第37回(令和7年2月実施) 貧困に対する支援
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問題文は「第37回社会福祉士国家試験 試験問題」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)より、出題当時の文言のまま掲載しています。正答は同センター公表の「合格基準及び正答」に基づきます。解説は管理人(ばっふぁ)が独自に作成したものです。
問題 97
生活保護の種類と内容に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1小学生の学校給食費は、生活扶助で行われる。
- 2要介護認定を受けた80歳の被保護者の住宅改修費のうち介護給付にかかる自己負担分は、介護扶助で行われる。
- 3通院のための交通費(移送費)は、生活扶助で行われる。
- 4高等学校の教材代や通学のための交通費は、教育扶助で行われる。
- 5就職が確定した40歳の被保護者が、就職のため直接必要とする衣服類の購入費用は、生活扶助で行われる。
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正答2
には生活、住宅、教育、医療、介護、生業などの扶助があり、目的に応じて使い分けます。を受けたの介護サービスや住宅改修におけるの分はで行われます。選択肢2が正答です。
通院交通費は必要性が認められる場合に、高等学校等の就学に必要な費用や就職のために必要な技能修得費等はに関わります。義務教育に必要な費用を扱うと、高校就学を支える生業扶助を混同しないことが重要です。
管理人の視点: 扶助の名称は、支出の目的から選びます。「サービスの自己負担だから介護扶助」「通院に必要だから医療扶助」のように、誰に払うかではなく何のための費用かを確認しましょう。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
小学生の学校給食費は教育扶助で扱われます。
- 選択肢2(正答)
○ 適切です
要介護認定を受けた被保護者の住宅改修に係る介護給付の自己負担分は、介護扶助で行われます。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
通院のための移送費は医療扶助で行われます。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
高等学校の教材費や通学交通費は教育扶助ではなく生業扶助で行われます。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
就職のため直接必要な衣服類の購入費は、生業扶助で行われます。
問題 98
事例を読んで、Aさんに対する福祉事務所の現業員(社会福祉士)の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
ホームレスの男性Aさん(55歳)は8年前にギャンブルが原因で多額の借金をつくり、会社を辞めて、その後就労しないままホームレスとして生活していた。婚姻歴はあるが30歳の時に離婚して子どもは妻が引き取りその後音信はない。最近、体調も悪くなったため生活保護を申請したいと考え福祉事務所に来所した。長年のホームレス生活のため、収入、資産に関する書類は所有していない。
- 1居住地がないため居住地を定めてから保護申請するように説明する。
- 2稼働年齢層なので就労先を決めてから保護申請するように説明する。
- 3ギャンブルによる多額の借金がある場合には保護申請はできないと説明する。
- 4収入、資産に関する書類がなくても保護申請は可能だとして、申請手続きについて説明する。
- 5保護申請に先立って、子どもへの扶養調査が必要だと説明する。
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正答4
のを問う問題です。生活保護は、居住地が定まらないこと、稼働年齢であること、借金があること、必要書類が不足していることを理由に申請そのものを拒むことはできません。書類がなくても申請は可能であると説明する選択肢4が正答です。
扶養照会や資産・収入の調査は、申請を受けた後に保護の要否を判断する過程で行います。事例の答えを決める一文は「長年のホームレス生活のため、収入、資産に関する書類は所有していない」です。書類がそろわないことと申請できないことは別です。
管理人の視点: 窓口では、相談者が要件を満たすかを申請前に決めつけてはいけません。まず申請意思を確認して受け付け、その後に調査・決定するという順番が、申請権を守る基本です。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
居住地がなくても、現在地を管轄するに生活保護を申請できます。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
稼働年齢であっても申請できます。就労可能性は保護の決定後も含めて検討します。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
ギャンブルによる借金があっても、保護の必要性があれば申請はできます。
- 選択肢4(正答)
○ 適切です
収入・資産の書類がそろっていなくても保護申請は可能です。福祉事務所は申請を受理し、必要な調査を行います。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
扶養照会は保護の要否を調査する過程で検討されるもので、申請に先立つ必須条件ではありません。
問題 99
生活困窮者自立支援法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1生活困窮者自立支援法の改正(2018年)により、任意事業に健康管理支援事業が追加された。
