第38回(令和8年2月実施) 貧困に対する支援

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問題文は「第38回社会福祉士国家試験 試験問題」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)より、出題当時の文言のまま掲載しています。正答は同センター公表の「合格基準及び正答」に基づきます。解説は管理人(ばっふぁ)が独自に作成したものです。

問題 97

我が国の貧困問題に対する制度に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

  1. 11874 年(明治 7 年)に制定されたじゅっきゅうそくは,救護の種類に生活扶助を明記した我が国では初めての貧困対策であった。
  2. 21929 年(昭和 4 年)に成立した救護法において,世界恐慌の影響から失業者が救済対象と明記された。
  3. 31945 年(昭和 20 年)に閣議決定された生活困窮者緊急生活援護要綱において,失業者は生活援護の対象から外された。
  4. 41946 年(昭和 21 年)に制定された旧生活保護法において,素行不良な者は保護をなさないとする欠格条項は撤廃された。
  5. 51950 年(昭和 25 年)に制定された生活保護法において,申請保護の原則が明記された。
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正答5

日本の公的な貧困対策が、どう積み重なってきたかを問う問題です。年号を丸暗記するより、それぞれの制度が「誰を助け、誰を助けなかったか」で覚えると、選択肢の誤りに気づけます。

(1874年)…全国共通の最初の救貧制度。ただし基本は「人民相互の情誼(じょうぎ)」、つまり身内や近所で助け合うのが筋で、公の救済は身寄りのない極貧の高齢者・・子ども・重病人などに限られた。
・救護法(1929年)…公の責任として救護を行うことを初めて定めた。救護の種類として・医療・助産・を明記。ただし対象は65歳以上の老衰者、13歳以下の子ども、妊産婦、障害や病気で働けない者に限られ、働ける失業者は入らなかった。
緊急生活援護要綱(1945年)…戦後の混乱期に、引揚者・戦災者・失業者などを広く対象とした。
・旧(1946年)…無差別平等の理念が入った一方、「勤労を怠る者」「素行不良な者」を除くが残り、保護請求権も認められていなかった。
法(1950年・現行法)…欠格条項を撤廃し、保護請求権を認め、申請保護の原則を明記した。

選択肢1

✕ 適切ではありません

誤りです。「救護の種類に生活扶助を明記した」のは、恤救規則ではなく救護法(1929年)です。恤救規則が全国共通の最初の救貧制度であったこと自体は正しいのですが、その中身は「人民相互の情誼」を基本とし、身寄りのない極貧の高齢者・障害者・子ども・重病人などに米代を給付するという、きわめて限られたものでした。

選択肢2

✕ 適切ではありません

誤りです。救護法の対象は、65歳以上の老衰者、13歳以下の子ども、妊産婦、障害や病気などで働くことに支障がある者に限られていました。働く能力のある失業者は対象に含まれていません。世界恐慌の影響で困窮が広がったことが救護法の実施を後押しした面はありますが、失業者を救済対象と明記したわけではありません。

選択肢3

✕ 適切ではありません

誤りです。生活困窮者緊急生活援護要綱は、戦後の混乱の中で、引揚者・戦災者・失業者などを広く対象として生活援護を行うものでした。失業者は対象から外されるどころか、対象の一つとして挙げられています。

選択肢4

✕ 適切ではありません

誤りです。欠格条項が撤廃されたのは、1950年(昭和25年)の現行生活保護法です。旧生活保護法(1946年)には、勤労を怠る者や素行不良な者を保護しないという欠格条項が残っていました。あわせて、旧法では保護請求権も認められていませんでした。

選択肢5(正答)

○ 適切です

正しいです(正答)。1950年に制定された現行の生活保護法で、申請保護の原則(保護は・扶養義務者・同居の親族の申請に基づいて開始する)が明記されました。同時に、旧法にあった欠格条項が撤廃され、保護請求権と不服申立ての仕組みも整えられました。

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問題 98

事例を読んで,Aさんの就労に関する福祉事務所の対応について,次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事 例〕

