第38回(令和8年2月実施) 児童・家庭福祉

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問題文は「第38回社会福祉士国家試験 試験問題」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)より、出題当時の文言のまま掲載しています。正答は同センター公表の「合格基準及び正答」に基づきます。解説は管理人(ばっふぁ)が独自に作成したものです。

問題 91

児童福祉法に規定される児童の一時保護に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 1児童相談所長は,児童虐待のおそれがあるとき,少年法の規定により事件の送致を受けた場合等であって,必要があると認めるときは,一時保護を行うことができる。
  2. 2児童相談所長は,児童の親権者等の意に反する場合には,裁判所にあらかじめ一時保護状を請求しなければ,一時保護を開始することができない。
  3. 3一時保護の期間は,最長で二月とされており,延長するには,親権者等の同意の有無に関わらず,家庭裁判所の承認が必要である。
  4. 4一時保護を行う施設の設備と運営の基準については,児童養護施設の基準を準用することとされている。
  5. 5児童相談所長は,一時保護を行っている児童に対して,児童の親権者等の意向に基づき,監護及び教育に関し,その児童の福祉のため必要な措置を取らなければならない。
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正答1

は、子どもの安全を急いで確保する必要があるときなどに、長等の判断で子どもを家庭から離して保護する仕組みです(第33条)。

この分野は令和4年の児童福祉法改正で大きく変わったところなので、次の3点を整理しておきましょう。
・2025年6月1日から司法審査()が導入された。原則として一時保護の開始前または開始日から7日以内に裁判官に請求する。ただし、等の同意がある場合や7日以内に解除した場合など、請求を要しない法定の例外がある。
・一時保護施設について、独自の設備・運営の基準が定められた(令和6年4月施行)。
・期間は原則2か月まで。2か月を超えて続けることが親権者等の意に反する場合は、の承認が必要。

選択肢1(正答)

○ 適切です

正しいです(正答)。児童相談所長は、のおそれがあるときや、の規定により事件の送致を受けたときなどで、必要があると認めるときに一時保護を行うことができます。令和4年の法改正で、それまで「必要があると認めるとき」とだけ書かれていた一時保護の要件が、このように具体的に示されました。

選択肢2

✕ 適切ではありません

誤りです。一時保護状を請求する相手は裁判所ではなく裁判官であり、また、必ず事前に請求しなければならないわけではありません。一時保護を行う前(事前請求)のほか、開始した日から7日以内に請求する(事後請求)こともできます。子どもの安全確保を急ぐ場面があるため、先に保護を始められる仕組みになっています。

選択肢3

✕ 適切ではありません

誤りです。一時保護の期間は原則として2か月を超えてはならないとされていますが、延長に家庭裁判所の承認が必要になるのは、2か月を超えて引き続き一時保護を行うことが親権者等の意に反する場合です。親権者等の同意があれば承認は要りません。「同意の有無に関わらず」が誤りです。

選択肢4

✕ 適切ではありません

誤りです。かつてはの基準を準用していましたが、令和4年の法改正を受けて、令和6年4月から一時保護施設についての独自の基準(一時保護施設の設備及び運営に関する基準)が定められました。子どものや個別的なケアを進めることがねらいです。

選択肢5

✕ 適切ではありません

誤りです。児童相談所長は、一時保護を行っている児童について、監護及び教育に関し、その児童の福祉のため必要な措置をとることが「できる」とされ、親権者等はその措置を不当に妨げてはならないとされています(児童福祉法第33条の2)。親権者等の意向に基づかなければ何もできない、という仕組みではありません。

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問題 92

事例を読んで,この時点におけるA市の子ども家庭課B職員(社会福祉士)の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事 例〕

アパートの大家をしているCさんからA市の子ども家庭課に相談があった。「部屋を貸している外国籍の夫婦は子どもと 3 人で暮らしているが,就学年齢になっても子どもを小学校に通わせている様子がない。近隣との交流も乏しい様子である。このままで良いのか」というものだった。この相談を受け,Bが通訳とともに家庭訪問を行い,子どもと父母とに対面した上で,事情を聞いたところ,子どもは年齢相応の発達状況で健康上の問題もなく,室内も清潔であることがわかり,親子のやりとりも自然で,子どもには母国の通信教育を受けさせており,母親が学習指導をしているので就学の必要はないとの応答があって,通信教育の教材も見せてくれた。なお,この夫婦と子どもはほとんど日本語が話せないことがわかった。

