う問題です。「しなければならない」(義務)と「努めるものとする」(努力義務)の区別が要点です。

・必須…の支給
・努力義務…事業、事業のうち必要があると認めるもの
・任意…子どもの学習・生活支援事業、その他のの自立の促進を図るために必要な事業

そのほか押さえておきたい点は次のとおりです。
・自立の支援は、生活困窮者の状況に応じて包括的かつ早期に行われなければならない(基本理念)
・2025年4月施行の改正で、家計改善支援事業等の対象に特定を含める仕組みが設けられた
など関連施策との連携を図るよう努める
の開催や訪問等により、生活困窮者の状況の把握に努める

「早期に」「包括的に」というキーワードは基本理念に出てきます。

選択肢1

✕ 適切ではありません

基本理念で考慮する事情は、就労の状況、心身の状況、地域社会からの孤立の状況その他の状況である。「資産及び収入の状況、健康状態」という列挙とは異なる。包括的かつ早期に支援するという部分は正しい。

選択肢2

✕ 適切ではありません

2025年4月施行の改正により、特定被保護者(保護の実施機関が就労準備等の支援を必要と認める被保護者)を、就労準備支援・家計改善支援・居住支援の対象に含める仕組みが設けられた。要件や関係部局の連携を確認するのであり、被保護者を無条件で一律に対象とする意味でもない。

選択肢3(正答)

○ 適切です

正しいです(正答)。は、居住支援法人が行う業務や関連施策との連携を図るよう努めるものとされています。

選択肢4

✕ 適切ではありません

誤りです。就労準備支援事業は努力義務であり、実施しなければならない事業ではありません。必須事業は事業と住居確保給付金の支給です。

選択肢5(正答)

○ 適切です

正しいです(正答)。支援会議の開催、地域住民相互の交流を行う拠点との連携、訪問等により、生活困窮者の状況を把握するよう努めるものとされています。

↑ 目次へ戻る

問題 49

地域福祉における支援・配慮を要する者に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 1子ども・若者育成支援推進法に基づくヤングケアラーとは、家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる18歳未満の者をいう。
  2. 2「困難女性支援法」における困難な問題を抱える女性とは、犯罪等により害を被った女性及びその家族又は遺族をいう。
  3. 3「住宅セーフティネット法」における住宅確保要配慮者とは、生活困窮者自立支援制度による住居確保給付金の支給対象にならない者をいう。
  4. 4災害対策基本法における避難行動要支援者とは、都道府県が作成する避難行動要支援者名簿への登載を希望する者をいう。
  5. 5「ひきこもり支援ハンドブック」におけるひきこもり支援対象者とは、社会的に孤立し、孤独を感じている状態にある人や、様々な生きづらさを抱えている状態の人をいう。

(注)

  1. 1「困難女性支援法」とは、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」のことである。
  2. 2「住宅セーフティネット法」とは、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」のことである。
  3. 3「ひきこもり支援ハンドブック」とは、厚生労働省社会福祉推進事業「ひきこもり支援にかかる支援マニュアルの策定に向けた調査研究事業」の成果物であり、2025年(令和7年)に発出された「ひきこもり支援ハンドブック~寄り添うための羅針盤~」のことである。
正答・解説を見る

正答5

※ 法改正等による補足

ヤングケアラーは、2024年(令和6年)の子ども・若者育成支援推進法の改正により、国・等が支援に努める対象として初めて法律に明記されました。

支援や配慮を要する人の法律上の定義を問う問題です。定義の細かい違いが問われます。

・ヤングケアラー…2024年(令和6年)の子ども・若者育成支援推進法の改正で法律上に位置づけられた。「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」とされ、18歳未満に限定されていない
・困難な問題を抱える女性…性的な被害、家庭の状況、地域社会との関係その他の様々な事情により、日常生活・社会生活を営むうえで困難な問題を抱える女性(そのおそれのある者を含む)
…低額所得者、被災者、高齢者、、子育て世帯など、住宅の確保に特に配慮を要する人
・避難行動…高齢者、障害者、乳幼児など、災害時に自ら避難することが困難で特に支援を要する人。名簿は市町村が作成する
・ひきこもり支援対象者…ひきこもりの状態にある人に限らず、社会的に孤立し孤独を感じている人や生きづらさを抱えている人を広く含む