アパートで一人暮らしのAさん(40 歳)は,派遣切りにあったのち,わずかな貯えで生活していた。入院をきっかけに生活保護となったが,先月退院し,アパートに戻った。しかし,まだ生活の見通しは立っていない。Aさんは腰痛を訴えており定期的に通院をしているが,日常生活では問題は生じてはいないようである。

  1. 1稼働能力活用は生活保護の要件であることから就労指導を行い,それでも就労しない場合には,速やかに保護を廃止する。
  2. 2主治医に対して病状調査を依頼し,主治医より就労可能の診断がされた場合は,直ちに就労指導についての文書による指示を行う。
  3. 3Aさんに公共職業安定所(ハローワーク)での求職を指示し,当月分保護費は公共職業安定所で求職したことを確認してから翌月に支給する。
  4. 4年齢や医学的な面からの評価だけではなく,資格,生活歴,職歴を客観的総合的に勘案してAさんの稼働能力の有無を評価する。
  5. 5生活保護の目的が自立助長であることを説明し,自立意欲が無いならば生活保護の辞退届を提出させるように担当の現業員に指示する。
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正答4

を受けているAさんの就労について、がどう対応すべきかを問う事例問題です。かぎになるのは「」の判断のしかたです。

第4条は、能力の活用を保護の要件としています。ただし、稼働能力を活用しているかどうかは、次の3つに分けて判断するものとされています。
・稼働能力があるか
・その能力を活用する意思があるか
・実際に能力を活用できる就労の場を得ることができるか

このうち「稼働能力があるか」の判断は、年齢や医学的な面からの評価だけで決めるのではなく、本人の持っている資格・生活歴・職歴などを把握・分析し、客観的かつ総合的に行うこととされています。

Aさんは腰痛で通院中で、退院したばかりです。この段階でいきなり就労指導や保護の廃止に進むのではなく、まず稼働能力をていねいに評価することが出発点になります。

選択肢1

✕ 適切ではありません

稼働能力の活用が保護の要件であることは正しいのですが、その評価をしないまま就労指導を行い、従わなければ保護を廃止するという進め方は誤りです。保護の廃止は、指導指示の手続きや弁明の機会を経たうえで慎重に判断すべきもので、「速やかに廃止」する性質のものではありません。

選択肢2

✕ 適切ではありません

への病状調査そのものは行われますが、医学的な評価だけで稼働能力の有無を判断してはならないとされています。就労可能の診断が出たからといって、直ちに文書による指示を出すのは順序が違います。

選択肢3

✕ 適切ではありません

保護費の支給を求職活動の確認と引き換えにすることはできません。保護費は最低生活を保障するためのもので、就労指導に従ったかどうかを条件に支給を遅らせることは認められません。

選択肢4(正答)

○ 適切です

稼働能力の有無は、年齢や医学的な面からの評価だけではなく、本人の持っている資格、生活歴、職歴などを把握・分析して、客観的かつ総合的に勘案して評価することとされています。Aさんのように腰痛を抱えながら日常生活には支障がない人の場合、この総合的な評価がとりわけ大切になります。

選択肢5

✕ 適切ではありません

生活保護の目的の一つが自立の助長であることは正しいのですが、それを理由に辞退届の提出を求めることは認められません。辞退届はあくまで本人の自由な意思によるものでなければならず、福祉事務所が働きかけて出させることは、事実上の保護の打ち切りにあたります。

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問題 99

2024 年(令和 6 年)の生活困窮者自立支援法の改正内容に関する次の記述のうち,正しいものを 2 つ選びなさい。

  1. 1生活困窮者自立相談支援事業の事業費負担について,国と都道府県で折半することとした。
  2. 2生活困窮者自立相談支援事業において,居住に関する相談が加えられた。
  3. 3同法に基づく新しい事業として進学・就職準備給付金事業を創設した。
  4. 4「生活困窮者一時生活支援事業」が「生活困窮者居住支援事業」に改められた。
  5. 5市町村は,地域の関係機関により協議する支援会議を設置しなければならないこととした。
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正答2・4

2024年(令和6年)のの改正を問う問題です。改正の柱は「住まいの支援を強くする」ことでした。単身の高齢者が増え、保証人がいないなどの理由で住まいを確保しにくい人が増えていることが背景にあります。

