第38回(令和8年2月実施) ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)

書籍の中の文字や単語、文章を選択すると、その場でAI検索に行くことができます。

問題文は「第38回社会福祉士国家試験 試験問題」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)より、出題当時の文言のまま掲載しています。正答は同センター公表の「合格基準及び正答」に基づきます。解説は管理人(ばっふぁ)が独自に作成したものです。

問題 109

バートレット(Bartlett, H.)が示したソーシャルワークに関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 1クライエントの自我の変化のための診断と介入による実践として示した。
  2. 2ケースワーク,グループワーク,コミュニティワークのそれぞれの専門家を必要に応じて組み合わせるコンビネーションアプローチを提唱した。
  3. 3診断主義と機能主義の折衷主義として,問題を持つ人が,専門職がいる場所で支援を受ける過程であると示した。
  4. 4価値,知識,介入方法の可視化された総体であり,それらは個別の方法としても分離可能であるとした。
  5. 5社会的役割と関係性の中での人々の機能に焦点を当て,環境との関係を重視することを示した。
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正答5

バートレット(Bartlett, H.)の考えを問う問題です。主著は『社会福祉実践の共通基盤』(1970年)で、が分野や方法ごとにばらばらになっていた時代に、すべてに共通する土台を示した人です。

押さえどころは2つです。
・共通基盤は「価値」「知識」「介入(調整活動)」の3つからなり、これらが融合して働くものとした。
・実践の中心をなす焦点を「社会生活機能(social functioning)」に置いた。これは、生活状況に対処しようとする人々の努力と、社会環境からの要求との間で保たれる均衡のことです。

この科目では、誰の主張かを取り違えさせる出題がよくあります。診断主義(リッチモンド、ハミルトンら)、機能主義(タフト、ロビンソンら)、その折衷としての問題解決アプローチ()との区別をつけておきましょう。

選択肢1

✕ 適切ではありません

クライアントの自我の変化に着目し、診断と介入によって進める実践は、診断主義の系譜(ホリスの心理社会的アプローチなど)の考え方です。バートレットの主張ではありません。

選択肢2

✕ 適切ではありません

コンビネーション・アプローチは、・コミュニティワークという伝統的な3つの方法の区別を残したまま、状況に応じて組み合わせるという、統合化の初期段階の考え方です。バートレットの寄与は、その先にある「共通の基盤」を示したことにあります。

選択肢3

✕ 適切ではありません

これはパールマン(Perlman, H. H.)の問題解決アプローチの説明です。人(Person)・問題(Problem)・場所(Place)・過程(Process)という4つのPで知られ、診断主義と機能主義の折衷と位置づけられます。

選択肢4

✕ 適切ではありません

バートレットは価値・知識・介入の3つを共通基盤としましたが、これらはバランスを保ちながら融合して働くものとしています。「個別の方法としても分離可能である」という説明は、その考え方と向きが逆です。

選択肢5(正答)

○ 適切です

バートレットは、ソーシャルワーク実践の中心となる焦点を「社会生活機能」に置きました。これは、社会的な役割や関係の中で人がどう生活を営んでいるかに目を向け、環境からの要求と本人の対処努力との間の均衡をとらえる考え方です。「人と環境」を切り離さずに見る視点の土台になりました。

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問題 110

事例を読んで,A市(政令市)またはA市が設置する機関でBさんに対応する職員として,次のうち,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事 例〕

Bさんは,夫のギャンブル依存で離婚したばかりである。ぎりぎりの生活の中で仕事をしながら 6 歳になる子どもを一人で育てている。Bさんは,収入も少なく,仕事と子育ての両立の懸念や住むところなどについて不安を抱えており,どのように生活をしていけばよいか,友人に相談をした。友人から,一度,市役所で相談してみてはとのアドバイスがあり,Bさんが居住するA市役所を訪問しその内容を窓口で伝えた。

  1. 1福祉事務所の現業員
  2. 2母子・父子自立支援員
  3. 3生活困窮者自立支援機関の相談支援員
  4. 4家庭相談員
  5. 5児童福祉司
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正答2・3

