第37回(令和7年2月実施) 貧困に対する支援

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問題文は「第37回社会福祉士国家試験 試験問題」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)より、出題当時の文言のまま掲載しています。正答は同センター公表の「合格基準及び正答」に基づきます。解説は管理人(ばっふぁ)が独自に作成したものです。

問題 97

生活保護の種類と内容に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 1小学生の学校給食費は、生活扶助で行われる。
  2. 2要介護認定を受けた80歳の被保護者の住宅改修費のうち介護給付にかかる自己負担分は、介護扶助で行われる。
  3. 3通院のための交通費(移送費)は、生活扶助で行われる。
  4. 4高等学校の教材代や通学のための交通費は、教育扶助で行われる。
  5. 5就職が確定した40歳の被保護者が、就職のため直接必要とする衣服類の購入費用は、生活扶助で行われる。
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正答2

には生活、住宅、教育、医療、介護、生業などの扶助があり、目的に応じて使い分けます。を受けたの介護サービスや住宅改修における分はで行われます。選択肢2が正答です。

通院交通費は必要性が認められる場合に、高等学校等の就学に必要な費用や就職のために必要な技能修得費等はに関わります。義務教育に必要な費用を扱うと、高校就学を支える生業扶助を混同しないことが重要です。

管理人の視点: 扶助の名称は、支出の目的から選びます。「サービスの自己負担だから介護扶助」「通院に必要だから医療扶助」のように、誰に払うかではなく何のための費用かを確認しましょう。

選択肢1

✕ 適切ではありません

小学生の学校給食費は教育扶助で扱われます。

選択肢2(正答)

○ 適切です

要介護認定を受けた被保護者の住宅改修に係る介護給付の自己負担分は、介護扶助で行われます。

選択肢3

✕ 適切ではありません

通院のための移送費は医療扶助で行われます。

選択肢4

✕ 適切ではありません

高等学校の教材費や通学交通費は教育扶助ではなく生業扶助で行われます。

選択肢5

✕ 適切ではありません

就職のため直接必要な衣服類の購入費は、生業扶助で行われます。

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問題 98

事例を読んで、Aさんに対する福祉事務所の現業員(社会福祉士)の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

ホームレスの男性Aさん(55歳)は8年前にギャンブルが原因で多額の借金をつくり、会社を辞めて、その後就労しないままホームレスとして生活していた。婚姻歴はあるが30歳の時に離婚して子どもは妻が引き取りその後音信はない。最近、体調も悪くなったため生活保護を申請したいと考え福祉事務所に来所した。長年のホームレス生活のため、収入、資産に関する書類は所有していない。

  1. 1居住地がないため居住地を定めてから保護申請するように説明する。
  2. 2稼働年齢層なので就労先を決めてから保護申請するように説明する。
  3. 3ギャンブルによる多額の借金がある場合には保護申請はできないと説明する。
  4. 4収入、資産に関する書類がなくても保護申請は可能だとして、申請手続きについて説明する。
  5. 5保護申請に先立って、子どもへの扶養調査が必要だと説明する。
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正答4

を問う問題です。生活保護は、居住地が定まらないこと、稼働年齢であること、借金があること、必要書類が不足していることを理由に申請そのものを拒むことはできません。書類がなくても申請は可能であると説明する選択肢4が正答です。

扶養照会や資産・収入の調査は、申請を受けた後に保護の要否を判断する過程で行います。事例の答えを決める一文は「長年のホームレス生活のため、収入、資産に関する書類は所有していない」です。書類がそろわないことと申請できないことは別です。

管理人の視点: 窓口では、相談者が要件を満たすかを申請前に決めつけてはいけません。まず申請意思を確認して受け付け、その後に調査・決定するという順番が、申請権を守る基本です。