改正の主な中身は次のとおりです。
で、居住に関するを行うことが明確にされた。
・「」が「」に改められ、都道府県等はこのうち必要と認めるものを行うよう努めるものとされた。
・住宅セーフティネット法のなどとの連携を図るよう努めるものとされた。

「一時的にしのぐ」から「住み続けられるようにする」へと考え方が広がったのがポイントです。

選択肢1

✕ 適切ではありません

誤りです。事業は必須事業で、費用のは4分の3です。国と都道府県が半分ずつ負担する仕組みではありませんし、今回の改正でそのように変わったわけでもありません。

選択肢2(正答)

○ 適切です

正しいです(正答)。今回の改正で、自立相談支援事業において、居住に関する相談支援等を行うことが明確化されました。住まいの不安を入り口として相談につながる人が多いことをふまえた改正です。

選択肢3

✕ 適切ではありません

誤りです。進学準備給付金はに基づく給付で、世帯の子どもが大学等に進学する際の一時金です。2024年の改正では、就職の場合にも支給できるよう「進学・就職準備給付金」に拡充されましたが、これは生活保護法の改正であって、生活困窮者自立支援法に新しい事業を創設したものではありません。

選択肢4(正答)

○ 適切です

正しいです(正答)。「生活困窮者一時生活支援事業」は「生活困窮者事業」に改められました。あわせて、都道府県等はこの事業のうち必要があると認めるものを行うよう努めるものとされ、住まいの確保から入居後の見守りまでを支える方向に広がりました。

選択肢5

✕ 適切ではありません

誤りです。は、関係機関が支援に必要な情報を共有し、支援体制を協議する場です。設置は義務ではなく、置くことが「できる」とされているものです。「設置しなければならない」は誤りです。

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問題 100

生活福祉資金貸付制度に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

  1. 1借入れの申し込みは,民生委員を介して行うことが要件とされている。
  2. 2総合支援資金については,貸付を受けるにあたって,公共職業安定所(ハローワーク)で求職活動を行うことが要件とされている。
  3. 32025 年度(令和 7 年度)の緊急小口資金の貸付限度額は 50 万円である。
  4. 4教育支援資金は,世帯内で連帯借受人を立てた場合には,連帯保証人は不要である。
  5. 5不動産担保型生活資金は,親が 40 歳未満のひとり親世帯も対象としている。
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正答4

は、低所得世帯・高齢者世帯・世帯に対して、が資金の貸付けと必要なを行う制度です。窓口は市区町村のです。

資金の種類は大きく4つです。

・福祉資金…福祉費、

・不動産担保型生活資金…居住用不動産を担保に生活費を貸す(いわゆるリバースモーゲージ)

総合支援資金と福祉費は、原則として連帯保証人を立てますが、保証人なしでも貸付けが可能です。保証人ありは無利子、なしは年1.5%です。教育支援資金と緊急小口資金は連帯保証人が不要で無利子ですが、教育支援資金には世帯内の連帯借受人が必要です。不動産担保型生活資金は別の条件で、通常型は推定相続人から連帯保証人を立て、要保護世帯向けは不要とされ、いずれも所定の利子がつきます。

選択肢1

✕ 適切ではありません

相談の入り口としてがかかわることは多く、制度上も民生委員は相談支援に協力する立場にありますが、民生委員を介することが申込みの要件とされているわけではありません。申込みは市区町村の社会福祉協議会が窓口です。

選択肢2

✕ 適切ではありません

総合支援資金や緊急小口資金の貸付けにあたって原則として要件とされているのは、による支援を受けることです。での求職活動が要件とされているわけではありません。

選択肢3

✕ 適切ではありません

通常の緊急小口資金の貸付限度額は10万円以内で、50万円ではない。災害やへの対応として別途設けられる特例貸付は、自治体が通常の限度額を自由に増やせるという意味ではない。就学支度費の限度額は50万円以内である。

選択肢4(正答)

○ 適切です

教育支援資金は連帯保証人が不要で、無利子です。ただし、世帯内で連帯借受人(通常は保護者)を立てることが必要とされています。「連帯保証人」と「連帯借受人」は別のものなので、区別して覚えましょう。