離婚したばかりで、6歳の子どもを一人で育てているBさんが市役所の窓口に相談に来た場面です。Bさんの困りごとは「収入が少ない」「仕事と子育ての両立」「住むところ」の3つです。

この3つに、それぞれの職種の職務がどう対応するかで判断します。
・母子・父子自立支援員…配偶者のない者で現に児童を扶養している人などの相談に応じ、自立に必要な情報提供や指導、職業能力の向上や求職活動の支援を行う(母子及び父子並びに第8条)。都道府県知事、市長、を設置する町村長が委嘱する職員で、具体的な配置部署は自治体によって異なります。
自立支援機関の…就労・住まい・家計などの相談に応じ、本人と一緒に自立支援計画をつくる。の相談窓口でもある。

この2つが、Bさんの困りごとに正面から対応します。就業していることだけでを除外せず、相談の中で生活状況と利用要件を確かめ、必要に応じて福祉事務所等へつなぎます。

選択肢1

✕ 適切ではありません

働いていても、収入が最低生活費に満たないなどの要件を満たせば生活保護の対象となり得る。本問では仕事と子育ての両立、家計、住居という幅広い不安への相談先として、母子・父子自立支援員と員が適している。必要なら福祉事務所にもつなぐ。

選択肢2(正答)

○ 適切です

Bさんは「配偶者のない者で現に児童を扶養しているもの」に当たります。母子・父子自立支援員は、まさにこうした人の相談に応じ、自立に必要な情報提供や指導、就労に関する支援を行う職員です。仕事と子育ての両立という不安に直接対応できます。

選択肢3(正答)

○ 適切です

生活困窮者自立支援機関の相談支援員は、就労・住まい・家計といった相談を幅広く受け止め、本人と一緒に自立支援計画をつくります。住むところの不安については、住居確保給付金の相談も受けられます。生活保護に至る前の段階を支える仕組みである点も、この事例に合っています。

選択肢4

✕ 適切ではありません

家庭相談員は福祉事務所の家庭児童相談室に置かれ、子どものしつけ、性格や行動、不登校といった家庭児童福祉に関する相談指導を担当します。この事例には子どもの養育上の問題は書かれていません。

選択肢5

✕ 適切ではありません

の職員で、虐待などの養護相談、障害相談、非行相談、育成相談などを担当します。この事例には要保護児童や虐待をうかがわせる記述はありません。

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問題 111

次の記述のうち,メゾレベルの実践として示されたものとして,適切なものを 2 つ選びなさい。

  1. 1A市社会福祉協議会の社会福祉士が行う,50 歳代のひきこもり男性の母親と本人との間の調整。
  2. 2難病患者を支援する社会福祉士が行う,全国難病患者の家族会の要望書を国会へ提出することの支援。
  3. 3B県の社会福祉士会の会長が,委員としてB県の地域福祉支援計画策定に参画。
  4. 4C障害者就労支援施設の社会福祉士が,特別支援学校の教員と協働で行う進路に関わるイベントの企画。
  5. 5D市の生活保護担当の現業員が行う,E市の民生委員との意見交換会のファシリテーション。
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正答4・5

ミクロ・メゾ・マクロの区分を問う問題です。おおまかには次のように分けます。

・ミクロ…個人や家族への直接の援助
・メゾ…グループ、組織・機関、学校や職場、身近な地域を対象とする、あるいはそれらを通じた働きかけ。関係機関どうしの連携・ネットワークづくりもここに入る
・マクロ…社会全体、制度・政策。政策提言、、自治体計画への関与など

迷ったときは「何を変えるために、どの範囲へ働きかけているか」を見ます。同じ機関への連絡でも、個人の支援調整なのか、機関間の協働体制づくりなのか、政策の改善なのかで意味が異なります。相手の肩書だけでは水準を決めません。