  1. 1日本国籍を有しない場合でも子どもに普通教育を受ける権利があることを説明し,近くの公立小学校への通学を勧める。
  2. 2学校に通学させていないことは,日本ではネグレクトになることを父母に説明し,児童相談所に送致することになると伝える。
  3. 3子ども家庭課について説明し,教育委員会の関係課などと情報共有をしたい旨を伝える。
  4. 4地域子育て支援拠点事業の対象として,子育て広場の利用を勧める。
  5. 5Cさんの心配を払拭するために家庭訪問したことをCさんに伝え,今後も何か気になることがあれば連絡するように依頼する。
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正答5

大家のCさんから寄せられた、外国籍の入居者の「子どもが小学校に通っていない」という心配ごとに、市の職員としてどう対応するかを問う事例問題です。判断の土台になるのは次の2点です。

・外国籍の子どもの保護者には、日本の法律上の就学義務は課されていません。ただし、公立の小中学校への就学を希望する場合は、国際人権規約等をふまえ、日本人の子どもと同じように無償で受け入れる扱いになっています。
・訪問の結果、子どもは年齢相応の発達で健康上の問題もなく、室内も清潔、親子のやりとりも自然でした。母国の通信教育を母親が指導しているという家庭の教育方針もはっきりしています。虐待()を疑う状況ではありません。

つまり、この時点では踏み込んだ介入が必要な状況ではありません。そうすると残る大切な仕事は、心配して知らせてくれたCさんに訪問したことを伝え、これからも気づいたら知らせてもらえる関係をつないでおくことです。地域の見守りは、知らせてくれた人へ返事を返すことで続いていきます。

※この問題は判断が分かれやすい問題です。選択肢3も一見よさそうに見えますが、下の解説のとおり、この時点での優先順位が違います。

選択肢1

✕ 適切ではありません

外国籍の子どもに教育を受ける機会が保障されていること自体は正しく、就学の案内をすること自体は市の役割です。しかしこの家庭は、母国の通信教育という方針をはっきり持っており、子どもの状況にも問題がありません。事情を聞いたその場で公立小学校への通学を勧めるのは、家庭の教育方針を尊重しない一方的な働きかけになります。

選択肢2

✕ 適切ではありません

外国籍の子どもの保護者には就学義務が課されていないため、通学させていないことがただちにネグレクトになるわけではありません。子どもの発達・健康・生活環境に問題がないことも確認できており、への送致を伝えるのは事実にも状況にも合いません。

選択肢3

✕ 適切ではありません

子ども家庭課の役割を説明すること自体は悪くありませんし、就学に関することは教育委員会の担当でもあります。ただしこの時点では、支援や介入を必要とする状況が確認されていません。まだ支援の必要性がはっきりしない段階で関係機関との情報共有を持ちかけるのは、この時点での対応としては優先されません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

は、乳幼児とその保護者が集い、交流や子育ての相談ができる場を提供する事業です。この子どもは就学年齢に達しており、対象になりません。

選択肢5(正答)

○ 適切です

訪問のきっかけをつくってくれたCさんに、家庭訪問を行ったことを伝えて心配を和らげ、今後も気になることがあれば連絡してほしいと依頼する対応です。家庭の詳しい事情まで伝えるわけではないので、家庭のプライバシーを守りながら、地域の見守りの関係をつないでおくことができます。今後この家庭に支援が必要になったとき、早く気づける備えにもなります。

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問題 93

事例を読んで,次の記述のうち,母親の発言を受けた乳児院のA家庭支援専門相談員のこの時点での対応として,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事 例〕

乳児院に入所中のBさんは 1 歳である。出産直後に児童相談所が母親の同意を得て,乳児院への入所措置となった。母親(20 歳)は,生活が落ち着くまでは月 1 回程度の頻度であったが,ここ半年程は週 1 回から 2 週に 1 回の面会を重ねている。最近,母親が面会の際に,Aに向かって「児童相談所から,はじめて取り組む養育であり,現実的に仕事と子育てとの両立は大変だろうと言われた」。続けて「でも,養子縁組は考えられないし,児童養護施設への措置変更も受け入れられない。 2 歳の誕生日までには引き取りたい」と発言した。