選択肢1

✕ 適切ではありません

居住地がなくても、現在地を管轄するに生活保護を申請できます。

選択肢2

✕ 適切ではありません

稼働年齢であっても申請できます。就労可能性は保護の決定後も含めて検討します。

選択肢3

✕ 適切ではありません

ギャンブルによる借金があっても、保護の必要性があれば申請はできます。

選択肢4(正答)

○ 適切です

収入・資産の書類がそろっていなくても保護申請は可能です。福祉事務所は申請を受理し、必要な調査を行います。

選択肢5

✕ 適切ではありません

扶養照会は保護の要否を調査する過程で検討されるもので、申請に先立つ必須条件ではありません。

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問題 99

生活困窮者自立支援法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 1生活困窮者自立支援法の改正(2018年)により、任意事業に健康管理支援事業が追加された。
  2. 2住居確保給付金の支給審査や支給決定及び支給の業務は、福祉事務所設置自治体が行う。
  3. 3生活困窮者自立支援法では、相談支援とともに飲食物費や光熱水費について金銭給付を行うことを通じて自立を図ることを目的としている。
  4. 4一時生活支援事業は、低所得世帯であって世帯内の高齢者や子どものケアを行っている家族が一時的に休息をとれるようにサポートする事業である。
  5. 5生活困窮者自立支援法は、日本の永住者資格を有する外国籍の人を対象外としている。
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正答2

※ 法改正等による補足

令和6年改正。等の一部を改正する法律(令和6年法律第21号)により、は「」に改称され、地域の実情に応じて必要と認める事業の実施が化されました。また、は、家賃が低廉な住宅等への転居費用も支援できるよう拡充されました。第37回試験実施時は、法律は公布済みでしたが、これら主要改正の施行前でした。

自立支援法の事業を問う問題です。住居確保給付金の支給審査、決定、支給はが行います。選択肢2が正答です。

同法はを中心に、住まい、就労、家計などの課題に対応します。飲食物費等を一律にする制度ではなく、永住者資格を持つ外国人を当然に除外するものでもありません。必須事業か任意事業か、実施主体は誰か、現金給付か相談・訓練等の支援かを分けて確認します。

管理人の視点: 生活困窮者自立支援制度は、になる前だけの制度でも、就労だけを求める制度でもありません。複合する生活課題を受け止め、必要な事業や他制度へつなぐ入口だと捉えましょう。実施主体も併せて確認します。

選択肢1

✕ 適切ではありません

健康管理支援事業(健康管理支援事業)はに基づく事業であり、生活困窮者自立支援法の任意事業ではありません。

選択肢2(正答)

○ 適切です

住居確保給付金の支給審査、支給決定及び支給の業務は、設置自治体が行います。

選択肢3

✕ 適切ではありません

同法は相談支援等を通じた自立を支援する法律で、飲食物費や光熱水費を金銭給付することを中心とする制度ではありません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

一時生活支援事業は、住居のない生活困窮者等に一時的な住居や食事を提供する事業です。家族介護者の休息支援ではありません。

選択肢5

✕ 適切ではありません

永住者資格を有する外国人など、適法に在留する外国人も対象となり得ます。

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問題 100

次のうち、生活福祉資金貸付制度の総合支援資金に含まれるものとして、正しいものを2つ選びなさい。

  1. 1生活支援費
  2. 2緊急小口資金
  3. 3教育支援費
  4. 4就学支度費
  5. 5一時生活再建費
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正答1・5

を問う問題です。総合支援資金には、生活再建までの生活費に当たると、一時的な生活再建の費用に当たるが含まれます。選択肢1・5が正答です。

総合支援資金にはも含まれます。一方、は「福祉資金」に含まれる緊急かつ一時的な生計維持のための少額貸付で、に含まれます。名称が似ていても資金の大区分を確認します。

管理人の視点: 生活福祉資金は給付ではなく貸付です。総合支援資金は「生活を立て直す間の生活費・住居入居・一時的費用」のまとまりとして覚え、緊急小口と教育支援資金を外側に分けると整理できます。名称だけで判断しないことが大切です。