選択肢5

✕ 適切ではありません

不動産担保型生活資金は、居住用の不動産を持つ低所得の高齢者世帯を対象に、その不動産を担保として生活資金を貸し付け、住み慣れた家に住み続けられるようにする制度です。原則として65歳以上の高齢者がいる世帯が対象で、40歳未満のひとり親世帯は対象になりません。

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問題 101

事例を読んで,D市生活困窮者自立相談支援機関のB相談支援員(社会福祉士)が考える支援の方向性に関する次の記述のうち,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事 例〕

Cさん(25 歳)は,高校卒業後に四国にあるA市の企業に就職したものの人間関係がうまくいかず 2 年ほどで退職,その後,職業と住まいを転々として,現在は関西のD市内の公園でホームレス生活をしている。住民票は出身地A市に置いているが,居住していない。Cさんがいつも公園の日陰にうずくまっているのを見て心配した近隣住民が,民生委員に相談し,民生委員がD市の生活困窮者自立相談支援機関に相談した。BがCさんのもとを訪問したところ,Cさんから「この生活を何とかしたい」との意向が表明された。

  1. 1Cさんに対し,A市を管轄する福祉事務所を訪問するよう促す。
  2. 2D市内で活動しているホームレス支援団体に連絡し,協力を要請する。
  3. 3Cさんの住民票がA市にあるので,A市に支援会議の開催を要請する。
  4. 4D市の福祉事務所につなぎ,生活保護の受給手続きを支援する。
  5. 5Cさんの情報を近隣住民に伝えて,このまま見守りを継続するよう依頼する。
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正答2・4

住民票を出身地のA市に置いたまま、関西のD市の公園でホームレス状態にあるCさんへの支援を問う事例問題です。かぎは「」です。

は、原則として居住地を所管するが実施しますが、居住地がないか明らかでない人については、現在いる場所(現在地)を所管する福祉事務所が保護を行います(第19条)。住民票がどこにあるかは関係ありません。

Cさん本人から「この生活を何とかしたい」という意向が出ています。この意向を受けて、今いるD市で使える支援につないでいくのが支援の方向です。遠く離れたA市に戻らせたり、A市に手続きを求めたりするのは、本人の負担を増やすだけで支援になりません。

選択肢1

✕ 適切ではありません

生活保護は現在地保護の考え方があり、居住地がない人については現在いる場所の福祉事務所が保護を行います。住民票がA市にあるからといって、四国のA市まで行くよう促すのは、本人に大きな負担を強いるうえ、制度上も必要のないことです。

選択肢2(正答)

○ 適切です

D市内で活動しているホームレス支援団体に連絡し、協力を要請することは、地域のを生かした適切な支援です。だけで抱え込まず、食事・衣類・居場所づくりなど団体の強みを生かして支援の幅を広げることができます。

選択肢3

✕ 適切ではありません

は、支援に必要な情報を関係機関で共有し、支援体制を協議する場です。Cさんが現に生活しているのはD市であり、A市に開催を要請しても実際の支援にはつながりません。

選択肢4(正答)

○ 適切です

D市の福祉事務所につなぎ、生活保護の受給手続きを支援する対応です。現在地保護によりD市で保護を受けることができます。住まいと収入の土台を確保することが、生活の立て直しの第一歩になります。

選択肢5

✕ 適切ではありません

Cさんの情報を本人の同意なく近隣住民に伝えることは、の原則に反します。また、本人が「この生活を何とかしたい」と意向を示しているのに、見守りを続けるだけで具体的な支援に動かないのは、支援を先送りすることになります。

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問題 102

事例を読んで,生活困窮者自立相談支援機関の相談支援員(社会福祉士)の支援に関する次の記述のうち,適切なものを 2 つ選びなさい。

〔事 例〕

Aさん(80 歳)は息子のBさん(52 歳)と二人暮らしである。Bさんは中学卒業後,高校には進学せず就職したが仕事を覚えられず転職を繰り返した。ここ 10 年ほどは求職活動をせず家で過ごしているが,親子関係は良好である。現在はAさんの老齢基礎年金と貯蓄でどうにか生活できているが,Aさんは高齢であることから,今後のBさんのことを心配している。Aさんは,民生委員から紹介されたC市の生活困窮者自立相談支援機関に行って相談した。