  1. 1保育所に通わせることが,家庭引き取りの条件になることが多いので,この機会で保育所を利用するための申し込みを促した。
  2. 2定期的に面会に来ていることの評価を踏まえ, 2 歳の誕生日を目標に家族再統合に向けた取組を一緒にしてみないかと助言する。
  3. 3親が家庭引き取りをすることを前提とし,面会交流ができる養育里親に関して説明した。
  4. 4養子縁組は子どもに安定した家庭を提供する制度であることを丁寧に説明し,国や自治体が作成している資料やパンフレットなどを提供した。
  5. 5小規模で家庭的な児童養護施設が増えていることを話して,児童養護施設への措置変更も選択肢の一つとして考えるように話した。
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正答2・3

(ファミリー)が、母親の発言をどう受けとめるかを問う事例問題です。

家庭支援専門相談員は、・乳児院などに置かれ、と連携しながら、入所している子どもの家庭復帰や親子関係の再構築、里親委託・の推進などを担う職種です。

この事例で母親が言っているのは、次の3つです。
・養子縁組は考えられない
・児童養護施設への措置変更も受け入れられない
・2歳の誕生日までには引き取りたい

そして母親は、ここ半年は週1回から2週に1回の面会を重ねています。本人の意向とこれまでの努力を出発点にして、家庭引き取りに向けた道すじを一緒に考えていくのが、この時点での対応になります。母親がはっきり断っている選択肢を今持ち出すのは、信頼関係を損ねます。

選択肢1

✕ 適切ではありません

の利用が家庭引き取りの条件になると決まっているわけではありません。事実でないことを前提に申し込みを促すのは、母親を誤って方向づけることになります。

選択肢2(正答)

○ 適切です

定期的に面会に来ているという母親の努力を認めたうえで、母親自身が口にした「2歳の誕生日までに引き取りたい」という目標を共有し、に向けた取組を一緒にしようと持ちかける対応です。本人の意向と(強み)を出発点にしており、家庭支援専門相談員の役割にも合っています。

選択肢3(正答)

○ 適切です

家庭引き取りを前提としたうえで、それまでの子どもの育ちの場として、面会交流ができるという選択肢を情報として伝える対応です。養育里親は一定期間子どもを育てる里親で、実親との法律上の親子関係が終了するとは違います。母親が断っている「養子縁組」「児童養護施設への措置変更」のどちらでもなく、母親の意向と矛盾しません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

養子縁組の説明そのものが悪いわけではありませんが、母親は「養子縁組は考えられない」とはっきり述べています。その気持ちを受けとめないまま資料やパンフレットを渡すのは、母親の意向を尊重しない対応であり、信頼関係を損ねます。

選択肢5

✕ 適切ではありません

母親は「児童養護施設への措置変更も受け入れられない」と明確に述べています。断られた選択肢をこの時点で勧めることは、母親の気持ちを受けとめた対応とはいえません。

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問題 94

スクールソーシャルワーカー活用事業に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 1文部科学省は,すべてのスクールソーシャルワーカーを教育委員会に配置し,そこから学校へ出張する形態が望ましいとしている。
  2. 2関係機関との連携は校長・副校長や担任教諭の専管事項であり,スクールソーシャルワーカーの職務ではないとされている。
  3. 3事業の実施主体は,スーパーバイザーを教育委員会・学校等に配置し,スクールソーシャルワーカーに対して適切な指導・援助を実施することができる。
  4. 4スクールソーシャルワーカーの職務として,保護者・教職員等への心理社会的支援が位置づけられている。
  5. 5学校内におけるチーム体制の構築は校長の職務であり,スクールソーシャルワーカーは関与しないこととされている。
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正答3

文部科学省の活用事業について問う問題です。実施要領の要点を押さえておきましょう。

・実施主体は都道府県・指定都市・中核市など。実施主体はスーパーバイザーを置いて、スクールへの指導・援助を行うことができる。
・配置の形は一つに決まっていない。教育委員会に置いて学校へ派遣する形、拠点校に置いて周辺校も担当する形、単独校に置く形などがあり、地域の実情に応じて選ぶ。
・職務内容として、①問題を抱える児童生徒が置かれた環境への働き掛け、②関係機関等とのネットワークの構築、連携・調整、③学校内におけるチーム体制の構築、支援、④保護者、教職員等に対する支援・相談・情報提供、⑤教職員等への研修活動 が挙げられている。