選択肢1

✕ 適切ではありません

ひきこもり状態の男性とその母親との間の調整は、家族への直接の援助であり、ミクロレベルの実践に当たります。

選択肢2

✕ 適切ではありません

全国の家族会の要望書を国会へ提出することの支援は、国の制度に働きかけるソーシャルアクションであり、マクロレベルの実践です。

選択肢3

✕ 適切ではありません

県のに基づく都道府県の計画です。専門職団体の会長として、その策定に委員として参画することは、制度・政策への関与であり、マクロレベルに当たります。

選択肢4(正答)

○ 適切です

就労支援施設という組織のが、特別支援学校という別の機関の教員と協働して進路に関わるイベントを企画する取組です。組織どうしの連携・ネットワークづくりであり、メゾレベルの実践に当たります。

選択肢5(正答)

○ 適切です

市のが、地域で活動するとの意見交換会をファシリテートする取組です。行政機関と地域の関係者をつなぐ働きかけであり、メゾレベルの実践に当たります。

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問題 112

事例を読んで,Bさんが通院する病院のAソーシャルワーカーの判断として,次の記述のうち,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事 例〕

高校 2 年生のBさんは呼吸器の障害があり,睡眠時にはBiPAPの装着が必要である。 3 泊 4 日の修学旅行についてBさんが主治医に相談したところ,宿泊先及び近隣の医療機関,機械のメーカーがトラブル時の対応についての調整ができれば参加可能との判断であった。必要な調整はできたが,高校は修学旅行期間中にBiPAPの対応に慣れているBさんの母親の同行を求めた。Bさんは,親の負担や友達との時間を考え,親の同行がない方がよいと思っており,そのことを主治医に相談した。主治医は,Aに意見を求めた。

  1. 1「生命の安全を重視すれば,Bさんの母親も参加した方がよいのではないか」
  2. 2「修学旅行は学校の行事であり,学校の判断に従う方がよいのではないか」
  3. 3「学校関係者がBiPAPの対応について,事前に学ぶ機会を持てばよいのではないか」
  4. 4「関係者の希望や判断の違いを詳しく確認し,それぞれの意見のすり合わせをした方がよいのではないかと考えている」
  5. 5「医学的根拠に基づく意見は重要であり,改めて親の同行は不要との意見を出してもらった方がよいのではないか」
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正答4・5

呼吸器の障害があり、就寝時にBiPAP(マスク型の人工呼吸器)を使う高校生の修学旅行参加をめぐる事例です。押さえておきたい事実が3つあります。

は「宿泊先・近隣の医療機関・メーカーがトラブル時の対応を調整できれば参加可能」と判断しており、その調整はすでにできている。つまり安全面の条件は満たされています。
・Bさん本人は「親の同行がない方がよい」と考えている。本人の意思がはっきり示されています。
・一般の教員等が事前に学ぶだけで、人工呼吸器の専門的な管理を担えるわけではありません。学校の看護職員等も含め、資格、医師の指示、行為の内容に応じた体制を確認します。喀痰吸引等を実施する研修・登録の制度と、看護師の特定行為研修制度は区別します。

そのうえで、学校が母親の同行を求めているという、関係者の間の食い違いが残っています。ここを整理し、合意を形づくることがの役割です。

選択肢1

✕ 適切ではありません

主治医が示した参加の条件はすでに満たされており、母親の同行はその条件に含まれていません。Bさんが「親の同行がない方がよい」とはっきり考えていることをふまえず、安全を理由に同行を勧めるのは、本人の主体性を尊重した対応とはいえません。

選択肢2

✕ 適切ではありません

本人の意向を確認しないまま学校の判断に従うことを勧める対応です。障害を理由に保護者の同行を参加の条件とすることは、不利益な取扱いに当たりうる点でも問題があります。

選択肢3

✕ 適切ではありません

一般の教員等が事前に学ぶだけで、人工呼吸器の専門的な管理やトラブル対応を担えるわけではない。研修・登録等の要件を満たす介護職員等が実施できる「喀痰吸引等」と、看護師の特定行為研修制度も区別する。看護職員等を含め、資格・医師の指示・具体的な行為に応じた体制を確認する。

選択肢4(正答)