選択肢1(正答)

○ 適切です

正しいです(正答)。生活支援費は、生活再建までの間に必要な生活費を貸し付ける総合支援資金です。

選択肢2

✕ 適切ではありません

緊急小口資金は、生活福祉資金貸付制度の「福祉資金」に含まれる。緊急かつ一時的な生計維持のための少額貸付で、総合支援資金とは区分が異なる。

選択肢3

✕ 適切ではありません

誤りです。教育支援費は教育支援資金に含まれます。

選択肢4

✕ 適切ではありません

誤りです。就学支度費は教育支援資金に含まれます。

選択肢5(正答)

○ 適切です

正しいです(正答)。一時生活再建費は、生活再建に一時的に必要な費用を貸し付ける総合支援資金です。

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問題 101

事例を読んで、生活困窮者自立相談支援機関の相談支援員による支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

Aさん(25歳)は、両親と3人で暮らしている。高校卒業後、工場に就職したが職場での人間関係がうまくいかず3か月で離職した。その後も短期間での転職を繰り返し、ここ2年ほどは無職である。仕事上の失敗が続いたことから就労への意欲が低下して、引きこもり状態である。そこで、Aさんの状況を見かねた両親は、本人とともに社会福祉協議会に設けられている生活困窮者自立相談支援機関の窓口に行って相談した。Aさんもこのままではいけない、どうにか1歩前に進みたいと意欲を示し、両親からもAさんを支えていきたいとの気持ちが示された。

  1. 1生活保護を受給する可能性を探るため、資力調査を行う。
  2. 2生活保護の受給に先立って、自立支援プログラムを策定し、参加を勧める。
  3. 3Aさんの課題を把握し、自立相談支援機関による支援を継続するか、他機関につなげるかを判断する。
  4. 4ハローワークで求職活動を行うよう、生活困窮者自立支援法に基づく指導・指示を行う。
  5. 5自立生活のためのプラン案を策定するため、支援会議の開催を依頼する。
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正答3

の初期支援を問う問題です。は本人の生活状況と課題を包括的に把握し、自機関で継続支援するか、適切な他機関へつなぐかを判断します。選択肢3が正答です。

の決定はの業務です。機関は、に法的な指導・指示をして求職活動を強制する機関でもありません。は法に基づく情報共有・支援体制の検討の場です。本人と作成したプラン案のや役割分担を確認する支援調整会議とは、目的や本人同意の扱いが異なります。事例の答えを決める一文は、Aさん自身が「どうにか1歩前に進みたい」と意欲を示した部分です。

管理人の視点: 初回相談では、すぐ就職先を決めるより、何が長期の無職とひきこもりにつながったのか、本人と家族にどんな力があるのかを把握します。して支援先を判断する順番を守りましょう。

選択肢1

✕ 適切ではありません

生活保護のための資力調査は、福祉事務所が行う業務です。

選択肢2

✕ 適切ではありません

生活保護の受給に先立って自立支援プログラムへの参加を求めるものではありません。

選択肢3(正答)

○ 適切です

本人の課題を把握し、自立機関で支援を継続するか、他機関につなぐかを判断することが相談支援員の重要な役割です。

選択肢4

✕ 適切ではありません

自立相談支援機関が法律に基づいてでの求職活動を指導・指示するものではありません。

選択肢5

✕ 適切ではありません

の支援会議は、支援につながっていない人も含めた情報共有・支援体制の検討のための会議である。本人と作るプラン案の妥当性や役割分担を検討する支援調整会議と区別する。本事例の初期段階では、まず課題の把握と支援先の判断を行う。

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問題 102

事例を読んで、退院を控えたAさんに対する福祉事務所の現業員(社会福祉士)の説明に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。