- 2住居確保給付金の支給審査や支給決定及び支給の業務は、福祉事務所設置自治体が行う。
- 3生活困窮者自立支援法では、相談支援とともに飲食物費や光熱水費について金銭給付を行うことを通じて自立を図ることを目的としている。
- 4一時生活支援事業は、低所得世帯であって世帯内の高齢者や子どものケアを行っている家族が一時的に休息をとれるようにサポートする事業である。
- 5生活困窮者自立支援法は、日本の永住者資格を有する外国籍の人を対象外としている。
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正答2
※ 法改正等による補足
令和6年改正。等の一部を改正する法律(令和6年法律第21号)により、は「」に改称され、地域の実情に応じて必要と認める事業の実施が化されました。また、は、家賃が低廉な住宅等への転居費用も支援できるよう拡充されました。第37回試験実施時は、法律は公布済みでしたが、これら主要改正の施行前でした。
自立支援法の事業を問う問題です。住居確保給付金の支給審査、決定、支給はが行います。選択肢2が正答です。
同法はを中心に、住まい、就労、家計などの課題に対応します。飲食物費等を一律にする制度ではなく、永住者資格を持つ外国人を当然に除外するものでもありません。必須事業か任意事業か、実施主体は誰か、現金給付か相談・訓練等の支援かを分けて確認します。
管理人の視点: 生活困窮者自立支援制度は、になる前だけの制度でも、就労だけを求める制度でもありません。複合する生活課題を受け止め、必要な事業や他制度へつなぐ入口だと捉えましょう。実施主体も併せて確認します。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
健康管理支援事業(健康管理支援事業)はに基づく事業であり、生活困窮者自立支援法の任意事業ではありません。
- 選択肢2(正答)
○ 適切です
住居確保給付金の支給審査、支給決定及び支給の業務は、設置自治体が行います。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
同法は相談支援等を通じた自立を支援する法律で、飲食物費や光熱水費を金銭給付することを中心とする制度ではありません。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
一時生活支援事業は、住居のない生活困窮者等に一時的な住居や食事を提供する事業です。家族介護者の休息支援ではありません。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
永住者資格を有する外国人など、適法に在留する外国人も対象となり得ます。
問題 100
次のうち、生活福祉資金貸付制度の総合支援資金に含まれるものとして、正しいものを2つ選びなさい。
- 1生活支援費
- 2緊急小口資金
- 3教育支援費
- 4就学支度費
- 5一時生活再建費
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正答1・5
のを問う問題です。総合支援資金には、生活再建までの生活費に当たると、一時的な生活再建の費用に当たるが含まれます。選択肢1・5が正答です。
総合支援資金にはも含まれます。一方、は「福祉資金」に含まれる緊急かつ一時的な生計維持のための少額貸付で、・はに含まれます。名称が似ていても資金の大区分を確認します。
管理人の視点: 生活福祉資金は給付ではなく貸付です。総合支援資金は「生活を立て直す間の生活費・住居入居・一時的費用」のまとまりとして覚え、緊急小口と教育支援資金を外側に分けると整理できます。名称だけで判断しないことが大切です。
- 選択肢1(正答)
○ 適切です
正しいです(正答)。生活支援費は、生活再建までの間に必要な生活費を貸し付ける総合支援資金です。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
緊急小口資金は、生活福祉資金貸付制度の「福祉資金」に含まれる。緊急かつ一時的な生計維持のための少額貸付で、総合支援資金とは区分が異なる。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
誤りです。教育支援費は教育支援資金に含まれます。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
誤りです。就学支度費は教育支援資金に含まれます。
- 選択肢5(正答)
○ 適切です
正しいです(正答)。一時生活再建費は、生活再建に一時的に必要な費用を貸し付ける総合支援資金です。
問題 101
事例を読んで、生活困窮者自立相談支援機関の相談支援員による支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(25歳)は、両親と3人で暮らしている。高校卒業後、工場に就職したが職場での人間関係がうまくいかず3か月で離職した。その後も短期間での転職を繰り返し、ここ2年ほどは無職である。仕事上の失敗が続いたことから就労への意欲が低下して、引きこもり状態である。そこで、Aさんの状況を見かねた両親は、本人とともに社会福祉協議会に設けられている生活困窮者自立相談支援機関の窓口に行って相談した。Aさんもこのままではいけない、どうにか1歩前に進みたいと意欲を示し、両親からもAさんを支えていきたいとの気持ちが示された。
- 1生活保護を受給する可能性を探るため、資力調査を行う。
- 2生活保護の受給に先立って、自立支援プログラムを策定し、参加を勧める。
- 3Aさんの課題を把握し、自立相談支援機関による支援を継続するか、他機関につなげるかを判断する。
- 4ハローワークで求職活動を行うよう、生活困窮者自立支援法に基づく指導・指示を行う。