○ 適切です

本人、学校、主治医、家族の間で、希望や判断がどう食い違っているのかをていねいに確認し、すり合わせていく対応です。関係者間の調整はソーシャルワーカーの中心的な役割であり、本人の意向を出発点に置いている点でも適切です。

選択肢5(正答)

○ 適切です

学校が母親の同行を求めている理由は安全面の心配です。そうであれば、医学的な根拠に基づく主治医の意見を改めて示してもらうことが、学校が判断を見直す材料になります。ソーシャルワーカー自身が医学的判断を下すのではなく、主治医に依頼するという役割分担の点でも筋が通っています。

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問題 113

事例を読んで,次の記述のうち,就労継続支援A型事業所のA生活支援員(社会福祉士)が,Bさんの生活に関わる家族システムの好循環を意図して行った支援として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事 例〕

Aは,活動に積極的に参加していたBさんが,最近作業への意欲が低下している様に感じた。Aは送迎時にBさんの母親にそのことを伝えた。すると母親から,先週Bさんが,父親のお気に入りの時計を誤って壊してしまったが,そのことを父親に伝えることができないでいる。父親もBさんが時計を壊したことに気づいてはいるが,Bさんを責めたくないので触れないでいるという話を聞いた。

  1. 1Bさんに,元気がないようなので少し作業の量を減らすことはどうかと話す。
  2. 2Bさんに,母親から時計の話を聞いたことを伝えたうえで,父親に言えない気持ちや,父親の気持ちなどについて一緒に考えないかと話す。
  3. 3母親に,時計の件でBさんと父親が気持ちを話し合う機会を作るように話す。
  4. 4母親に,Bさんが同じ過ちをしないような対策をBさんと考えることはどうかと話す。
  5. 5母親に,施設では間違ったことをしたときは謝ることが大切だよ,と言っていることから,父親に時計を壊したことを叱るのはどうかと話す。
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正答2

家族システムの考え方を問う事例問題です。かぎになるのは「」です。

ものごとには原因があって結果があるという見方(直線的因果関係)ではなく、家族の一人ひとりの言動が互いに影響し合い、ぐるぐると循環しているという見方をします。誰か一人を「問題の原因」として名指ししないのが特徴です。

この事例では、次のような悪循環が起きています。
Bさんが時計を壊した → 父に言えない → 父も気づいているが責めたくないので触れない → 家庭の中でその話題が避けられ続ける → Bさんの気持ちが晴れず、作業への意欲が下がる

この循環をどこかで断ち、よい方向に回し始めることが「好循環を意図した支援」です。作業量の調整が必要な場合もありますが、本問では本人の受け止めと父親との関係を一緒に整理する働きかけが、問題となっている相互作用に即しています。家族全員に同時に介入しなければ循環が変わらないという意味ではありません。

選択肢1

✕ 適切ではありません

作業量を減らすのは、表に現れた意欲の低下という結果だけに対処するものです。その背景にある家族の中の循環には何も働きかけていません。

選択肢2(正答)

○ 適切です

Bさん本人に、母親から聞いたことを伝えたうえで、「父に言えない気持ち」と「父の気持ち」の両方を一緒に考えようと持ちかける対応です。互いの気持ちという相互のやりとりに目を向けており、円環的因果関係の視点に立っています。Bさん自身の受けとめが変わることで、避け合う悪循環がほどけ、家族全体によい影響が広がることが期待できます。「一緒に考えないか」と本人の同意を得る形をとっている点も適切です。

選択肢3

✕ 適切ではありません

本人の気持ちを確かめず、母親に家族との対話の機会を作るよう指示している点が適切でない。家族の一人への働きかけでも相互作用を変えることはできるため、「一人への介入では循環を変えられない」ことが理由ではない。

選択肢4

✕ 適切ではありません

「同じ過ちをしないような対策」という言い方は、問題をBさん個人の失敗に帰する見方です。Bさんを原因として扱うことになり、家族の中のやりとりの循環には触れていません。