「年齢で区切っているか」「誰が名簿を作るか」といった点が引っかけになります。

選択肢1

✕ 適切ではありません

誤りです。子ども・若者育成支援推進法におけるヤングケアラーは「子ども・若者」とされており、18歳未満に限定されていません。

選択肢2

✕ 適切ではありません

誤りです。困難女性支援法の対象は、性的な被害、家庭の状況、地域社会との関係その他様々な事情により困難な問題を抱える女性です。犯罪被害者に限られません。

選択肢3

✕ 適切ではありません

誤りです。住宅確保要配慮者は、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯など住宅の確保に特に配慮を要する人を指します。の対象にならない人という定義ではありません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

誤りです。避難行動者名簿を作成するのは市町村です。また、登載を希望するかどうかで決まるものでもありません。

選択肢5(正答)

○ 適切です

正しいです(正答)。ひきこもり支援ハンドブックでは、支援の対象を、社会的に孤立し孤独を感じている人や、様々な生きづらさを抱えている人を含めて幅広く捉えています。

↑ 目次へ戻る

問題 50

事例を読んで、次のうち、総合相談窓口のA相談員(社会福祉士)が他機関とともに地域生活支援を検討するために、考えられる会議体として、適切なものを2つ選びなさい。

〔事 例〕

B市では、総合相談窓口を行政直営で運営している。ある時、地域住民から総合相談窓口に対して、近所の家が庭にごみをめており、異臭がするので撤去してほしいという相談が入った。Aが当該地区の民生委員に連絡すると、以前は高齢の母親と60歳代前半の息子Cさんが暮らしていたが、去年、母親が認知症グループホームに入居してからは訪問する機会がなかったとのことだった。Cさんについては、子どもの頃は養護学校に通っていたらしいが、詳しくはわからず、またCさんには妹がおり、母親の入居手続きを行う際、Cさんには一切関わりたくないと言っていたことが分かった。そこでAは、Cさん宅を訪問し、最初は会うこともできなかったが、次第に言葉を交わすようになり、ごみを片付けたいが体調が悪くお金もないので悩んでいることが分かり、Cさんの同意は得られていないが、関係者による情報共有や支援体制構築に向けた会議の開催を検討することとした。

  1. 1行政相談委員法に基づく行政相談懇談会
  2. 2生活困窮者自立支援法に基づく支援会議
  3. 3「障害者総合支援法」に基づく地域連携推進会議
  4. 4社会福祉法に基づく支援会議
  5. 5社会福祉法に基づく重層的支援会議

(注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

正答・解説を見る

正答2・4

本人の同意が得られていない段階で、関係者が情報を共有できる会議はどれかを問う事例問題です。

会議体の性格を整理します。
に基づく…本人の同意がなくても情報共有ができる。構成員にが課される
に基づく支援会議(第106条の6)…を実施する市町村が置く。こちらも本人の同意がなくても情報共有ができ、守秘義務が課される
・社会福祉法に基づく…本人の同意を得たうえで、支援プランを協議する会議
・地域連携推進会議…に基づき、グループホーム等のが地域に開かれた運営をするために置く会議
・行政相談懇談会…行政運営の改善のための仕組みで、個別の支援を検討する場ではない

事例のCさんは同意が得られていません。したがって、同意がなくても情報を共有できる2つの支援会議が答えになります。

選択肢1

✕ 適切ではありません

行政相談懇談会は、行政運営の改善につなげるための仕組みであり、個別の生活支援を検討する会議ではありません。

選択肢2(正答)

○ 適切です

自立支援法に基づく支援会議は、本人の同意がなくても関係者が情報を共有できる会議です。Cさんは体調が悪く金銭的にも困っており、生活困窮者としての支援が考えられます。

選択肢3

✕ 適切ではありません

地域連携推進会議は、グループホーム等の事業者が運営を地域に開くために置く会議で、個別ケースの支援体制を検討する場ではありません。

選択肢4(正答)

○ 適切です

社会福祉法に基づく支援会議も、本人の同意がなくても情報共有ができる会議です。同意が得られていない段階で関係者が集まる場として適しています。

選択肢5

✕ 適切ではありません

重層的支援会議は、本人の同意を得たうえで支援プランを協議する会議です。Cさんの同意が得られていない現段階では使えません。

↑ 目次へ戻る

問題 51

事例を読んで、次のうち、A市の地域包括支援センターのB社会福祉士が連携すべき相手として、適切なものを2つ選びなさい。

〔事 例〕

Bは、民生委員から一人暮らしのCさん(70歳、男性)に関する相談を受けた。Cさんに結婚歴はなく、65歳の時にA市に転入し、警備会社で働いていたが、69歳の時に脳梗塞を発症して退職し、老齢厚生年金で生活している。右半身に不全感が残っており、文字を書くことに不自由さがあるが、生活に支障はない。 先日、民生委員が高齢者実態調査のために訪問した際、Cさんが住む民間賃貸住宅は以前から建て替えをすることが決まっており、立ち退きを求められていたが、周辺地域の家賃が高騰しており、引っ越し手続きや保証人等をどうしたらよいか分からないとの相談があった。