スクールソーシャルワーカーは、子どもと環境の関係を捉え、福祉制度や関係機関との連携を生かして支援する専門職です。心理面を扱わないという意味ではなく、スクールカウンセラー等と専門性を生かして協働します。関係機関との連携も、校内のチームづくりも、まさにその仕事の中心にあります。

選択肢1

✕ 適切ではありません

配置の形は一つに決められていません。教育委員会に置いて学校へ派遣する形のほか、拠点校配置型、単独校配置型などがあり、地域の実情に応じて選ぶことができます。「すべてを教育委員会に配置する形が望ましい」とはされていません。

選択肢2

✕ 適切ではありません

関係機関等とのネットワークの構築、連携・調整は、スクールソーシャルワーカーの職務内容としてはっきり位置づけられています。校長・副校長や担任教諭の専管事項ではありません。

選択肢3(正答)

○ 適切です

実施主体は、スーパーバイザーを教育委員会・学校等に配置し、スクールソーシャルワーカーに対して適切な指導・援助を実施することができるとされています。一人職場になりやすい職種なので、支える仕組みが用意されています。

選択肢4

✕ 適切ではありません

実施要領の職務は「保護者、教職員等に対する支援・相談・情報提供」とされる。本問は事業上の職務の規定を問うため、この表現との違いを読む。ただし、一般に心理社会的な支援を行わないと理解してはいけない。

選択肢5

✕ 適切ではありません

学校内におけるチーム体制の構築、支援は、スクールソーシャルワーカーの職務内容の一つとして挙げられています。「関与しない」は誤りです。

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問題 95

事例を読んで,次の記述のうち,資料内容を検討した結果,明らかになったこととして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事 例〕

A大学の児童・家庭福祉論の授業では,レポート課題として「世界の児童労働と家庭内暴力の実態について」というテーマが出された。その際,担当教授から国際労働機関(ILO)やユニセフ(UNICEF)が公表している条約や白書等を参考にすると良いとの助言があった。社会福祉士資格の取得を目指している 2 年生のBは,早速,課題に取り組むために,1999 年にILOで採択された「条約 182 号」と「世界子供白書 2024(要約版)」を収集し,資料内容の検討を行った。

  1. 1「条約 182 号」では,児童を 16 歳未満の全ての者と定めている。
  2. 2「条約 182 号」では,加盟国が児童労働の撤廃における教育の重要性を考慮に入れて,女子である児童の特別な事情を考慮するための効果的な措置をとることを定めている。
  3. 3児童労働の比率については,サハラ以南のアフリカよりも中東・北アフリカの方が高くなっている。
  4. 4妻に対するドメスティックバイオレンスの正当化の比率については,南アジアの女性よりもラテンアメリカ・カリブ海諸国の女性の方が高くなっている。
  5. 5子どもに対する暴力的なしつけの比率については,サハラ以南のアフリカよりも東ヨーロッパ・中央アジアの方が高くなっている。

(注)

  1. 1「条約 182 号」とは,「最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約(第 182 号)」のことである。
  2. 2「世界子供白書 2024(要約版)」とは,公益財団法人日本ユニセフ協会による「世界子供白書 2024 2050 年の子どもたち 要約版」のことである。
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正答2

ILO第182号条約と、ユニセフの「世界子供白書」の内容を問う問題です。事例の形をとっていますが、聞かれているのは資料の中身そのものです。

ILO第182号条約(最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約)の押さえどころは2つです。
・この条約でいう「児童」は18歳未満のすべての者(第2条)。
・加盟国は、児童労働の撤廃における教育の重要性を考慮に入れて、効果的で期限を定めた措置をとる。その中に「女子である児童の特別な事情を考慮する」ことが含まれる(第7条2)。

