第37回(令和7年2月実施) 児童・家庭福祉
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問題文は「第37回社会福祉士国家試験 試験問題」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)より、出題当時の文言のまま掲載しています。正答は同センター公表の「合格基準及び正答」に基づきます。解説は管理人(ばっふぁ)が独自に作成したものです。
問題 91
意見表明等支援事業などに関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
- 1意見表明等支援員は、子どもの未熟さを補い、専門知識に基づいて児童を指導するものである。
- 2児童福祉に関する知識等を有する者が、児童の意向などを勘案して、児童相談所等の関係機関と連絡調整を行う。
- 3児童養護施設等に入所中の児童、里親委託中の児童、一時保護中の児童は、この事業の対象である。
- 4児童相談所の児童福祉司は、意見表明等支援員とは別に、単独で児童の意見を聴取することを控えなければならない。
- 5児童養護施設の職員や里親は、児童の最善の利益を考慮して、意見表明等支援員に対して、養育についての自分の意見は述べないことが望ましい。
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正答2・3
意見表明等支援事業は、措置やなどに関わる児童が、自分の意見を表明できるよう支える仕組みです。意見表明等支援員は、児童の意向を勘案しながら関係機関との連絡調整を行います。対象には入所児童、里親委託児童、一時保護中の児童などが含まれます。よって選択肢2・3が正答です。
この事業の中心は、大人が子どもに正解を教えることではなく、子どもが安心して意見を言えるようにし、その意見が関係機関に届く過程を支えることです。による意見聴取や施設職員・里親との情報共有を排除する制度でもありません。
管理人の視点: 子どもの意見は、大人の希望と一致するとは限りません。だからこそ、支援者は意見の内容を評価する前に、言える環境と届く経路を整える必要があります。「指導する人」ではなく「意見表明を支える人」と捉えると役割を見分けやすくなります。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
意見表明等支援員は、専門家として児童を指導する役割ではなく、児童が自分の意見を表明できるよう支援します。
- 選択肢2(正答)
○ 適切です
児童福祉に関する知識等を有する者が、児童の意向を勘案し、等との連絡調整を行います。
- 選択肢3(正答)
○ 適切です
児童養護施設等に入所中の児童、里親委託中の児童、一時保護中の児童は事業の対象です。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
児童福祉司も、必要に応じて児童の意見を聴取します。意見表明等支援員がいることを理由に控えるものではありません。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
施設職員や里親も、児童の養育に関する意見を述べることができます。児童の意見を尊重しつつ、関係者の意見を排除するものではありません。
問題 92
事例を読んで、A市子育て支援課が最優先すべき初期対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Bさん(3歳)は、保育所を利用しているが、週1回も登園していない。父親は病気がちで仕事が続かず、母親は精神疾患があり自宅で寝ていることが多いため就労が難しく、家族は経済的に困窮している。Bさんはまだ発語がなく、このまま発育が遅れていくことを保育所は懸念している。Bさんがめずらしく登園した日、何日も入浴していないことに気づいた保育所は、Bさんがいる間にA市の虐待通告窓口にもなっている子育て支援課へ連絡し、ネグレクトの懸念を伝えた。
- 1保育所に児童相談所へ通告するよう、働きかける。
- 2保育所に児童発達支援センターと相談するよう、助言する。
- 3緊急の受理会議を行い、Bさんが保育所にいる間に複数の職員で訪問し、児童の状況を把握する。
- 4児童相談所へ連絡し、一時保護するように要請する。
- 5保育所に父母への生活保護制度の情報提供を依頼する。
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正答3
が疑われる幼児への初期対応を問う問題です。Bさんがにいる間に、安全確認と事実把握を急ぐ必要があります。緊急受理会議を開き、複数職員で保育所を訪問して児童の状況を確認する選択肢3が最優先です。
通告を受けた市町村は、まず緊急性を評価します。や他機関への連絡は、その把握結果を踏まえて必要に応じて行います。事例の答えを決める一文は「Bさんがいる間にA市の虐待通告窓口にもなっている子育て支援課へ連絡し、ネグレクトの懸念を伝えた」です。すでに通告を受けた市が、別機関への連絡だけで初期対応を終えてはいけません。
管理人の視点: 虐待が疑われる場面では、発達支援や経済支援も大切ですが、順番の第一は子どもの安全です。「誰につなぐか」より先に「いま安全かを誰が確認するか」を考えると、最優先の対応を選べます。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
保育所はすでに市の虐待通告窓口へ連絡しています。市は通告を受けた機関として初期対応を行います。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
発達支援の相談も必要になり得ますが、まずはネグレクトの疑いと安全を確認することが優先です。
- 選択肢3(正答)
○ 適切です
緊急受理会議で対応を協議し、Bさんがいる保育所へ複数職員で訪問して、本人の安全や状態を直接確認する。児童が保育所にいる間の家庭訪問という意味ではない。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