選択肢5

✕ 適切ではありません

父親から叱るよう促すことは、Bさんを責める方向に働き、新たな悪循環を生みかねません。施設の方針をそのまま家庭に持ち込む点でも適切ではありません。

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問題 114

ジェネラリストソーシャルワークに関する次の記述のうち,適切なものを 2 つ選びなさい。

  1. 1ソーシャルワーク専門職が「体制」を維持し,抑圧を正当化しているとの批判から生まれた。
  2. 2問題を文脈の中で捉え一般化し,状況に応じて効果的な方法を 1 つ選んで介入する。
  3. 3どのような対象に働きかけるときも,ソーシャルワークプロセスは同じである。
  4. 4ニーズに適切に対応するために,多様なシステムに対する支援のレパートリーに関する知識を持つことが求められる。
  5. 5問題や病理的なところをストレングスに変換することでエンパワメントを行う。
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正答3・4

についての問題です。

かつては、・コミュニティワークという3つの方法に分かれていました。それを一つにまとめていく動き(統合化)が進み、最終的にたどり着いたのがジェネラリスト・ソーシャルワークです。

特徴は次の2点です。
・相手が個人でも、グループでも、地域でも、組織でも、ソーシャルワークの進め方(プロセス)は共通している。
・システム理論を土台に、ミクロ・メゾ・マクロにわたる多様なシステムへ働きかけられるよう、幅広い支援の引き出し(レパートリー)を持つ。

選択肢1に出てくる「体制を維持し抑圧を正当化しているとの批判」は、1960〜70年代のラディカル・ソーシャルワークや、その流れをくむ反抑圧的実践(AOP)の成立背景です。混同しやすいので区別しましょう。

選択肢1

✕ 適切ではありません

ソーシャルワーク専門職が体制を維持し抑圧を正当化しているという批判から生まれたのは、ラディカル・ソーシャルワークや、その系譜にある反抑圧的ソーシャルワーク(AOP)です。ジェネラリスト・ソーシャルワークは、伝統的な3つの方法の分立を乗り越える統合化の帰結として成立したもので、背景が異なります。

選択肢2

✕ 適切ではありません

「効果的な方法を1つ選んで介入する」は、ジェネラリストの考え方と逆です。ジェネラリスト・ソーシャルワークは、共通の基盤に立って、ミクロ・メゾ・マクロを一続きのものとしてとらえ、複数のシステムに包括的に働きかけます。

選択肢3(正答)

○ 適切です

共通基盤が確立されたことにより、相手が個人でもグループでも地域でも組織でも、ケースの発見から、介入、、評価、終結という共通のプロセスをたどることになります。方法別の区分にとらわれない総合的・包括的な相談援助が、ジェネラリストの中核です。

選択肢4(正答)

○ 適切です

システム理論を土台とするジェネラリスト・ソーシャルワークでは、ミクロ・メゾ・マクロにわたる多様なシステムに働きかけることが求められます。そのため、ニーズに応じて使い分けられる支援の引き出し(レパートリー)についての知識を持つことが必要になります。

選択肢5

✕ 適切ではありません

は、問題や病理を「変換する」のではなく、病理ではなく本人がすでに持っている強みのほうに目を向ける考え方です(サリービー)。また、これはジェネラリスト・ソーシャルワークそのものを定義づける特徴でもありません。

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出典

用語の説明

児童相談所じどうそうだんじょ

都道府県・指定都市などが設置する、子どもに関する専門的な相談機関。虐待の通告を受けての調査、一時保護、施設入所や里親委託の措置、専門的な判定・指導などを行います。児童福祉司・児童心理司などが配置されます。

用語の説明

円環的因果関係えんかんてきいんがかんけい

関係する人それぞれの言動が互いに影響し合い、ぐるぐると循環しているととらえる見方。「Aが原因でBが起きた」と一方向でとらえる直線的因果関係と対になります。家族システム論では、誰か一人を問題の原因として名指しせず、家族全体の相互作用として理解します。