  1. 1居住支援法人の担当者
  2. 2生活支援体制整備事業の担当者
  3. 3消費生活センターの担当者
  4. 4日常生活自立支援事業の担当者
  5. 5生活困窮者住居確保給付金の担当者
正答・解説を見る

正答1・5

住まいの問題を抱える高齢者への支援で、誰と連携するかを考える事例問題です。

Cさんの状況を整理します。
・建て替えのため立ち退きを求められている
・周辺の家賃が高騰している
・引っ越し手続きや保証人をどうしたらよいか分からない
で生活している
・右半身に不全感があり文字を書くことに不自由さがあるが、生活に支障はない

中心にあるのは「住まいの確保」です。
に対し、賃貸住宅への入居に関する情報提供や相談、家賃債務保証などを行う法人。まさにこの場面の担当
…家賃補助に加え、2025年4月から転居費用補助がある。後者は収入が著しく減少し、家計改善のため転居が必要な場合等に利用でき、年金生活者も対象となり得る。Cさんの個別要件をの窓口と確認する

一方、は判断能力が不十分な人が対象で、Cさんには当てはまりません。消費生活センターは消費者トラブルの窓口です。

選択肢1(正答)

○ 適切です

法人は、住宅確保要配慮者の入居に関する情報提供や相談、家賃債務保証などを行います。保証人や物件探しに困っているCさんに、まさに必要な連携先です。

選択肢2

✕ 適切ではありません

生活支援体制整備事業は、生活支援コーディネーターを置いて地域の支え合いの体制づくりを進める事業です。Cさん個人の住まいの確保を直接担うものではありません。

選択肢3

✕ 適切ではありません

消費生活センターは、契約トラブルなど消費者被害の相談窓口です。事例にそうした被害は書かれていません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

日常生活自立支援事業は判断能力が不十分な人が対象です。Cさんは文字を書くことに不自由さはありますが、判断能力の低下は書かれていません。

選択肢5(正答)

○ 適切です

住居確保給付金には家賃補助に加え、2025年4月から、収入が著しく減少し家計改善のため転居が必要な人への転居費用補助がある。年金生活者も対象となり得るため、Cさんの収入・資産、家計改善の必要性などを窓口と確認して活用を検討する。立ち退きだけで自動的に支給されるものではない。

↑ 目次へ戻る

出典

用語の説明

努力義務どりょくぎむ

法律で「〜するよう努めなければならない」「〜努めるものとする」と定められた義務。従わなくても罰則はありませんが、実現に向けて努力することが求められます。「〜しなければならない」と書かれる通常の義務との違いが、試験でよく問われます。

用語の説明

自立相談支援事業

生活困窮者自立支援法に基づく必須事業。生活に困っている人の相談を幅広く受け止め、本人と一緒に自立支援計画をつくり、関係機関につなぐ。2024年の改正で、住まいに関する相談支援を行うことが明確化されました。

用語の説明

生活困窮者就労準備支援事業

直ちに就労することが難しい人に、生活習慣の形成、社会との関わりづくり、就労体験等を段階的に支援する事業です。支援期間は原則1年ですが、長期的支援が必要と自治体が認める場合は1年を超える計画や延長も可能です。年齢の上限による一律の除外はなく、対象要件や本人の状況を確認して利用します。

用語の説明

アウトリーチ

支援が必要なのに届いていない人に対して、支援する側から積極的に働きかけて情報や支援を届けること。窓口で待つのではなく出向くのが特徴で、相談する気力がない人や窓口まで来られない人の潜在的なニーズを掘り起こす手法です。

用語の説明

農福連携のうふくれんけい

障害のある人などが農業の分野で活躍することを通じて、自信や生きがいをもって社会に参加していく取組(農林水産省)。農業側の担い手不足と、福祉側の働く場の不足を同時に解決できる点に意味があります。対象は障害者に限らず、高齢者や生活困窮者にも広がっています。