  1. 1AさんからBさんに働くよう強く求めることを提案する。
  2. 2Bさんと面談できる機会を得られるようAさんに働きかける。
  3. 3Bさんの自立を促すため,AさんにBさんとの別居を提案する。
  4. 4Aさんに,Bさんは地域若者サポートステーションを利用できると助言する。
  5. 5Aさんに,BさんはC市が行っている生活困窮者就労準備支援事業を利用できると助言をする。
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正答2・5

80歳の親と52歳の子が同居し、子が長く仕事から離れているという、いわゆる「8050問題」の事例です。相談に来ているのは親のAさんで、本人であるBさんはまだ相談の場にいません。

この型の事例では、次の2つが支援の方向になります。
・本人(Bさん)に会える道すじをつくること。親を通した情報だけで支援を組み立てず、本人の思いを聞ける関係をつくる。
・親子関係を壊さないこと。この事例では親子関係は良好であり、それは支援を進めるうえでの強みです。

年齢の要件も落とし穴になります。(サポステ)の対象は原則15歳から49歳までなので、52歳のBさんは対象になりません。一方、には年齢の上限がなく、すぐに就労するのが難しい人に、生活習慣づくりから社会参加まで段階的に支援する事業です。

選択肢1

✕ 適切ではありません

Bさんは10年ほど求職活動をしていない状態で、事情も気持ちもまだ分かっていません。親から強く働くよう求めさせることは、Bさんを追い詰め、良好な親子関係まで壊しかねません。

選択肢2(正答)

○ 適切です

支援の対象はBさん本人です。親からの情報だけで支援を組み立てるのではなく、Bさんと直接会える機会をつくれるようAさんに働きかけることが、この時点での適切な一歩になります。

選択肢3

✕ 適切ではありません

別居によって自立が進むという根拠はありません。この事例では親子関係が良好であることが強みであり、それを断ち切る提案は支援になりません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

地域若者サポートステーション(サポステ)の対象は、原則として15歳から49歳までです。Bさんは52歳なので対象になりません。以前は39歳以下でしたが、就職氷河期世代への支援として49歳まで広がった経緯もあわせて押さえておきましょう。

選択肢5(正答)

○ 適切です

就労準備支援事業は、生活習慣、対人関係、就労体験などを段階的に支援する。支援期間は原則1年だが、長期的な支援が必要と自治体が認める場合は1年を超える計画や延長も可能である。年齢上限によって52歳のBさんを除外する事業ではない。

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出典

用語の説明

稼働能力の活用かどうのうりょくのかつよう

生活保護の要件の一つ(生活保護法第4条)。①稼働能力があるか、②それを活用する意思があるか、③実際に働く場を得られるか、の3つに分けて判断します。①は年齢や医学的な評価だけで決めず、資格・生活歴・職歴などを含めて客観的かつ総合的に評価することとされています。

用語の説明

現在地保護げんざいちほご

生活保護は原則として居住地の福祉事務所が行いますが、居住地がないか明らかでない人については、現にいる場所(現在地)の福祉事務所が保護を行う仕組み(生活保護法第19条)。住民票がどこにあるかは問われません。ホームレス状態の人などを支えるうえで大切な考え方です。

用語の説明

自立相談支援事業

生活困窮者自立支援法に基づく必須事業。生活に困っている人の相談を幅広く受け止め、本人と一緒に自立支援計画をつくり、関係機関につなぐ。2024年の改正で、住まいに関する相談支援を行うことが明確化されました。

用語の説明

生活困窮者就労準備支援事業

直ちに就労することが難しい人に、生活習慣の形成、社会との関わりづくり、就労体験等を段階的に支援する事業です。支援期間は原則1年ですが、長期的支援が必要と自治体が認める場合は1年を超える計画や延長も可能です。年齢の上限による一律の除外はなく、対象要件や本人の状況を確認して利用します。

