第37回(令和7年2月実施) 高齢者福祉

書籍の中の文字や単語、文章を選択すると、その場でAI検索に行くことができます。

問題文は「第37回社会福祉士国家試験 試験問題」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)より、出題当時の文言のまま掲載しています。正答は同センター公表の「合格基準及び正答」に基づきます。解説は管理人(ばっふぁ)が独自に作成したものです。

問題 85

「令和6年版高齢社会白書」(内閣府)に示された日本の高齢者を取り巻く社会情勢に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 165歳以上人口増大により、死亡数は2006年(平成18年)から2022年(令和4年)まで増加傾向にあるが、2030年(令和12年)以降は減少に転じると見込まれている。
  2. 265歳以上人口に占める一人暮らしの者の割合は増加傾向にあり、その傾向は、少なくとも2050年(令和32年)までは継続すると見込まれている。
  3. 32023年(令和5年)現在の高齢化率を都道府県別にみると、最も高いのは島根県であり、最も低いのは埼玉県である。
  4. 4介護保険制度における要介護認定・要支援認定を受けた者は、2021年度(令和3年度)には第一号被保険者の3割を超えている。
  5. 565歳以上の者について、2023年度(令和5年度)における住宅所有の状況をみると、持家(一戸建て・分譲マンションなどの集合住宅)が5割程度となっている。
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正答2

「令和6年版高齢社会白書」から、高齢者を取り巻く社会の現状を問う問題です。統計の問題は、細かい数値の暗記より「増えているのか減っているのか」「どこが1位か」を押さえているかで決まります。

押さえる流れは次のとおりです。
・65歳以上の一人暮らしは男女とも増え続けており、今後も増加が見込まれる
・死亡数も増え続ける見込みで、多死社会はこれからが本番
が最も高いのは秋田県、最も低いのは東京都
・要介護・の認定を受けたは2割弱
・高齢者の住まいは持家が8割程度

正答は選択肢2です。未婚率の上昇や家族の形の変化を背景に、一人暮らしの高齢者は2050年に向けてなお増え続けると推計されています。

管理人の視点: この統計は、施設の入所相談の顔ぶれとそのまま重なります。以前は家族が付き添って来る相談がほとんどでしたが、いまは一人暮らしで頼れる親族がいない方の相談が珍しくありません。身元保証のこと、亡くなった後のことまで一緒に考える場面が増えました。「一人暮らし高齢者の増加」という一行は、現場ではこういう形で現れています。

選択肢1

✕ 適切ではありません

死亡数は今後も増加傾向が続くと見込まれています。ピークは2040年頃とされており、2030年以降に減少へ転じるという見通しではありません。

選択肢2(正答)

○ 適切です

65歳以上人口に占める一人暮らしの人の割合は男女とも増加傾向にあり、2050年まで増え続けると推計されています。

選択肢3

✕ 適切ではありません

都道府県別の高齢化率は、最も高いのが秋田県、最も低いのが東京都です。島根県は上位ですが最高ではなく、埼玉県も低いほうですが最低ではありません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

要介護・要支援の認定を受けた第1号の割合は2割弱です。3割は超えていません。

選択肢5

✕ 適切ではありません

65歳以上の人の住まいは、持家(一戸建て・分譲マンションなどの集合住宅)が8割程度を占めています。5割程度ではありません。

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問題 86

日本の高齢者福祉制度の発展過程に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  1. 11963年(昭和38年)の老人福祉法の制定によって、デイサービスやショートステイを含む在宅福祉サービスが法定化された。
  2. 21982年(昭和57年)の老人保健法の制定によって、市町村及び都道府県における老人保健福祉計画の策定義務が法定化された。
  3. 31997年(平成9年)の介護保険法の制定によって、介護保険の保険者は市町村及び特別区であることが法定化され、併せて広域連合や一部事務組合も保険者になることができるようになった。
  4. 42005年(平成17年)の「高齢者虐待防止法」の制定によって、使用者(高齢者を雇用する事業主)による虐待が高齢者虐待の定義の一つとして、法定化された。
  5. 52023年(令和5年)の「認知症基本法」の制定によって、国民に対して、認知症の人を不当に差別する行為を禁止することが法定化された。

(注)

  1. 1「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。
  2. 2「認知症基本法」とは、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」のことである。
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正答3