地域比較では、指定された資料の表、対象年齢、指標の定義、集計期間をそろえて読みます。地域の順位だけを一般化せず、欠測値や調査方法にも注意します。児童労働も、子どもへの暴力的なしつけも、サハラ以南のアフリカが高い水準にあります。妻に対する暴力を仕方ないと考える割合は、南アジアが高く、ラテンアメリカ・カリブ海諸国は低い水準です。

選択肢1

✕ 適切ではありません

第182号条約では、「児童」とは18歳未満のすべての者をいうと定めています(第2条)。16歳未満ではありません。なお、就業が認められる最低年齢を定めているのは第138号条約(最低年齢条約)で、こちらは原則15歳です。混同しやすいので区別して覚えましょう。

選択肢2(正答)

○ 適切です

第182号条約第7条2は、加盟国が児童労働の撤廃における教育の重要性を考慮に入れて、効果的かつ期限を定めた措置をとることを求めており、その一つとして「女子である児童の特別な事情を考慮する」ことを挙げています。女子は家事労働や性的搾取など見えにくい形の児童労働に巻き込まれやすいことが背景にあります。

選択肢3

✕ 適切ではありません

世界子供白書2024の表12では、児童労働に従事する5~17歳の割合はサハラ以南のアフリカが27%、中東・北アフリカが5%であり、比較の向きが逆である。集計対象期間は2015~2023年で、同期間内に入手できた最新年次のデータを用いている。

選択肢4

✕ 適切ではありません

世界子供白書2024の表12では、妻への暴力を正当化する15~19歳の女子の割合は南アジアが36%、ラテンアメリカ・カリブ海諸国が8%である。比較の向きが逆であり、全年齢の女性の割合としても扱わない。

選択肢5

✕ 適切ではありません

世界子供白書2024の表12では、暴力的なしつけを受けた1~14歳の割合はサハラ以南のアフリカが86%、東ヨーロッパ・中央アジアが59%であり、比較の向きが逆である。身体的な体罰だけでなく精神的な暴力も含む指標である。

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問題 96

保育所に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 1保育所は,幼児の心身の発達を助長することを目的とする児童福祉法における児童福祉施設であると同時に,学校教育法における学校である。
  2. 2保育の必要性の認定要件には,家庭において必要な保育を受けることが困難であるもののうち,求職活動を継続的に行っていることが含まれる。
  3. 3子ども・子育て支援新制度が施行されたことにより, 5 歳以下の全児童についての保育が無償化された。
  4. 4保育所の利用にあたっては,複数の市町村圏域単位で保育の必要性などから優先順位をつけ,利用する保育所等の調整が行われる。
  5. 5 1 日に 11 時間を超えて保育所を利用することはできない。
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正答2

についての基本を問う問題です。次の4点を押さえておきましょう。

・保育所はに基づくで、学校教育法上の学校ではない(学校なのは幼稚園)。
は、①事由(就労、妊娠・出産、疾病・障害、介護・看護、求職活動など)と、②区分(保育標準時間・保育短時間)について、国が基準を定めている。
・幼児教育・保育の無償化は令和元年10月から。3〜5歳児は原則無償、0〜2歳児は住民税非課税世帯が対象。
・利用の申込みや利用調整(どの保育所を利用するかの調整)を行うのは市町村。

「無償化の対象年齢」と「利用調整を行うのは誰か」は、そのまま出題されやすいところです。

選択肢1

✕ 適切ではありません

保育所は児童福祉法に基づく児童福祉施設ですが、学校教育法における学校ではありません。学校教育法上の学校とされているのは幼稚園です。なお、幼保連携型認定こども園は、認定こども園法に基づく学校かつ児童福祉施設という位置づけで、これも保育所とは別のものです。

選択肢2(正答)

○ 適切です

保育の必要性の認定事由には、保護者の就労、妊娠・出産、疾病・障害、同居親族の介護・看護、災害復旧などに加えて、求職活動(起業の準備を含む)が含まれています。求職活動を理由とする場合は、認定の期間が3か月程度に限られるなど、市町村が期間を定めて運用しています。

選択肢3

✕ 適切ではありません

幼児教育・保育の無償化は、子ども・子育て支援新制度の施行(平成27年4月)によるものではなく、令和元年10月から始まった仕組みです。また対象は3〜5歳児が原則で、0〜2歳児は住民税非課税世帯に限られます。「5歳以下の全児童」ではありません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