用語の説明

地域若者サポートステーション

働くことに悩みを抱える若者の就労を支援する、厚生労働省委託の相談機関(通称サポステ)。対象は原則15歳から49歳まで。以前は39歳以下でしたが、就職氷河期世代への支援として49歳まで広がりました。

用語の説明

生活福祉資金貸付制度

低所得世帯・高齢者世帯・障害者世帯に、都道府県社会福祉協議会が資金の貸付けと相談支援を行う制度。窓口は市区町村の社会福祉協議会。総合支援資金・福祉資金(福祉費、緊急小口資金)・教育支援資金・不動産担保型生活資金の4種類があります。

用語の説明

生活保護法せいかつほごほう

憲法第25条の生存権を形にした法律で、生活に困る人へ必要な保護を行い、自立を助けることを目的とします。無差別平等、補足性などの原理と、8種類の扶助を定めています。

用語の説明

生活困窮者自立支援法せいかつこんきゅうしゃじりつしえんほう

生活困窮者の尊厳を保持し、就労・心身・孤立等の状況に応じて包括的かつ早期に自立を支援するための法律です。自立相談支援事業と住居確保給付金は必須事業で、就労準備支援・家計改善支援等は努力義務として位置づけられます。2025年4月施行の改正では、住居確保給付金の転居費用補助や、一定の事業に特定被保護者を含める仕組み等が加わりました。

用語の説明

生活扶助せいかつふじょ

生活保護の扶助のひとつで、食費・衣服・光熱水費といった日常の暮らしの費用をまかなうもの。原則としてお金で支給されます。

用語の説明

生業扶助せいぎょうふじょ

生活保護の扶助のひとつで、仕事に就くための技能を身につける費用や、就職の支度にかかる費用をまかなうもの。高等学校等への就学に必要な費用もここで扱います。

用語の説明

福祉事務所ふくしじむしょ

社会福祉法に定められた、福祉の現業を行う第一線の行政機関。都道府県と市には必ず置かれ、町村は任意です。生活保護の決定・実施のほか、児童・母子・障害・高齢の各分野の事務を扱います。

用語の説明

社会福祉協議会しゃかいふくしきょうぎかい

社会福祉法に位置づけられた、地域福祉の推進を目的とする民間の組織。住民・福祉関係者の参加を得て、相談、ボランティア、日常生活自立支援事業、生活福祉資金の貸付などを担います。行政ではありませんが、公共性の高い役割を持ちます。

用語の説明

都道府県社会福祉協議会とどうふけんしゃかいふくしきょうぎかい

都道府県ごとに置かれる社会福祉協議会。市町村社会福祉協議会の支援、福祉人材センターの運営、生活福祉資金の貸付、日常生活自立支援事業の実施主体などを担います。

用語の説明

民生委員みんせいいいん

厚生労働大臣から委嘱され、地域で住民の相談に応じて必要な支援につなぐ民間の奉仕者。給与は支給されず、任期があります。児童委員を兼ねる点も押さえておきたいところです。

用語の説明

公共職業安定所こうきょうしょくぎょうあんていじょ

国が設置する職業紹介の機関で、ハローワークの名で親しまれています。求人の紹介、雇用保険の手続き、障害のある人の就職支援などを行います。

用語の説明

主治医しゅじい

その人の治療を主に担当している医師。要介護認定の主治医意見書や、サービス利用にあたっての医学的な確認など、福祉の場面でも連携の相手になります。

用語の説明

支援会議しえんかいぎ

生活困窮者自立支援法や社会福祉法に基づき、関係機関等が必要な情報交換や支援体制の検討を行う会議です。法定の目的・権限と構成員の守秘義務により、本人同意を得にくい段階でも必要な範囲の情報共有ができます。一般の会議で守秘義務を設けるだけで同じ扱いになるわけではなく、支援調整会議や重層的支援会議とも区別します。