〔事 例〕

Aさん(26歳)は、両親を早くに亡くし、児童養護施設に入所した。退所後は就職した会社の寮に入っていたが病気のため退職し、入院治療となった。収入は途絶え預貯金もなくなったため、生活保護を受けて療養していたところ、医師はそろそろ退院でき、後遺症も残らないという。Aさんは、退院後は地域で生活したいが、仕事や住まいに不安が大きいため、病院のソーシャルワーカーに相談したところ、現業員を交えて3人で話し合いをすることになった。

  1. 1「退院したら治療が必要なくなるので、医療扶助は廃止になります」
  2. 2「アパートを借りる場合には、敷金や礼金が住宅扶助から支給されます」
  3. 3「地域での生活が落ち着いてからハローワークに行ってはどうですか」
  4. 4「退院後、救護施設に入るよう手続きをしておきます」
  5. 5「退院後、しばらくは児童養護施設で生活できるように施設長にお願いしておきます」
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正答2・3

退院後に地域生活を始めるへの説明を問う問題です。住居を確保するための敷金等は、一定の要件の下での対象となり得ます。また、退院直後は生活を整えることを優先し、状態が落ち着いてから就労相談につなぐことが適切です。選択肢2・3が正答です。

退院しただけでが当然に廃止されるわけではなく、通院や治療の必要性に応じて扱われます。救護施設への入所を本人の意向を確かめずに決めたり、利用要件や本人の地域生活への希望を踏まえずへの入所を手配したりする説明も不適切です。事例の答えを決める一文は「退院後は地域で生活したいが、仕事や住まいに不安が大きい」です。

管理人の視点: 本人の希望は地域生活です。住まいを確保し、退院直後の生活を安定させ、その後に就労へ進むという順番を考えます。自立を急がせることと自立を支えることは同じではありません。

選択肢1

✕ 適切ではありません

退院後も通院・治療が必要なら、医療扶助は継続します。退院だけを理由に廃止されるものではありません。

選択肢2(正答)

○ 適切です

アパート入居に必要な敷金等は、一定の要件の下で住宅扶助から支給されます。

選択肢3(正答)

○ 適切です

退院直後は地域生活を安定させることを優先し、落ち着いてから等での求職活動を検討することが適切です。

選択肢4

✕ 適切ではありません

救護施設への入所は、本人の状況や必要性を踏まえて検討するもので、一律に手続を進めるものではありません。

選択肢5

✕ 適切ではありません

本人は地域生活を希望しており、その意向や利用要件を確認せず施設生活を手配する対応は適切でない。児童養護施設等には措置延長や社会的養護経験者の自立支援の仕組みもあるため、「成人は一切利用できない」ことを理由にはしない。

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出典

用語の説明

要介護認定ようかいごにんてい

介護保険のサービスを利用するために、どのくらい介護を必要とするかを市町村が調査・審査して判定する仕組み。軽い順に要支援1・2、要介護1〜5の7段階に分かれます。

用語の説明

努力義務どりょくぎむ

法律で「〜するよう努めなければならない」「〜努めるものとする」と定められた義務。従わなくても罰則はありませんが、実現に向けて努力することが求められます。「〜しなければならない」と書かれる通常の義務との違いが、試験でよく問われます。

用語の説明

生活福祉資金貸付制度

低所得世帯・高齢者世帯・障害者世帯に、都道府県社会福祉協議会が資金の貸付けと相談支援を行う制度。窓口は市区町村の社会福祉協議会。総合支援資金・福祉資金(福祉費、緊急小口資金)・教育支援資金・不動産担保型生活資金の4種類があります。

用語の説明

生活保護法せいかつほごほう

憲法第25条の生存権を形にした法律で、生活に困る人へ必要な保護を行い、自立を助けることを目的とします。無差別平等、補足性などの原理と、8種類の扶助を定めています。