用語の説明

ジェネラリスト・ソーシャルワーク

ケースワーク・グループワーク・コミュニティワークという方法別の分立を乗り越え、共通の基盤の上に立つソーシャルワーク。相手が個人でもグループでも地域でも組織でも、支援の進め方は共通しているととらえ、ミクロ・メゾ・マクロにわたる多様なシステムに働きかけます。

用語の説明

社会福祉法しゃかいふくしほう

福祉サービス全体に共通する土台を定めた法律。社会福祉事業の範囲、社会福祉法人、社会福祉協議会、福祉事務所、地域福祉計画などを置いています。生活保護法や児童福祉法のような個別の法律が乗る、いちばん下の台と考えると位置づけがつかめます。

用語の説明

寡婦福祉法かふふくしほう

ひとり親家庭と寡婦の生活の安定を図る法律の通称。正式には「母子及び父子並びに寡婦福祉法」といい、資金の貸付や自立支援の措置を定めています。

用語の説明

住居確保給付金じゅうきょかくほきゅうふきん

生活困窮者自立支援法に基づく住まいの支援です。離職・収入減少等により住居を失った、または失うおそれがある人への家賃補助に加え、2025年4月から、収入が著しく減少し家計改善のため転居が必要な人への転居費用補助があります。所得・資産等の要件を確認し、求職活動要件は給付の種類によって異なります。

用語の説明

福祉事務所ふくしじむしょ

社会福祉法に定められた、福祉の現業を行う第一線の行政機関。都道府県と市には必ず置かれ、町村は任意です。生活保護の決定・実施のほか、児童・母子・障害・高齢の各分野の事務を扱います。

用語の説明

社会福祉士しゃかいふくしし

福祉の相談援助を担う国家資格。名称独占の資格で、福祉サービスを必要とする人の相談に応じ、助言・指導や関係者との連絡調整を行います。秘密保持義務や連携の義務が法律に定められています。

用語の説明

ソーシャルワーカーソーシャルワーカー

生活のしづらさを抱える人と、その人を取り巻く環境の双方に働きかけて課題の解決を支える専門職。日本では社会福祉士や精神保健福祉士がこれにあたります。

用語の説明

民生委員みんせいいいん

厚生労働大臣から委嘱され、地域で住民の相談に応じて必要な支援につなぐ民間の奉仕者。給与は支給されず、任期があります。児童委員を兼ねる点も押さえておきたいところです。

用語の説明

主治医しゅじい

その人の治療を主に担当している医師。要介護認定の主治医意見書や、サービス利用にあたっての医学的な確認など、福祉の場面でも連携の相手になります。

用語の説明

ソーシャルワークソーシャルワーク

人の尊厳や権利、社会正義を重視し、人と環境の関係に働きかけて生活上の課題への対処や社会変革を支える専門職・実践です。本人の力と自己決定を尊重し、個人・家族への支援から、集団・組織・地域・制度への働きかけまで含みます。特定の一つの援助モデルだけを指す言葉ではありません。