用語の説明

相談支援そうだんしえん

本人の困りごとを聞き取り、必要なサービスや資源につなぐ支援。障害福祉では、サービス等利用計画をつくる計画相談支援などの類型があります。

用語の説明

自立相談支援じりつそうだんしえん

生活困窮者自立支援法の必須事業で、制度の入口にあたる相談窓口。困りごとを幅広く受け止め、自立支援計画をつくって関係機関と連携します。

用語の説明

感染症かんせんしょう

細菌やウイルスなどが体内に入って起こる病気。福祉の現場では、持ち込まない・広げないための平時の備えと、発生時に業務を続ける計画づくりが求められます。

用語の説明

生活保護せいかつほご

生活に困る人に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助ける制度。世帯を単位として必要かどうかを判断し、8種類の扶助を組み合わせて行います。

用語の説明

社会資源しゃかいしげん

支援に活用できる制度、サービス、施設、資金、人材、団体などの総称のこと。行政の制度だけでなく、住民の活動やボランティア、商店や企業など、地域にある力も広く含みます。既にあるものを本人に結び付けるだけでなく、足りなければ新しくつくり出すことも支援者の役割として問われます。

用語の説明

居住支援法人きょじゅうしえんほうじん

住まいの確保に配慮を要する人の入居相談や見守り、家賃債務保証などを行う法人として、都道府県が指定するもののこと。住宅セーフティネット法に基づく仕組みで、社会福祉法人やNPO法人などが指定を受けます。生活困窮者への支援でも連携先として出てくるため、住居確保給付金を支給する主体と取り違えないよう注意します。

用語の説明

国庫負担こっこふたん

社会保障の費用のうち、国が税を財源として負担する分のこと。国と地方公共団体を合わせた公費負担のうち、国の分だけを指す言葉です。制度ごとに国、都道府県、市町村の負担の割り振りが決められているため、誰がどこまで負担するのかを制度ごとに整理して覚えます。

用語の説明

生活困窮者せいかつこんきゅうしゃ

就労や心身の状況、地域社会との関係などの事情により、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持できなくなるおそれのある人のこと。生活困窮者自立支援法に定義が置かれ、生活保護に至る前の段階にある人を広く受け止めることをねらいとした言葉です。収入の額だけで決まるかのように説明する選択肢には注意しましょう。

用語の説明

自立相談支援機関じりつそうだんしえんきかん

生活困窮者自立支援法の自立相談支援事業を行い、相談を受け止めて支援プランをつくる窓口のこと。相談支援員が生活の状況と課題を幅広く聞き取り、自分の機関で支援を続けるか、他の機関につなぐかを判断します。生活保護の決定や資力調査を行う福祉事務所とは役割が異なり、求職活動を強制する機関でもありません。

用語の説明

総合支援資金そうごうしえんしきん

生活福祉資金貸付制度の資金区分の一つで、生活の立て直しに向けて相談支援とあわせて貸し付けるお金のこと。生活支援費、住宅入居費、一時生活再建費の三つで構成されます。給付ではなく貸付であること、緊急小口資金や教育支援資金は別の区分であることが問われやすいところです。

用語の説明

生活支援費せいかつしえんひ

生活福祉資金貸付制度の総合支援資金に含まれ、生活を再建するまでの間に必要な生活費を貸し付けるもののこと。緊急かつ一時的に生計の維持が困難になった場合の少額の貸付である緊急小口資金とは、目的も資金区分も異なります。名称の似た資金が多いので、どの区分に入るかで整理しましょう。

用語の説明

一時生活再建費いちじせいかつさいけんひ

生活福祉資金貸付制度の総合支援資金に含まれ、生活を立て直すために一時的に必要となる費用を貸し付けるもののこと。就職や転職のための技能習得、滞納している公共料金の立て替え、債務整理に必要な費用などが対象になります。日々の生活費に当たる生活支援費との違いが問われます。

用語の説明

住宅入居費じゅうたくにゅうきょひ

生活福祉資金貸付制度の総合支援資金に含まれ、賃貸住宅に入居するときの敷金や礼金などの費用を貸し付けるもののこと。住まいを確保する費用という点では生活保護の住宅扶助や生活困窮者自立支援法の住居確保給付金と似ていますが、こちらは返済が必要な貸付である点が決定的に異なります。

用語の説明

緊急小口資金きんきゅうこぐちしきん

生活福祉資金貸付制度の福祉資金に含まれ、緊急かつ一時的に生計の維持が困難になった場合に少額の資金を貸し付けるもののこと。総合支援資金のように生活再建を継続して支えるものではなく、当面をしのぐための短期の貸付です。どの区分に属する資金かを取り違えないようにしましょう。