用語の説明

生活困窮者自立支援法せいかつこんきゅうしゃじりつしえんほう

生活困窮者の尊厳を保持し、就労・心身・孤立等の状況に応じて包括的かつ早期に自立を支援するための法律です。自立相談支援事業と住居確保給付金は必須事業で、就労準備支援・家計改善支援等は努力義務として位置づけられます。2025年4月施行の改正では、住居確保給付金の転居費用補助や、一定の事業に特定被保護者を含める仕組み等が加わりました。

用語の説明

医療扶助いりょうふじょ

生活保護の扶助のひとつで、けがや病気の治療にかかる費用をまかなうもの。原則として現物給付で、指定医療機関がサービスを提供します。

用語の説明

介護扶助かいごふじょ

生活保護の扶助のひとつで、介護サービスにかかる費用をまかなうもの。要介護認定を受けた被保護者の自己負担分は、この扶助で行われます。原則として現物給付です。

用語の説明

教育扶助きょういくふじょ

生活保護の扶助のひとつで、義務教育に必要な費用をまかなうもの。高校への就学に必要な費用は生業扶助が受け持つため、混同しないことが大切です。

用語の説明

生業扶助せいぎょうふじょ

生活保護の扶助のひとつで、仕事に就くための技能を身につける費用や、就職の支度にかかる費用をまかなうもの。高等学校等への就学に必要な費用もここで扱います。

用語の説明

資力調査しりょくちょうさ

生活保護を決めるときに、収入・預貯金・不動産などの資力を調べること。使える資産や能力をまず活用してもらうという「補足性の原理」に基づいて行われます。

用語の説明

住居確保給付金じゅうきょかくほきゅうふきん

生活困窮者自立支援法に基づく住まいの支援です。離職・収入減少等により住居を失った、または失うおそれがある人への家賃補助に加え、2025年4月から、収入が著しく減少し家計改善のため転居が必要な人への転居費用補助があります。所得・資産等の要件を確認し、求職活動要件は給付の種類によって異なります。

用語の説明

自己負担じこふたん

サービスを使ったときに、利用者本人が支払う分のこと。負担が重くなりすぎないよう、所得に応じた上限を設ける仕組みが多くの制度に置かれています。

用語の説明

福祉事務所ふくしじむしょ

社会福祉法に定められた、福祉の現業を行う第一線の行政機関。都道府県と市には必ず置かれ、町村は任意です。生活保護の決定・実施のほか、児童・母子・障害・高齢の各分野の事務を扱います。

用語の説明

公共職業安定所こうきょうしょくぎょうあんていじょ

国が設置する職業紹介の機関で、ハローワークの名で親しまれています。求人の紹介、雇用保険の手続き、障害のある人の就職支援などを行います。

用語の説明

児童養護施設じどうようごしせつ

保護者のない子どもや、家庭で適切な養育を受けられない子どもが生活する児童福祉施設。日常生活の養育とともに、自立に向けた支援や家庭復帰に向けた調整も行います。

用語の説明

アセスメントアセスメント

支援を組み立てる前に、本人の状況・希望・強み・環境・課題を整理して見立てること。情報を集めるだけでなく、何が課題でどう手を打つかを判断するところまでを指します。

用語の説明

支援会議しえんかいぎ

生活困窮者自立支援法や社会福祉法に基づき、関係機関等が必要な情報交換や支援体制の検討を行う会議です。法定の目的・権限と構成員の守秘義務により、本人同意を得にくい段階でも必要な範囲の情報共有ができます。一般の会議で守秘義務を設けるだけで同じ扱いになるわけではなく、支援調整会議や重層的支援会議とも区別します。

用語の説明

相談支援そうだんしえん

本人の困りごとを聞き取り、必要なサービスや資源につなぐ支援。障害福祉では、サービス等利用計画をつくる計画相談支援などの類型があります。

用語の説明

介護給付かいごきゅうふ

障害者総合支援法では、居宅介護や生活介護、施設入所支援など、介護の必要度に応じて使うサービスの区分。介護保険法でも要介護の人向けの給付を指す言葉として使われるので、どちらの制度の話かを見分けます。