一時保護の要否は、事実確認と緊急性の評価を踏まえてが判断します。直ちに要請するとは限りません。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
の情報提供は支援の一つですが、虐待・ネグレクトが疑われる初期段階では安全確認が先です。
問題 93
事例を読んで、Aさんの状況を踏まえ、B市子育て支援課がAさん親子の支援のために、この時点で危機介入として速やかに連携すべき機関・施設として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(32歳)から、これまでも「夫(35歳)から繰り返し暴言を浴びせられ、時に暴力を振るわれている。どうしたらよいか悩んでいる。夫から逃れたい」という相談を受けてきた。ある日「もう限界です」という訴えがあった。Aさんは、4歳の子を帯同しており、子には母親をかばう様子もみられる。Aさんの家庭は夫の収入によって生計を立てているが、その収入はほとんど夫が管理しており、Aさんは手元に所持金が全くない状況である。Aさんは、子とともに生活したいと望んでいる。B市子育て支援課は緊急受理会議を行った。
- 1児童養護施設
- 2母子生活支援施設
- 3B市の女性相談支援員
- 4女性自立支援施設
- 5女性相談支援センター
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正答3・5
配偶者暴力から逃れたい母子へのを問う問題です。所持金がなく、子どもも母親をかばっており、緊急の安全確保と女性支援につなぐ必要があります。市の女性とに速やかに連携する選択肢3・5が正答です。
やは生活の場となり得ますが、この時点ではまず・等を担う機関へ連絡します。事例の答えを決める一文は「『もう限界です』という訴えがあった」と「Aさんは手元に所持金が全くない状況」です。危機介入では、将来の居住先を先に決めるより、相談・一時保護・関係調整を担う機関と直ちに連携します。
管理人の視点: DV支援では、本人が逃げたいと意思を示した瞬間を逃さず、安全を具体化することが重要です。施設名だけで選ぶのではなく、いま必要なのが相談調整なのか、入所後の生活支援なのかを区別しましょう。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
は保護者のいない児童や虐待を受けた児童などの施設で、母子を一緒に保護する危機介入の第一の連携先ではありません。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
母子生活支援施設は母子の生活支援を行う施設ですが、緊急の相談・安全確保の初期連携先としては女性相談支援機関が優先されます。
- 選択肢3(正答)
○ 適切です
市の女性相談支援員は、困難を抱える女性への相談、関係機関との連絡調整などを担い、緊急の支援につなぎます。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
女性自立支援施設は入所による保護・支援を行う施設ですが、まず女性相談支援センター等と連携して安全確保を図ります。
- 選択肢5(正答)
○ 適切です
女性相談支援センターは、DVを含む困難を抱える女性の相談、一時保護、関係機関との連携を担う都道府県の機関です。
問題 94
事例を読んで、市で子育て相談を担当するA職員(社会福祉士)が保護者に伝える内容に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aのもとに保護者から下記の相談があった。 3歳児健診の際に医師から発達に課題があるかもしれないと指摘され、専門医を受診したところ、軽度の発達障害(自閉スペクトラム症)と診断された。しかし両親ともに発達障害や障害児福祉サービスについての知識がなく、不安だとのことだった。両親はともに常勤の会社員で、子どもは現在保育所を利用している。
- 1障害児福祉手当の受給が可能である。
- 2保育所の利用はできなくなる。
- 3児童発達支援の利用が可能である。
- 4放課後等デイサービスの利用が可能である。
- 5医療型障害児入所施設への入所が可能である。
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正答3
3歳で自閉スペクトラム症と診断された子どもへの支援を問う問題です。未就学の障害児が、日常生活や集団生活への適応を支援する障害児通所支援がです。選択肢3が正答です。
放課後等デイサービスは就学児が対象であり、利用は診断だけで直ちにできなくなるものではありません。事例の答えを決める一文は「3歳児健診」と「軽度の(自閉スペクトラム症)と診断された」です。年齢と障害の程度から、重度児向けの手当や入所ではなく、保育所と併用し得る通所支援を考えます。
管理人の視点: 障害児支援の問題は、診断名だけで決めず、就学前か就学後か、通所か入所か、本人と家族が何に困っているかを順に確認します。この事例では「3歳」がサービスを見分ける一番大きな手掛かりです。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
障害児福祉手当は重度の障害により日常生活で常時介護を必要とする20歳未満の者が対象で、軽度の発達障害との診断だけで受給できるものではありません。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
発達障害の診断を受けても、必要な配慮を受けながら保育所を利用できます。
- 選択肢3(正答)
○ 適切です
児童発達支援は、未就学の障害児を対象に、日常生活や集団生活への適応を支援する障害児通所支援です。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
放課後等デイサービスは、学校に就学している障害児を対象とするサービスです。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
医療型障害児入所施設は、を必要とする重度の障害児などが対象で、本事例から直ちに利用を考えるものではありません。
問題 95
こども基本法に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