高齢者福祉の法制度が積み上がってきた順番を問う問題です。年号と中身の組み合わせを入れ替えて出してくるので、次の流れで覚えます。

・1963年 などを制度化。在宅は老人家庭奉仕員(ホームヘルパー)の規定まで
・1982年 …老人医療費の一部負担の導入など
・1986年 老人福祉法改正…デイサービス・の法定化
・1990年 …在宅サービスの推進、市町村への権限一元化、の策定義務化
・1997年 の制定(2000年施行)
・2005年 …虐待の主体は
・2023年 …共生社会の実現のための

正答は選択肢3です。は市町村及びで、規模の小さい市町村が単独で運営するのは難しいため、や一部事務組合による共同運営も認められています。

選択肢1は1963年の制定時と1986年以降の在宅サービスの整備を混同しています。選択肢2の老人保健福祉計画の策定義務化は1990年の改正です。事業の開始、法定化、市町村への一元化を分けて整理します。

管理人の視点: 保険者の仕組みは、利用者の介護保険証で実感できます。保険者名の欄が市町村名ではなく広域連合の名前になっている方がときどきいて、これがまさに選択肢3の形です。制度史は年号の暗記になりがちですが、いま現場で手にする書類のどこにその痕跡が残っているかを探すと、急に覚えやすくなります。

選択肢1

✕ 適切ではありません

1963年制定時の老人福祉法には老人家庭奉仕員の派遣等が規定されたが、デイサービス・ショートステイはまだ法定化されていなかった。両事業は1986年の改正で法定化され、1990年の福祉八法改正では在宅サービスの推進や市町村への権限一元化が進められた。

選択肢2

✕ 適切ではありません

正しくありません。1982年の老人保健法は、老人医療費の一部負担の導入や保健事業を定めたものです。老人保健福祉計画の策定義務化は、1990年(平成2年)の福祉関係八法改正によるものです。

選択肢3(正答)

○ 適切です

正しいです(正答)。介護保険の保険者は市町村及び特別区です。あわせて、複数の市町村が広域連合や一部事務組合をつくり、共同で保険者となることも認められています。

選択肢4

✕ 適切ではありません

正しくありません。防止法が定める虐待の主体は「養護者」と「養介護施設従事者等」の2つです。による虐待が定義に入っているのは、2011年(平成23年)制定ののほうです。

選択肢5

✕ 適切ではありません

正しくありません。基本法は、基本理念や国・の責務などを定めた法律です。国民については、認知症への正しい知識と理解を深めるよう努めるというの形で、差別行為を禁止する規定が置かれたわけではありません。

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問題 87

介護保険制度の介護報酬などに関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。

  1. 1介護サービス事業者は、自己負担分を除いた介護報酬を国民健康保険団体連合会に請求する。
  2. 2介護報酬の額の基準を厚生労働大臣が定めるときには、あらかじめ介護保険審査会の意見を聴かなければならない。
  3. 3介護サービス事業者からの介護報酬の請求などに関する審査の事務は、社会保険診療報酬支払基金が行う。
  4. 4介護保険施設入所者のうち、低所得者など一定の条件に該当する者を対象として、入所中の食費と居住費の負担軽減を図るための補足給付が設定されている。
  5. 5介護報酬の1単位当たりの単価は、介護サービス事業所の所在する地域やサービス種別にかかわらず、全国一律に定められている。
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正答1・4

の請求・支払いの流れと、それを取り巻く仕組みを問う問題です。まず、お金の流れを1本の線で押さえます。

・利用者は分(原則1割、所得により2割・3割)をに払う
・事業者は残りの介護報酬を団体連合会(国保連)に請求する
・国保連は(市町村)から委託を受けて、審査と支払いを行う

次に、名前の似た機関を仕分けます。
・国保連…介護報酬の審査・支払い
では、の保険料を者から集めて市町村側に渡す役割
…厚生労働大臣が介護報酬の基準を定めるときに意見を聴く相手
・介護保険審査会…などへの不服申立ての窓口。都道府県に置かれる

もう1つの正答は補足給付です。施設の食費・居住費は原則自己負担ですが、低所得の入所者には負担限度額が設けられ、超える分が特定入所者介護サービス費として給付されます。

管理人の視点: 補足給付は、の入所相談で毎回説明する制度です。負担限度額認定の段階によって、同じ部屋・同じ食事でも月々の支払いが数万円変わります。しかも申請しないと始まらず、預貯金額も要件に入ります。「年金が少ないから施設は無理」とあきらめかけている家族に、まずこの制度を案内するのが相談員の仕事の入口だと思っています。