用語の説明

自立相談支援じりつそうだんしえん

生活困窮者自立支援法の必須事業で、制度の入口にあたる相談窓口。困りごとを幅広く受け止め、自立支援計画をつくって関係機関と連携します。

用語の説明

相談支援員そうだんしえんいん

自立相談支援機関などで、生活に困っている人の相談を受け、本人と一緒に自立支援計画を立てて関係機関につなぐ職員。

用語の説明

生活保護せいかつほご

生活に困る人に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助ける制度。世帯を単位として必要かどうかを判断し、8種類の扶助を組み合わせて行います。

用語の説明

介護保険かいごほけん

加齢に伴う病気などで介護が必要になったときに、介護サービスを利用できる社会保険制度のこと。保険者は市町村と特別区で、第1号被保険者は65歳以上、第2号被保険者は40歳以上65歳未満の医療保険加入者です。介護を家族だけで抱えず社会全体で支える仕組みとして始まりました。

用語の説明

生活困窮者せいかつこんきゅうしゃ

就労や心身の状況、地域社会との関係などの事情により、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持できなくなるおそれのある人のこと。生活困窮者自立支援法に定義が置かれ、生活保護に至る前の段階にある人を広く受け止めることをねらいとした言葉です。収入の額だけで決まるかのように説明する選択肢には注意しましょう。

用語の説明

自立相談支援機関じりつそうだんしえんきかん

生活困窮者自立支援法の自立相談支援事業を行い、相談を受け止めて支援プランをつくる窓口のこと。相談支援員が生活の状況と課題を幅広く聞き取り、自分の機関で支援を続けるか、他の機関につなぐかを判断します。生活保護の決定や資力調査を行う福祉事務所とは役割が異なり、求職活動を強制する機関でもありません。

用語の説明

総合支援資金そうごうしえんしきん

生活福祉資金貸付制度の資金区分の一つで、生活の立て直しに向けて相談支援とあわせて貸し付けるお金のこと。生活支援費、住宅入居費、一時生活再建費の三つで構成されます。給付ではなく貸付であること、緊急小口資金や教育支援資金は別の区分であることが問われやすいところです。

用語の説明

生活支援費せいかつしえんひ

生活福祉資金貸付制度の総合支援資金に含まれ、生活を再建するまでの間に必要な生活費を貸し付けるもののこと。緊急かつ一時的に生計の維持が困難になった場合の少額の貸付である緊急小口資金とは、目的も資金区分も異なります。名称の似た資金が多いので、どの区分に入るかで整理しましょう。

用語の説明

一時生活再建費いちじせいかつさいけんひ

生活福祉資金貸付制度の総合支援資金に含まれ、生活を立て直すために一時的に必要となる費用を貸し付けるもののこと。就職や転職のための技能習得、滞納している公共料金の立て替え、債務整理に必要な費用などが対象になります。日々の生活費に当たる生活支援費との違いが問われます。

用語の説明

住宅入居費じゅうたくにゅうきょひ

生活福祉資金貸付制度の総合支援資金に含まれ、賃貸住宅に入居するときの敷金や礼金などの費用を貸し付けるもののこと。住まいを確保する費用という点では生活保護の住宅扶助や生活困窮者自立支援法の住居確保給付金と似ていますが、こちらは返済が必要な貸付である点が決定的に異なります。

用語の説明

緊急小口資金きんきゅうこぐちしきん

生活福祉資金貸付制度の福祉資金に含まれ、緊急かつ一時的に生計の維持が困難になった場合に少額の資金を貸し付けるもののこと。総合支援資金のように生活再建を継続して支えるものではなく、当面をしのぐための短期の貸付です。どの区分に属する資金かを取り違えないようにしましょう。