- 5自立生活のためのプラン案を策定するため、支援会議の開催を依頼する。
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正答3
の初期支援を問う問題です。は本人の生活状況と課題を包括的に把握し、自機関で継続支援するか、適切な他機関へつなぐかを判断します。選択肢3が正答です。
やの決定はの業務です。機関は、に法的な指導・指示をして求職活動を強制する機関でもありません。は法に基づく情報共有・支援体制の検討の場です。本人と作成したプラン案のや役割分担を確認する支援調整会議とは、目的や本人同意の扱いが異なります。事例の答えを決める一文は、Aさん自身が「どうにか1歩前に進みたい」と意欲を示した部分です。
管理人の視点: 初回相談では、すぐ就職先を決めるより、何が長期の無職とひきこもりにつながったのか、本人と家族にどんな力があるのかを把握します。して支援先を判断する順番を守りましょう。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
生活保護のための資力調査は、福祉事務所が行う業務です。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
生活保護の受給に先立って自立支援プログラムへの参加を求めるものではありません。
- 選択肢3(正答)
○ 適切です
本人の課題を把握し、自立機関で支援を継続するか、他機関につなぐかを判断することが相談支援員の重要な役割です。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
自立相談支援機関が法律に基づいてでの求職活動を指導・指示するものではありません。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
の支援会議は、支援につながっていない人も含めた情報共有・支援体制の検討のための会議である。本人と作るプラン案の妥当性や役割分担を検討する支援調整会議と区別する。本事例の初期段階では、まず課題の把握と支援先の判断を行う。
問題 102
事例を読んで、退院を控えたAさんに対する福祉事務所の現業員(社会福祉士)の説明に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(26歳)は、両親を早くに亡くし、児童養護施設に入所した。退所後は就職した会社の寮に入っていたが病気のため退職し、入院治療となった。収入は途絶え預貯金もなくなったため、生活保護を受けて療養していたところ、医師はそろそろ退院でき、後遺症も残らないという。Aさんは、退院後は地域で生活したいが、仕事や住まいに不安が大きいため、病院のソーシャルワーカーに相談したところ、現業員を交えて3人で話し合いをすることになった。
- 1「退院したら治療が必要なくなるので、医療扶助は廃止になります」
- 2「アパートを借りる場合には、敷金や礼金が住宅扶助から支給されます」
- 3「地域での生活が落ち着いてからハローワークに行ってはどうですか」
- 4「退院後、救護施設に入るよう手続きをしておきます」
- 5「退院後、しばらくは児童養護施設で生活できるように施設長にお願いしておきます」
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正答2・3
退院後に地域生活を始めるへの説明を問う問題です。住居を確保するための敷金等は、一定の要件の下での対象となり得ます。また、退院直後は生活を整えることを優先し、状態が落ち着いてから就労相談につなぐことが適切です。選択肢2・3が正答です。
退院しただけでが当然に廃止されるわけではなく、通院や治療の必要性に応じて扱われます。救護施設への入所を本人の意向を確かめずに決めたり、利用要件や本人の地域生活への希望を踏まえずへの入所を手配したりする説明も不適切です。事例の答えを決める一文は「退院後は地域で生活したいが、仕事や住まいに不安が大きい」です。
管理人の視点: 本人の希望は地域生活です。住まいを確保し、退院直後の生活を安定させ、その後に就労へ進むという順番を考えます。自立を急がせることと自立を支えることは同じではありません。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
退院後も通院・治療が必要なら、医療扶助は継続します。退院だけを理由に廃止されるものではありません。
- 選択肢2(正答)
○ 適切です
アパート入居に必要な敷金等は、一定の要件の下で住宅扶助から支給されます。
- 選択肢3(正答)
○ 適切です
退院直後は地域生活を安定させることを優先し、落ち着いてから等での求職活動を検討することが適切です。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
救護施設への入所は、本人の状況や必要性を踏まえて検討するもので、一律に手続を進めるものではありません。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
本人は地域生活を希望しており、その意向や利用要件を確認せず施設生活を手配する対応は適切でない。児童養護施設等には措置延長や社会的養護経験者の自立支援の仕組みもあるため、「成人は一切利用できない」ことを理由にはしない。
出典
- 問題文:「第37回社会福祉士国家試験 試験問題 貧困に対する支援」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
- 正答:「第37回社会福祉士国家試験の合格基準及び正答について」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
- 試験センター「過去の試験問題」の「過去問題利用にあたっての留意事項等」に基づき掲載しています。