選択肢1(正答)

○ 適切です

事業者は、利用者から受け取る自己負担分(原則1割)を除いた介護報酬を国民団体連合会に請求します。国保連は保険者である市町村から委託を受けて、審査と支払いを行っています。

選択肢2

✕ 適切ではありません

介護報酬の額の基準を定めるときに厚生労働大臣が意見を聴くのは、審議会です。介護保険審査会は、要介護認定など保険者の処分への不服申立て()を受ける機関で、都道府県に置かれます。

選択肢3

✕ 適切ではありません

介護報酬の請求に関する審査の事務は、国民健康保険団体連合会が行います。支払基金が介護保険で担うのは、第2号の保険料を医療保険者から集めて市町村側に交付する仕事です。

選択肢4(正答)

○ 適切です

特定入所者介護サービス費、いわゆる補足給付の説明です。施設の食費・居住費は原則自己負担ですが、低所得の入所者には負担限度額が設けられ、基準費用額との差額が保険から給付されます。

選択肢5

✕ 適切ではありません

1単位は10円が基本ですが、人件費の地域差を反映した地域区分と、サービス種別ごとの人件費割合によって単価は変わります。全国一律ではありません。

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問題 88

A社員(社会福祉士)は、B社の総務部門に在籍し、企業内での相談支援を担当している。事例を読んで、AによるCさんへの介護休業制度に関する助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

Cさん(52歳、無期雇用の正社員、入社後1年4か月)は母親(84歳)との二人暮らしである。この母親は、20日前にインフルエンザにかかり5日間入院した後、現在も自宅療養中であるが、退院後は歩行もできず、排せつや食事摂取に常時の介助が必要となった。要介護認定はまだ受けていない。Cさんは10日前から時間単位で年次有給休暇を取得して母親を介護しているが「仕事を辞めるわけにはいかず、母親の今後の介護はどうすべきか」と悩み、直属の上司からAへの相談を勧められた。なお、Cさんは母親以外に介護が必要な家族・親族はいない。

  1. 1現時点でのCさんの母親の状態は、介護休業制度の対象に該当する可能性があると助言した。
  2. 2介護休業を取得するためには、あと2か月の勤務期間が必要と助言した。
  3. 3介護休業を取得する場合、医療保険制度の介護休業給付が受給可能と助言した。
  4. 4介護休暇の取得は、年度あたり14日間が可能なことを助言した。
  5. 5現在の状況では、所定労働時間の短縮の措置を受けることは難しいと助言した。
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正答1

※ 法改正等による補足

2025年(令和7年)4月施行の改正育児・法で、介護離職を防ぐための仕組みが強化されました。介護に直面したことを申し出た労働者への制度の個別周知と意向確認、40歳前後の従業員への早めの情報提供、研修や相談窓口の整備が事業主の義務になり、介護のためのテレワークの導入がになりました。介護休暇についても、勤続6か月未満の労働者を労使協定で除外できる仕組みが廃止されています。この問題の正答(介護休業の対象となる状態の考え方)に変わりはありません。

育児・介護休業法の介護休業制度を、事例に当てはめて使えるかを問う問題です。

いちばんの急所は、介護休業でいう「」はとは別物だという点です。負傷・疾病・障害により2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態であればよく、認定を受けている必要はありません。

事例の「退院後は歩行もできず、排せつや食事摂取に常時の介助が必要となった」が、答えを決める一文です。要介護認定はまだでも、介護休業の対象に該当する可能性がある。これが選択肢1です。

数字もまとめて押さえます。
・介護休業…対象家族1人につき通算93日まで。3回まで分けて取れる
から、休業開始時の賃金の67%
・介護休暇…対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日。時間単位でも取れる
・無期雇用の労働者に勤続期間の要件はない(労使協定で除外できるのは入社1年未満の人など)

管理人の視点: 家族の介護は、入院をきっかけにある日突然始まります。相談を受けるとき私が必ず伝えるのは、介護休業は「93日間自分で介護をするための休み」ではなく「働きながら介護を続けられる体制をつくるための休み」だということです。要介護認定の申請、との調整、サービスの手配に充てる。Cさんの「仕事を辞めるわけにはいかず」という思いに応える使い方は、そちらです。

選択肢1(正答)

○ 適切です

介護休業の対象となる「要介護状態」は、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態をいい、介護保険の要介護認定を受けている必要はありません。歩行ができず、排せつや食事に常時の介助が必要な母親の状態は、これに該当する可能性があります。