用語の説明

社会福祉法しゃかいふくしほう

福祉サービス全体に共通する土台を定めた法律。社会福祉事業の範囲、社会福祉法人、社会福祉協議会、福祉事務所、地域福祉計画などを置いています。生活保護法や児童福祉法のような個別の法律が乗る、いちばん下の台と考えると位置づけがつかめます。

用語の説明

障害者総合支援法しょうがいしゃそうごうしえんほう

障害のある人が使うサービスを、障害の種別をまたいで共通の仕組みにまとめた法律。国が基準を定める自立支援給付(介護給付・訓練等給付など)と、市町村や都道府県が地域の実情に応じて行う地域生活支援事業の二本立てです。正式名称は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」。

用語の説明

生活困窮者自立支援法せいかつこんきゅうしゃじりつしえんほう

生活困窮者の尊厳を保持し、就労・心身・孤立等の状況に応じて包括的かつ早期に自立を支援するための法律です。自立相談支援事業と住居確保給付金は必須事業で、就労準備支援・家計改善支援等は努力義務として位置づけられます。2025年4月施行の改正では、住居確保給付金の転居費用補助や、一定の事業に特定被保護者を含める仕組み等が加わりました。

用語の説明

労働者災害補償保険法ろうどうしゃさいがいほしょうほけんほう

仕事や通勤が原因のけが・病気・障害・死亡に対して給付を行う保険の法律。保険料を事業主が負担する点が、ほかの社会保険と大きく違います。

用語の説明

老齢厚生年金ろうれいこうせいねんきん

厚生年金保険に入っていた人が、老齢基礎年金に上乗せして受け取る年金。在職中の報酬と加入期間をもとに額が決まります。

用語の説明

住居確保給付金じゅうきょかくほきゅうふきん

生活困窮者自立支援法に基づく住まいの支援です。離職・収入減少等により住居を失った、または失うおそれがある人への家賃補助に加え、2025年4月から、収入が著しく減少し家計改善のため転居が必要な人への転居費用補助があります。所得・資産等の要件を確認し、求職活動要件は給付の種類によって異なります。

用語の説明

社会福祉事業しゃかいふくしじぎょう

社会福祉法が定める福祉サービスの事業。利用者への影響が大きく規制の強い第一種社会福祉事業(入所施設が中心)と、比較的規制のゆるやかな第二種社会福祉事業に分かれます。

用語の説明

民生委員みんせいいいん

厚生労働大臣から委嘱され、地域で住民の相談に応じて必要な支援につなぐ民間の奉仕者。給与は支給されず、任期があります。児童委員を兼ねる点も押さえておきたいところです。

用語の説明

地方公共団体ちほうこうきょうだんたい

都道府県や市町村などの地方の行政組織のこと。法律の条文では「国及び地方公共団体」という形で、責務の主体として書かれることが多い言葉です。

用語の説明

セツルメントセツルメント

支援者が貧しい地域に住み込み、住民と生活をともにしながら教育や相談などの活動を行った取組。イギリスのトインビー・ホールが始まりとされ、地域を基盤とする実践の源流のひとつです。

用語の説明

守秘義務しゅひぎむ

業務で知った本人の秘密を漏らしてはならないという義務。社会福祉士や介護福祉士には法律で定められ、資格を離れた後も続きます。命に関わる危険があるときなど、例外の扱いが問われます。

用語の説明

日常生活自立支援事業にちじょうせいかつじりつしえんじぎょう

判断能力が不十分な人が、契約に基づいて福祉サービスの利用手続きや日常的なお金の管理を手伝ってもらう事業。社会福祉協議会が実施します。契約を理解できる力が必要な点で、成年後見制度と役割が分かれます。

用語の説明

重層的支援体制整備事業じゅうそうてきしえんたいせいせいびじぎょう

高齢・障害・子ども・生活困窮といった分野の相談を、断らずに一体で受け止める市町村の任意事業。属性を問わない相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援の3つを合わせて行うところに特徴があります。

用語の説明

支援会議しえんかいぎ

生活困窮者自立支援法や社会福祉法に基づき、関係機関等が必要な情報交換や支援体制の検討を行う会議です。法定の目的・権限と構成員の守秘義務により、本人同意を得にくい段階でも必要な範囲の情報共有ができます。一般の会議で守秘義務を設けるだけで同じ扱いになるわけではなく、支援調整会議や重層的支援会議とも区別します。