用語の説明

教育支援資金きょういくしえんしきん

生活福祉資金貸付制度の資金区分の一つで、低所得世帯の子どもの就学を支えるために貸し付けるお金のこと。教育支援費と就学支度費の二つで構成されます。総合支援資金や福祉資金とは別の区分であり、名称の似た資金がどの区分に属するかがよく問われます。

用語の説明

教育支援費きょういくしえんひ

生活福祉資金貸付制度の教育支援資金に含まれ、高等学校や大学、高等専門学校などに就学するために必要な経費を貸し付けるもののこと。就学している間に継続して必要になる費用が対象です。入学に際して必要な費用を貸し付ける就学支度費とは、同じ区分の中で役割が分かれています。

用語の説明

就学支度費しゅうがくしたくひ

生活福祉資金貸付制度の教育支援資金に含まれ、高等学校や大学などへの入学に際して必要となる費用を貸し付けるもののこと。入学時に必要になる費用が対象で、就学中に継続して必要な費用を貸し付ける教育支援費と対になります。総合支援資金の資金と混同しないようにしましょう。

用語の説明

一時生活支援事業いちじせいかつしえんじぎょう

生活困窮者自立支援法に基づき、住居のない生活困窮者に対して一定の期間、宿泊場所や衣食の提供を行う事業のこと。自治体の判断で行う任意事業として位置づけられてきましたが、法改正により生活困窮者居住支援事業に改められました。家族の介護をしている人の休息を支える事業ではない点に注意します。

用語の説明

生活困窮者居住支援事業せいかつこんきゅうしゃきょじゅうしえんじぎょう

生活困窮者自立支援法に基づき、住まいのない生活困窮者への宿泊場所や衣食の提供に加え、住まいの確保から入居後の見守りまでを支える事業のこと。従来の一時生活支援事業が名称を改めたもので、都道府県等はこのうち必要と認めるものを行うよう努めるものとされています。改称前の名称とセットで覚えましょう。

用語の説明

住宅扶助じゅうたくふじょ

生活保護の扶助の一つで、家賃や地代、住宅の補修などに必要な費用を給付するもののこと。原則として金銭給付で行われ、一定の要件を満たせばアパートへの入居に必要な敷金等も対象になり得ます。現物給付が原則である医療扶助や介護扶助とは、給付の方法が異なる点を押さえましょう。

用語の説明

被保護者ひほごしゃ

生活保護法で、現に保護を受けている人を指す言葉のこと。保護を受けているかどうかにかかわらず保護を必要とする状態にある人を指す要保護者とは、範囲が異なります。試験では両者を入れ替えた選択肢が出るので、今まさに保護を受けているかどうかで区別しましょう。

用語の説明

申請権しんせいけん

生活保護の開始を求めて申請することができる、要保護者などに認められた権利のこと。居住地が定まらないこと、働ける年齢であること、借金があること、書類がそろわないことなどを理由に、申請そのものを断ることはできません。まず申請を受け付け、その後に調査と決定を行うという順番が基本です。

用語の説明

福祉事務所設置自治体ふくしじむしょせっちじちたい

社会福祉法に基づく福祉事務所を設置している自治体のこと。都道府県、市、特別区は設置が義務づけられ、町村は任意で設置できます。生活困窮者自立支援法では、住居確保給付金の支給審査や支給決定、支給を行う主体としてこの言葉が使われ、都道府県だけを指すわけではありません。

用語の説明

金銭給付きんせんきゅうふ

支援を、現金など金銭を渡すかたちで行う給付の方法のこと。生活保護では生活扶助、住宅扶助、教育扶助などが原則として金銭給付で行われ、医療扶助と介護扶助は原則として現物給付です。どの扶助がどちらの方法かを入れ替えた選択肢が出やすいので、対にして覚えましょう。

用語の説明

妥当性だとうせい

調査や測定で、目的とする概念を適切に捉えられているかという性質です。測定結果の一貫性や安定性を示す「信頼性」とは異なり、毎回同じ結果が出るだけで妥当性が保証されるわけではありません。