保育所の利用調整を行うのは市町村です。複数の市町村圏域をまとめた単位で優先順位をつけて調整する仕組みにはなっていません。

選択肢5

✕ 適切ではありません

保育の必要量の区分のうち、保育標準時間の上限が1日11時間とされていますが、これを超えて利用できないという意味ではありません。上限を超える部分は延長保育として利用することができます。

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出典

用語の説明

一時保護いちじほご

虐待などで子どもの安全を急いで確保する必要があるときなどに、児童相談所長等の判断で子どもを保護する仕組み(児童福祉法第33条)。期間は原則2か月までで、継続には法定の要件・手続があります。2025年6月1日から司法審査が導入され、親権者等の同意がない場合は、原則として事前または開始から7日以内に裁判官へ一時保護状を請求します。7日以内に保護を解除した場合など、法定の請求除外事由もあります。

用語の説明

児童相談所じどうそうだんじょ

都道府県・指定都市などが設置する、子どもに関する専門的な相談機関。虐待の通告を受けての調査、一時保護、施設入所や里親委託の措置、専門的な判定・指導などを行います。児童福祉司・児童心理司などが配置されます。

用語の説明

家庭支援専門相談員かていしえんせんもんそうだんいん

児童養護施設・乳児院・児童心理治療施設・児童自立支援施設に置かれる相談員(ファミリーソーシャルワーカー)。児童相談所と連携し、入所している子どもの早期の家庭復帰、親子関係の再構築、里親委託や養子縁組の推進、退所後の相談援助などを担います。社会福祉士・精神保健福祉士などが務めます。

用語の説明

家族再統合かぞくさいとうごう

施設入所や里親委託で離れて暮らしている子どもと家族の関係を結び直していく取組。必ずしも同居に戻すことだけを指すのではなく、面会や交流を重ねて関係を保つことも含む、幅のある考え方です。

用語の説明

養育里親よういくさとおや

保護者のもとで暮らせない子どもを、一定期間、家庭に迎えて育てる里親。子どもと実親の法律上の親子関係はそのまま続くため、実親との面会交流もできます。親子関係を結び直す養子縁組里親とは目的が異なります。

用語の説明

スクールソーシャルワーカー

学校に配置・派遣され、いじめ・不登校・虐待・貧困などの背景にある環境に働きかける福祉の専門職。子ども本人の心に働きかけるスクールカウンセラーに対し、家庭・学校・関係機関をつなぐ調整を担うのが持ち味です。社会福祉士・精神保健福祉士が主な担い手です。

用語の説明

地域子育て支援拠点事業

乳幼児とその保護者が気軽に集まって交流し、子育ての相談や情報提供、講習などを受けられる場を設ける事業。児童福祉法に基づく第二種社会福祉事業で、公共施設・空き店舗・保育所などに常設する一般型と、児童館などに場を設ける連携型があります。

用語の説明

保育の必要性の認定

保育所などを利用するために市町村から受ける認定。就労、妊娠・出産、疾病・障害、介護・看護、求職活動などの「事由」と、保育標準時間・保育短時間という「区分」について、国が基準を定めています。

用語の説明

児童福祉法じどうふくしほう

子どもの福祉を保障する基本の法律。児童相談所、要保護児童の保護、里親、児童福祉施設、障害児への支援などを定めています。

用語の説明

少年法しょうねんほう

非行のある少年の健全な育成を目的とする法律。刑罰を科すことより、家庭裁判所の調査・審判を通じて立ち直りを図ることを基本にしています。

用語の説明

ソーシャルワーカーソーシャルワーカー

生活のしづらさを抱える人と、その人を取り巻く環境の双方に働きかけて課題の解決を支える専門職。日本では社会福祉士や精神保健福祉士がこれにあたります。

用語の説明

家庭裁判所かていさいばんしょ

家庭に関する事件と少年事件を扱う裁判所。成年後見の開始の審判や後見人の選任、少年の保護処分の決定などを行います。

用語の説明

児童養護施設じどうようごしせつ

保護者のない子どもや、家庭で適切な養育を受けられない子どもが生活する児童福祉施設。日常生活の養育とともに、自立に向けた支援や家庭復帰に向けた調整も行います。

用語の説明

ソーシャルワークソーシャルワーク

人の尊厳や権利、社会正義を重視し、人と環境の関係に働きかけて生活上の課題への対処や社会変革を支える専門職・実践です。本人の力と自己決定を尊重し、個人・家族への支援から、集団・組織・地域・制度への働きかけまで含みます。特定の一つの援助モデルだけを指す言葉ではありません。