用語の説明

重層的支援会議じゅうそうてきしえんかいぎ

重層的支援体制整備事業のなかで、支援の方針やプランを関係機関で確かめ合う会議。本人の同意を得たうえで開く点が、支援会議との違いです。

用語の説明

地域福祉ちいきふくし

制度によるサービスだけに頼らず、住民同士のつながりや地域の資源も生かして、その地域で暮らし続けられるようにする考え方と実践。

用語の説明

家計改善支援かけいかいぜんしえん

生活困窮者自立支援法に基づき、家計の状況を見える形に整理し、本人が家計を管理できるよう相談、助言、関係機関へのつなぎ等を行う支援です。福祉事務所設置自治体に実施の努力義務がある事業で、単に任意の事業と覚えないようにします。2025年4月からは特定被保護者を対象に含める仕組みもあります。

用語の説明

自立相談支援じりつそうだんしえん

生活困窮者自立支援法の必須事業で、制度の入口にあたる相談窓口。困りごとを幅広く受け止め、自立支援計画をつくって関係機関と連携します。

用語の説明

福祉サービスふくしサービス

生活を支えるために提供される公的・民間のサービスの総称。措置から契約へと利用の仕組みが変わったことで、利用者の選択と、その選択を支える権利擁護の仕組みが重要になりました。

用語の説明

事業者じぎょうしゃ

商業その他の事業を行う個人・法人・団体等を指す言葉です。福祉サービスの提供者だけでなく、店舗や宿泊施設なども含み、営利・非営利を問いません。法律によって具体的な対象範囲を確認します。指定を受けて行う障害福祉サービスなどには、人員・設備・運営の基準が定められています。

用語の説明

要支援ようしえん

介護保険で、日常生活に見守りや部分的な手助けが必要で、介護予防の取組によって改善が見込まれると判定された状態。要介護とは使えるサービスの範囲が異なります。

用語の説明

地域共生社会ちいききょうせいしゃかい

制度や分野の縦割り、支える側と支えられる側という関係を超えて、住民や多様な主体が地域をともにつくっていく社会のこと。高齢、障害、子ども、生活困窮といった分野ごとの支援だけでは拾えない課題に対応するための考え方です。この理念を市町村の任意の事業として具体化した仕組みの一つが重層的支援体制整備事業であり、理念と事業を分けて押さえます。

用語の説明

居住支援法人きょじゅうしえんほうじん

住まいの確保に配慮を要する人の入居相談や見守り、家賃債務保証などを行う法人として、都道府県が指定するもののこと。住宅セーフティネット法に基づく仕組みで、社会福祉法人やNPO法人などが指定を受けます。生活困窮者への支援でも連携先として出てくるため、住居確保給付金を支給する主体と取り違えないよう注意します。

用語の説明

住宅確保要配慮者じゅうたくかくほようはいりょしゃ

低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯など、住宅の確保に特に配慮を要する人のこと。住宅セーフティネット法に位置付けられた対象で、民間の賃貸住宅への入居を断られやすい人を広く含みます。所得の低い人だけを指す言葉ではなく、住居確保給付金の対象者とも範囲が異なる点に注意します。

用語の説明

民生委員・児童委員みんせいいいん・じどういいん

厚生労働大臣から委嘱され、担当する区域で住民の相談に応じ、必要な支援につなぐ非常勤の地方公務員のこと。民生委員は児童福祉法による児童委員を兼ねており、給与は支給されません。都道府県知事や市町村長が直接委嘱するのではなく、知事の推薦を経て厚生労働大臣が委嘱するという流れがよく問われます。

用語の説明

慈善組織協会じぜんそしききょうかい

19世紀後半のイギリスで、ばらばらに行われていた民間の慈善活動を調整し、貧しい家庭を個別に訪問して援助した組織のこと。友愛訪問員が家庭を訪ね、援助に値するかどうかを選別した点が特徴で、後のケースワークの源流とされます。地域に住み込むセツルメントとは方法が違うので、対にして覚えると選択肢を仕分けやすくなります。

用語の説明

セツルメント運動セツルメントうんどう

支援者が貧しい人々の暮らす地域に住み込み、住民とともに生活課題の解決や教育、文化活動に取り組む実践のこと。イギリスのトインビー・ホールが源流とされ、日本では片山潜のキングスレー館などが知られます。個別訪問と慈善の組織化を行った慈善組織協会と対比され、住み込む点が本質だと押さえます。

用語の説明

社会階層しゃかいかいそう

職業、所得、学歴などの複数の要素によって、人々を上下の層としてとらえた区分のこと。法律で定められた身分とは異なり、いくつもの要素が重なり合って形づくられます。出身家庭の階層が本人の到達する地位にどう影響するかを調べる研究が、地位達成過程の研究と呼ばれます。