選択肢2

✕ 適切ではありません

Cさんのような無期雇用の労働者に、勤続期間の要件はありません。労使協定で対象外にできるのは入社1年未満の場合などですが、Cさんは入社1年4か月なので、これにも当たりません。

選択肢3

✕ 適切ではありません

介護休業給付金は、ではなく雇用保険制度の給付です。休業開始時の賃金の67%が支給されます。

選択肢4

✕ 適切ではありません

介護休暇は対象家族1人につき年5日(2人以上なら年10日)で、時間単位でも取得できます。年14日ではありません。

選択肢5

✕ 適切ではありません

事業主には、介護のための所定労働時間の短縮などの措置(短時間勤務、フレックスタイム、時差出勤など)を講じる義務があり、Cさんも利用できます。

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問題 89

事例を読んで、A介護老人保健施設の支援相談員であるB職員(社会福祉士)が、通所介護事業所のC生活相談員から受けた情報提供の依頼に回答するにあたり、A施設に勤務する他の職員に専門的な意見を求める際、最も適切な職種を1つ選びなさい。

〔事 例〕

入所後2か月が経過したDさん(81歳、要介護2)は「介護サービスを利用しながら家族と自宅で暮らしたい」と希望しており、施設内で家庭復帰支援に向けたサービス担当者会議が開かれた。Dさんは脳梗塞後遺症で左片麻痺ひだりかたまひがあるが、屋内での日常生活動作は補助具などを使っておおむね自立している。しかし、球麻痺によって食事や飲水の際にむせ込むことがある。Bは、数日前にDさんが退所後に利用を希望している通所介護のCに連絡をとった際「Dさんの嚥下えんげに関する訓練の状況や誤嚥を防ぐ適切な方法を知りたい」と情報提供の依頼を受けており、その情報をこのサービス担当者会議の場で取得しようと考えた。

  1. 1看護師
  2. 2介護福祉士
  3. 3薬剤師
  4. 4作業療法士
  5. 5言語聴覚士
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正答5

多職種連携の中で、どの専門職に何を聞くべきかを問う事例問題です。介護老人保健施設は在宅復帰を目指す施設で、の専門職が配置されています。

まず、リハビリ3職種の分担を押さえます。
(PT)…起きる・立つ・歩くといった基本動作の訓練
(OT)…食事・入浴・家事など応用的な動作の訓練
(ST)…ことばと聞こえ、そして飲み込み(摂食嚥下)の訓練

答えを決めるのは、依頼内容の「嚥下に関する訓練の状況や誤嚥を防ぐ適切な方法を知りたい」という一文です。嚥下の評価と訓練を専門とするのは言語聴覚士です。名前から「ことばの専門職」とだけ思われがちですが、摂食嚥下は言語聴覚士の中心的な仕事の1つです。看護師やも食事の場面に深く関わるものの、訓練の状況と誤嚥予防の専門的な方法を聞く相手としては、言語聴覚士が最も適切です。

管理人の視点: とろみの濃さ、食事の形態、いすと姿勢、ひと口の量。誤嚥を防ぐ手立てはこの組み合わせで決まり、その設計図を描くのが言語聴覚士です。現場では「むせたから、とろみを濃く」とやりがちですが、濃すぎるとろみがかえって危ないこともあります。には言語聴覚士がいない施設も多く、私の職場でも外部の評価に頼っています。だからこそ、この事例のように施設の垣根を越えて情報をつなぐ相談員の役割が重くなります。

選択肢1

✕ 適切ではありません

看護師も摂食嚥下のケアや訓練に関わり、その分野の認定看護師もいる。本問は嚥下訓練の状況と誤嚥予防の専門的な方法について意見を求める場面であり、選択肢の中では摂食嚥下の評価・訓練を専門領域とする言語聴覚士が最も適切である。

選択肢2

✕ 適切ではありません

介護福祉士は日々の食事介助を担い、むせ込みの様子をよく知る立場ですが、の評価や訓練の専門職ではありません。

選択肢3

✕ 適切ではありません

薬剤師は薬の専門職です。飲み込みにくい人への剤形の工夫などには関わりますが、嚥下の訓練は担いません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

士が担うのは、食事の動作(食器や自助具の使い方など)を含む応用的な動作の訓練です。飲み込む機能そのものの訓練を専門とするのは言語聴覚士です。

選択肢5(正答)