- 1「こども」について、18歳に満たない者と定義されている。
- 2「こども施策」には、子育てに伴う喜びを実感できる社会の実現に資するため、就労、結婚、妊娠、出産、育児等の各段階に応じて行われる支援が含まれている。
- 3基本理念の一つとして、教育基本法の精神にのっとり教育を受ける機会が等しく与えられることとされている。
- 4都道府県は、こども大綱を勘案して、都道府県こども計画を定めなければならない。
- 5児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者の通告義務が明記されている。
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正答2・3
こども基本法は、全てのこどもが将来にわたって幸せな生活を送れる社会を目指す基本法です。こども施策には、結婚、妊娠、出産、育児等の各段階に応じた支援も含まれ、教育を受ける機会が等しく与えられることも基本理念です。選択肢2・3が正答です。
こどもの定義は18歳未満に限定されず、都道府県計画はです。虐待通告義務はに定められています。基本法では理念と施策の枠組みを定め、個別の通告手続などは個別法が担うという違いも押さえます。
管理人の視点: 「こども=18歳未満」と決めつけると誤ります。こども基本法は年齢だけで線を引かず「心身の発達の過程にある者」と定義しています。定義、基本理念、計画の義務・努力義務を分けて読むことが得点につながります。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
こども基本法の「こども」は18歳未満に限定されず、心身の発達の過程にある者をいいます。
- 選択肢2(正答)
○ 適切です
こども施策には、子育ての喜びを実感できる社会の実現に資するため、就労、結婚、妊娠、出産、育児等の各段階に応じた支援が含まれます。
- 選択肢3(正答)
○ 適切です
基本理念には、教育基本法の精神にのっとり、教育を受ける機会が等しく与えられることが含まれます。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
都道府県こども計画の策定は努力義務であり、必ず定めなければならないものではありません。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
虐待を受けたと思われる児童の通告義務は防止法に定められています。こども基本法の規定ではありません。
問題 96
困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(女性支援新法)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1本法成立前までは、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律に婦人相談所や婦人保護施設が規定されていた。
- 2本法における困難な問題を抱える女性とは、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にある女性を指す。
- 3都道府県は、厚生労働大臣が定めた困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針に即して、基本的な計画を定めることができるとされている。
- 4都道府県は、女性相談支援センターを設置しなければならない。
- 5都道府県は、困難な問題を抱える女性を入所させて、その保護及び支援を目的とする女性自立支援施設を設置しなければならない。
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正答4
女性支援新法は、性暴力・DV被害、貧困、孤立など、さまざまな困難を抱える女性を包括的に支援するための法律です。都道府県にはの設置義務があるため、選択肢4が正答です。
都道府県基本計画は、厚生労働大臣が定める基本方針に即して定めなければならず、単に「定めることができる」とする選択肢3は誤りです。市町村基本計画はです。の設置は義務ではなく、婦人相談所・婦人保護施設は売春防止法に基づく仕組みでした。
管理人の視点: この法律は名称変更だけでなく、支援の根拠を売春防止法から女性の福祉・人権尊重へ転換した点が重要です。試験では「都道府県か市町村か」「必置か任意か」「義務か努力義務か」を表にせずとも一つずつ分けて確認しましょう。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
婦人相談所や婦人保護施設は、配偶者暴力防止法ではなく、売春防止法に基づく仕組みでした。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
この説明は等におけるの定義です。女性支援新法の対象は、日常生活又は社会生活を営むに当たりさまざまな困難な問題に直面する女性です。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
都道府県は、基本方針に即して都道府県基本計画を定めなければなりません。「定めることができる」という任意の規定ではありません。市町村基本計画は努力義務です。
- 選択肢4(正答)
○ 適切です
都道府県は、女性センターを設置しなければなりません。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
女性自立支援施設は都道府県が設置できる施設であり、設置義務ではありません。
出典
- 問題文:「第37回社会福祉士国家試験 試験問題 児童・家庭福祉」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
- 正答:「第37回社会福祉士国家試験の合格基準及び正答について」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
- 試験センター「過去の試験問題」の「過去問題利用にあたっての留意事項等」に基づき掲載しています。