用語の説明

教育支援資金きょういくしえんしきん

生活福祉資金貸付制度の資金区分の一つで、低所得世帯の子どもの就学を支えるために貸し付けるお金のこと。教育支援費と就学支度費の二つで構成されます。総合支援資金や福祉資金とは別の区分であり、名称の似た資金がどの区分に属するかがよく問われます。

用語の説明

教育支援費きょういくしえんひ

生活福祉資金貸付制度の教育支援資金に含まれ、高等学校や大学、高等専門学校などに就学するために必要な経費を貸し付けるもののこと。就学している間に継続して必要になる費用が対象です。入学に際して必要な費用を貸し付ける就学支度費とは、同じ区分の中で役割が分かれています。

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就学支度費しゅうがくしたくひ

生活福祉資金貸付制度の教育支援資金に含まれ、高等学校や大学などへの入学に際して必要となる費用を貸し付けるもののこと。入学時に必要になる費用が対象で、就学中に継続して必要な費用を貸し付ける教育支援費と対になります。総合支援資金の資金と混同しないようにしましょう。

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一時生活支援事業いちじせいかつしえんじぎょう

生活困窮者自立支援法に基づき、住居のない生活困窮者に対して一定の期間、宿泊場所や衣食の提供を行う事業のこと。自治体の判断で行う任意事業として位置づけられてきましたが、法改正により生活困窮者居住支援事業に改められました。家族の介護をしている人の休息を支える事業ではない点に注意します。

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生活困窮者居住支援事業せいかつこんきゅうしゃきょじゅうしえんじぎょう

生活困窮者自立支援法に基づき、住まいのない生活困窮者への宿泊場所や衣食の提供に加え、住まいの確保から入居後の見守りまでを支える事業のこと。従来の一時生活支援事業が名称を改めたもので、都道府県等はこのうち必要と認めるものを行うよう努めるものとされています。改称前の名称とセットで覚えましょう。

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要保護者ようほごしゃ

生活保護法で、現に保護を受けているかどうかにかかわらず、保護を必要とする状態にある人を指す言葉のこと。すでに保護を受けている被保護者よりも広い範囲を指します。申請保護の原則では、保護は要保護者、その扶養義務者、同居の親族の申請に基づいて開始するとされています。

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恤救規則じゅっきゅうきそく

1874年(明治7年)に定められた、日本で最初の全国的な救貧の決まりのこと。人々の助け合いを基本に置き、身寄りのない「無告の窮民」だけを対象とする限られた内容でした。日本の公的扶助の出発点として、出来事を年の順に並べる問題でよく問われます。

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障害者しょうがいしゃ

障害者基本法で、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害があり、障害と社会的障壁によって日常生活または社会生活に継続的に相当な制限を受ける状態にある人のこと。障害者手帳を持っているかどうかは、この定義の要件ではありません。制限が心身の障害だけでなく社会的障壁からも生じるとする社会モデルの考え方が入っている点が問われます。

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秘密保持ひみつほじ

業務に関して知り得た人の秘密を、正当な理由なく漏らさないこと。社会福祉士及び介護福祉士法第46条が秘密保持義務を定めており、社会福祉士でなくなった後も守る必要があります。バイステックの七つの原則の一つでもありますが、生命や身体への重大な危険があるときなど、他者の安全を守るために情報を共有する例外もあります。

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欠格条項けっかくじょうこう

一定の事情に当てはまる人を、資格や職業から一律に排除する法律上の規定のこと。かつては成年被後見人になると多くの資格や職を自動的に失う規定が各法律に置かれていましたが、本人の社会参加を不当に妨げるとして順に見直されてきました。後見の開始が直ちに資格の喪失につながるわけではない点が問われます。

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居住支援きょじゅうしえん

住まいを確保し、地域で安心して暮らし続けられるようにする支援です。入居先を探すことに加え、収入や健康、日常の相談先などにも目を向けます。具体的な制度の対象や内容は、それぞれの要件を確認します。