○ 適切です

言語聴覚士は、ことばや聞こえとならんで、摂食嚥下の評価・訓練を専門とする職種です。嚥下訓練の状況と誤嚥を防ぐ方法について意見を求める相手として、最も適切です。

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問題 90

事例を読んで、地域包括支援センターのA社会福祉士が、Bさんとともに利用を検討するサービスのうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

一人暮らしのBさん(80歳)は、心身の不調を感じたため要介護認定を申請した。その結果は要介護及び要支援ともに非該当であったが「基本チェックリスト」により運動機能の低下と閉じこもりの傾向にあることが示され、介護予防・生活支援サービス事業対象者に該当した。BさんはAと相談した結果「自宅の中だけで過ごすことが多いため、運動や気分転換のために外出の機会をもつ必要があると思う。そうして人と関わる機会が増えれば、今後の生活に向けた意欲も増すかも知れない」と考えるに至った。

  1. 1第1号通所事業(通所型サービス)
  2. 2地域密着型通所介護
  3. 3介護予防通所リハビリテーション
  4. 4小規模多機能型居宅介護
  5. 5居宅介護支援
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正答1

(総合事業)の対象者とサービスを問う事例問題です。

認定の結果ごとに、使えるサービスを整理します。
・要介護1〜5…。居宅介護支援、地域密着型通所介護、小規模多機能型居宅介護はここ
1・2…予防給付(介護予防通所など)と総合事業
・非該当でも、で該当すれば「」として、総合事業の介護予防・生活支援サービス事業を使える

答えを決めるのは、Bさんが「要介護及び要支援ともに非該当」でありながら、基本チェックリストで介護予防・生活支援サービス事業対象者に該当したという部分です。この設問で挙げられたサービスのうち、Bさんの認定状況と希望に合うのは総合事業ので、選択肢の中では第1号通所事業(通所型サービス)がそれに当たります。運動と外出の機会、人との関わりというBさんの希望にも、通所型サービスの中身がそのまま合っています。

管理人の視点: 「非該当だったので、もう何も使えないと思っていました」という相談は本当に多いです。非該当は行き止まりではなく、基本チェックリストを通れば通いの場につながる道が残っています。閉じこもり気味だった方が週1回の体操教室に通い始めて、歩き方も表情も変わっていくのを何人も見てきました。認定結果が出る前や非該当のときに何を案内できるか。ここはの腕の見せどころです。

選択肢1(正答)

○ 適切です

第1号通所事業(通所型サービス)は総合事業の1つで、に加えて、基本チェックリストで該当した事業対象者が利用できます。運動機能の向上や閉じこもりの予防を目的とした通いの場で、Bさんの希望に合っています。

選択肢2

✕ 適切ではありません

地域密着型通所介護は、要介護の認定を受けた人が利用する地域密着型サービスです。非該当のBさんは利用できません。

選択肢3

✕ 適切ではありません

介護予防通所リハビリテーションは、要支援1・2の人が予防給付として利用するサービスです。非該当のBさんは対象になりません。

選択肢4

✕ 適切ではありません

小規模多機能型居宅介護は、通い・訪問・泊まりを組み合わせる地域密着型サービスで、要介護の認定を受けた人が対象です。要支援者向けには介護予防小規模多機能型居宅介護が別にあります。

選択肢5

✕ 適切ではありません

居宅介護支援は、要介護者への(ケアプランの作成など)です。事業対象者であるBさんの場合は、によるを受けることになります。

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出典

用語の説明

第1号被保険者だいいちごうひほけんしゃ

第1号被保険者の意味は制度によって異なります。介護保険では、市町村の区域内に住む65歳以上の人です。国民年金では、日本国内に住む20歳以上60歳未満の人で、第2号・第3号被保険者に当たらない自営業者や学生などを指します。どの制度の説明かを確かめて読み分けます。

用語の説明

要介護認定ようかいごにんてい

介護保険のサービスを利用するために、どのくらい介護を必要とするかを市町村が調査・審査して判定する仕組み。軽い順に要支援1・2、要介護1〜5の7段階に分かれます。

用語の説明

基本チェックリスト

運動・栄養・口腔・閉じこもり・認知機能・うつなど、生活機能の低下を調べる25項目の質問票。市町村の窓口などで使われ、該当すると、要介護認定を受けていなくても「事業対象者」として総合事業のサービスを利用できます。