用語の説明

最低賃金さいていちんぎん

最低賃金法に基づき、使用者が労働者に支払わなければならない賃金の下限のこと。都道府県ごとに定める地域別のものと、特定の産業について定めるものがあり、これを下回る取り決めは無効となります。パートやアルバイト、技能実習生を含め、雇われて働く人に広く適用される点が問われます。

用語の説明

広域連合こういきれんごう

複数の市町村や都道府県が、広い区域にわたる事務を共同で処理するために設ける特別地方公共団体のこと。介護保険では、単独での運営が難しい小規模な市町村が広域連合をつくって保険者になることが認められています。後期高齢者医療制度の運営主体も、都道府県単位の広域連合です。

用語の説明

要支援者ようしえんしゃ

介護保険で要支援1または要支援2の認定を受けた人のこと。介護予防を目的とした予防給付と、市町村が行う総合事業のサービスを利用できます。要介護者が居宅介護支援を受けるのに対し、要支援者の計画づくりは地域包括支援センターが中心となって行う点が問われます。

用語の説明

生活困窮者せいかつこんきゅうしゃ

就労や心身の状況、地域社会との関係などの事情により、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持できなくなるおそれのある人のこと。生活困窮者自立支援法に定義が置かれ、生活保護に至る前の段階にある人を広く受け止めることをねらいとした言葉です。収入の額だけで決まるかのように説明する選択肢には注意しましょう。

用語の説明

一時生活支援事業いちじせいかつしえんじぎょう

生活困窮者自立支援法に基づき、住居のない生活困窮者に対して一定の期間、宿泊場所や衣食の提供を行う事業のこと。自治体の判断で行う任意事業として位置づけられてきましたが、法改正により生活困窮者居住支援事業に改められました。家族の介護をしている人の休息を支える事業ではない点に注意します。

用語の説明

生活困窮者居住支援事業せいかつこんきゅうしゃきょじゅうしえんじぎょう

生活困窮者自立支援法に基づき、住まいのない生活困窮者への宿泊場所や衣食の提供に加え、住まいの確保から入居後の見守りまでを支える事業のこと。従来の一時生活支援事業が名称を改めたもので、都道府県等はこのうち必要と認めるものを行うよう努めるものとされています。改称前の名称とセットで覚えましょう。

用語の説明

被保護者ひほごしゃ

生活保護法で、現に保護を受けている人を指す言葉のこと。保護を受けているかどうかにかかわらず保護を必要とする状態にある人を指す要保護者とは、範囲が異なります。試験では両者を入れ替えた選択肢が出るので、今まさに保護を受けているかどうかで区別しましょう。

用語の説明

福祉事務所設置自治体ふくしじむしょせっちじちたい

社会福祉法に基づく福祉事務所を設置している自治体のこと。都道府県、市、特別区は設置が義務づけられ、町村は任意で設置できます。生活困窮者自立支援法では、住居確保給付金の支給審査や支給決定、支給を行う主体としてこの言葉が使われ、都道府県だけを指すわけではありません。

用語の説明

労働安全衛生法ろうどうあんぜんえいせいほう

職場における労働者の安全と健康を守り、快適な職場環境をつくることを目的とした法律のこと。事業者に対し、健康診断の実施や産業医の選任などを義務づけています。医師が、働くことで病状が著しく悪化するおそれがあると判断した場合に事業者が行う就業禁止もこの法律に基づきますが、病気であることだけを理由に安易に禁止してよいわけではありません。

用語の説明

障害者しょうがいしゃ

障害者基本法で、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害があり、障害と社会的障壁によって日常生活または社会生活に継続的に相当な制限を受ける状態にある人のこと。障害者手帳を持っているかどうかは、この定義の要件ではありません。制限が心身の障害だけでなく社会的障壁からも生じるとする社会モデルの考え方が入っている点が問われます。

用語の説明

社会保障審議会しゃかいほしょうしんぎかい

厚生労働大臣の求めに応じて、社会保障や人口問題について調査・審議する審議会のこと。介護保険や年金などの制度見直しは、この下に置かれた部会での議論を経て進みます。制度を決める場そのものではなく、意見をまとめる場である点に注意します。

用語の説明

居住支援きょじゅうしえん

住まいを確保し、地域で安心して暮らし続けられるようにする支援です。入居先を探すことに加え、収入や健康、日常の相談先などにも目を向けます。具体的な制度の対象や内容は、それぞれの要件を確認します。