用語の説明

ケースワークケースワーク

個人や家族を対象とする個別援助のこと。面接を通じて課題を明らかにし、本人の力と社会資源を結びつけて解決を目指します。

用語の説明

グループワークグループワーク

集団を対象とする援助のこと。メンバー同士の相互作用そのものを支援の力として使い、経験の分かち合いや役割の獲得を通じて一人ひとりの変化を促します。

用語の説明

アセスメントアセスメント

支援を組み立てる前に、本人の状況・希望・強み・環境・課題を整理して見立てること。情報を集めるだけでなく、何が課題でどう手を打つかを判断するところまでを指します。

用語の説明

モニタリングモニタリング

立てた計画がそのとおりに進んでいるか、本人の状態や希望が変わっていないかを継続的に確かめること。ずれが見つかれば再アセスメントと計画の見直しにつなげます。

用語の説明

ソーシャルアクションソーシャルアクション

制度や社会の仕組みそのものを変えるために、世論に働きかけたり行政に要求したりする活動。個人への支援では解決しない課題に向き合う方法です。

用語の説明

相談支援そうだんしえん

本人の困りごとを聞き取り、必要なサービスや資源につなぐ支援。障害福祉では、サービス等利用計画をつくる計画相談支援などの類型があります。

用語の説明

相談支援員そうだんしえんいん

自立相談支援機関などで、生活に困っている人の相談を受け、本人と一緒に自立支援計画を立てて関係機関につなぐ職員。

用語の説明

児童福祉司じどうふくしし

児童相談所に置かれ、子どもや保護者からの相談に応じて調査・調整・指導にあたる職員。児童福祉法に根拠があります。

用語の説明

生活保護せいかつほご

生活に困る人に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助ける制度。世帯を単位として必要かどうかを判断し、8種類の扶助を組み合わせて行います。

用語の説明

地域福祉支援計画ちいきふくししえんけいかく

都道府県が策定する、市町村の地域福祉の推進を広域的に支援するための計画のこと。社会福祉法に基づくもので、市町村が定める地域福祉計画を後押しする内容を盛り込みます。市町村がつくるのが地域福祉計画、都道府県がつくるのが地域福祉支援計画であり、社会福祉協議会がつくる地域福祉活動計画とも区別して覚えます。

用語の説明

生活困窮者せいかつこんきゅうしゃ

就労や心身の状況、地域社会との関係などの事情により、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持できなくなるおそれのある人のこと。生活困窮者自立支援法に定義が置かれ、生活保護に至る前の段階にある人を広く受け止めることをねらいとした言葉です。収入の額だけで決まるかのように説明する選択肢には注意しましょう。

用語の説明

自立相談支援機関じりつそうだんしえんきかん

生活困窮者自立支援法の自立相談支援事業を行い、相談を受け止めて支援プランをつくる窓口のこと。相談支援員が生活の状況と課題を幅広く聞き取り、自分の機関で支援を続けるか、他の機関につなぐかを判断します。生活保護の決定や資力調査を行う福祉事務所とは役割が異なり、求職活動を強制する機関でもありません。

用語の説明

ケースワーカーケースワーカー

福祉事務所で、生活保護などの相談や家庭訪問、調査を担う現業を行う所員の通称のこと。社会福祉法により、社会福祉主事でなければならないと定められています。所員を指導し監督する査察指導員とは役割が分かれている点が問われます。

用語の説明

医療的ケアいりょうてきケア

人工呼吸器による呼吸管理やたんの吸引、経管栄養など、生活を送るために日常的に必要となる医療的な生活援助行為のこと。病院で受ける治療そのものとは区別され、家庭や学校でも続く支援である点が特徴です。医療的ケア児支援法では、国や地方公共団体が支援を行う責務を負うとされています。

用語の説明

ストレングスストレングス

利用者本人がすでに持っている強みや意欲、周囲にある資源に目を向ける考え方のこと。問題や病理を数え上げて取り除くのではなく、できていることや本人の希望を出発点に支援を組み立てます。問題や病理を別のものに置き換える考え方と混同されやすいため、エンパワメントと結びつけて整理しておきましょう。

用語の説明

障害者しょうがいしゃ

障害者基本法で、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害があり、障害と社会的障壁によって日常生活または社会生活に継続的に相当な制限を受ける状態にある人のこと。障害者手帳を持っているかどうかは、この定義の要件ではありません。制限が心身の障害だけでなく社会的障壁からも生じるとする社会モデルの考え方が入っている点が問われます。

用語の説明

パールマンパールマン

問題解決アプローチを提唱したアメリカのソーシャルワーク研究者のこと。診断主義と機能主義の両方を取り入れた折衷的な立場で、人が自分の問題に取り組む力を重視しました。試験では、動機づけ・能力・機会という三つの要素と、人・問題・場所・過程という四つのPがよく問われます。

用語の説明

プランニングプランニング

アセスメントで整理した課題を基に、本人と支援目標や具体的な方法を決める過程です。通常はインテーク・アセスメントを踏まえ、支援の実施へつなぎます。支援中のモニタリングや再アセスメントによって計画を見直し、終結時や終結後の事後評価で結果や過程を振り返ります。