用語の説明

保育所ほいくしょ

保護者が働いているなどの理由で保育を必要とする子どもを預かる児童福祉施設。利用には市町村による保育の必要性の認定を受けます。

用語の説明

乳児院にゅうじいん

児童福祉法に基づき、保護者のもとで育てられない乳児を入院させて養育する施設のこと。必要がある場合には幼児も対象となります。退院した子どもやその家庭への相談援助も行い、家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)が置かれます。児童養護施設とは対象となる年齢が違う点を押さえましょう。

用語の説明

特別養子縁組とくべつようしえんぐみ

子どもと実親との法律上の親子関係を終了させ、養親との間に実子に準じた親子関係を結ぶ制度のこと。家庭裁判所の審判によって成立します。実親との関係が残る普通養子縁組や、一定期間子どもを育てるだけで親子関係は生じない養育里親とは、法的な効果が大きく違う点が問われます。

用語の説明

ネグレクトネグレクト

保護者が子どもに必要な食事や衣類、医療、教育などを与えず放置することによる児童虐待の一類型のこと。児童虐待防止法では、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待と並ぶ類型として定められています。外から見えにくく子ども本人が訴えないことも多いため、事実が確定していなくても疑いの段階で通告し、通告を受けた機関が安全確認を急ぐことが問われます。

用語の説明

一時保護状いちじほごじょう

子どもの一時保護について、児童相談所長等の請求を受けて裁判官が発付する令状です。親権者等の同意がない場合は原則として請求が必要ですが、7日以内に保護を解除した場合など法定の除外事由があります。請求は事前に行うほか、一時保護の開始から7日以内に行うこともできます。

用語の説明

児童虐待じどうぎゃくたい

保護者が監護する児童に対して行う、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の四つの行為のこと。子どもの目の前で配偶者に暴力をふるう面前DVは心理的虐待に含まれます。通告は事実を確認できたときではなく、虐待を受けたと思われる段階で行うものである点が繰り返し問われます。

用語の説明

養子縁組ようしえんぐみ

血縁のない者などとの間に、法律上の親子関係をつくる制度のこと。普通養子縁組では実の親との親子関係が続きますが、特別養子縁組では実の親との法律上の親子関係が終了します。一定期間子どもを預かって育てる里親制度とは異なり、親子関係そのものを結ぶ仕組みである点を区別しましょう。

用語の説明

ストレングスストレングス

利用者本人がすでに持っている強みや意欲、周囲にある資源に目を向ける考え方のこと。問題や病理を数え上げて取り除くのではなく、できていることや本人の希望を出発点に支援を組み立てます。問題や病理を別のものに置き換える考え方と混同されやすいため、エンパワメントと結びつけて整理しておきましょう。

用語の説明

児童福祉施設じどうふくししせつ

児童福祉法に基づいて設置される、子どもや保護者を支援するための施設の総称のこと。助産施設、乳児院、保育所、児童養護施設、母子生活支援施設などが含まれます。保育所は児童福祉施設ですが学校教育法上の学校ではなく、学校とされるのは幼稚園である点がよく問われます。

用語の説明

親権者しんけんしゃ

未成年の子どもについて、身の回りの世話や教育を行い、財産を管理する権利と義務を持つ者のこと。原則として父母が担います。児童相談所が子どもを保護する場面では、親権者の同意があるかどうかで手続が変わり、同意がない場合には裁判官や家庭裁判所の関与が必要になる点が問われます。

用語の説明

権利擁護けんりようご

本人の権利が尊重され、侵害を受けず、必要な権利を行使できるよう支える働きかけです。本人に代わって主張することに限らず、情報提供、意思決定・意思表明の支援、差別や虐待の防止、制度の改善も含みます。成年後見制度や日常生活自立支援事業を用いる場合も、本人の意思と必要な支援の範囲を確認します。