用語の説明

事業対象者じぎょうたいしょうしゃ

基本チェックリストで生活機能の低下がみられ、介護予防・生活支援サービス事業(総合事業の第1号事業)を利用できると判断された65歳以上の人。要介護認定を受けなくてもサービスにつながれる仕組みです。

用語の説明

介護予防・日常生活支援総合事業

市町村が地域の実情に応じて行う地域支援事業の一つ(略して総合事業)。要支援者・事業対象者が利用する「介護予防・生活支援サービス事業(第1号事業)」(訪問型サービス・通所型サービス・その他の生活支援サービス・介護予防ケアマネジメント)と、65歳以上の人を広く対象とする「一般介護予防事業」からなります。

用語の説明

努力義務どりょくぎむ

法律で「〜するよう努めなければならない」「〜努めるものとする」と定められた義務。従わなくても罰則はありませんが、実現に向けて努力することが求められます。「〜しなければならない」と書かれる通常の義務との違いが、試験でよく問われます。

用語の説明

地域包括支援センターちいきほうかつしえんセンター

高齢者の暮らしを地域で支える相談拠点です。原則として保健師等・社会福祉士等・主任介護支援専門員等が連携し、総合相談、権利擁護、介護予防ケアマネジメントなどを行います。市町村が責任を持ち、直営のほか、委託を受けた法人等が届け出て設置・運営する形もあります。

用語の説明

介護保険法かいごほけんほう

加齢に伴って介護が必要になった人を、社会全体で支えるための法律。市町村を保険者とし、要介護認定、居宅・施設のサービス、地域支援事業などを定めています。

用語の説明

障害者虐待防止法しょうがいしゃぎゃくたいぼうしほう

障害のある人への虐待を防ぐ法律。養護者・施設従事者等・使用者による虐待を対象とし、気づいた人の通報義務と、市町村などが受けて対応する流れを定めています。

用語の説明

老人福祉法ろうじんふくしほう

高齢者の福祉を図る法律。老人福祉施設のほか、やむを得ない事由でサービスの契約ができないときに市町村が職権で行う「措置」の根拠を置いています。介護保険法ができた後も、この措置の仕組みは残っています。

用語の説明

理念法りねんほう

めざす方向や基本の考え方を示すことが中心で、具体的なサービスや罰則までは定めない法律のこと。障害者基本法やヘイトスピーチ解消法がこれにあたります。

用語の説明

社会保険しゃかいほけん

病気・けが・老齢・失業・介護・労働災害などに備え、法律に基づく加入と保険料の負担を基本として給付する公的な仕組みです。医療、年金、介護、雇用、労災の各保険があります。公費も財源に含まれ、労災の事業主負担や年金の第3号被保険者など、本人が個別に保険料を納めない場合もあります。

用語の説明

医療保険いりょうほけん

病気やけがの医療費を保険で分かち合う仕組みです。日本の公的医療保険には、健康保険・共済組合などの被用者保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度があります。常勤の公務員の医療保障は共済組合の短期給付であり、年金の厚生年金への一元化と区別します。

用語の説明

健康保険けんこうほけん

会社などに雇われて働く人とその家族が入る医療保険。保険料は事業主と本人が分け合って負担し、治療のほか傷病手当金や出産に関する給付もあります。

用語の説明

国民健康保険こくみんけんこうほけん

自営業の人、退職した人など、勤め先の健康保険に入らない人が加入する医療保険。市町村と都道府県が運営するものと、同業者でつくる国民健康保険組合があります。

用語の説明

保険者ほけんしゃ

保険を運営し、保険料を集めて給付を行う主体のこと。介護保険では市町村、健康保険では健康保険組合や全国健康保険協会がこれにあたります。保険に加入している側の「被保険者」と取り違えないよう注意します。

用語の説明

第2号被保険者だいにごうひほけんしゃ

介護保険では、市町村の区域内に住む40歳以上65歳未満の医療保険加入者。加齢に伴う特定の病気(特定疾病)が原因のときに限ってサービスを使えます。なお公的年金にも同じ呼び名がありますが、そちらは会社員・公務員などを指し、意味が違います。

用語の説明

雇用保険こようほけん

働く人が失業したときの生活を支え、再就職を促す保険。求職者給付のほか、育児休業や介護休業に関する給付、教育訓練給付などがあります。

用語の説明

自己負担じこふたん

サービスを使ったときに、利用者本人が支払う分のこと。負担が重くなりすぎないよう、所得に応じた上限を設ける仕組みが多くの制度に置かれています。

用語の説明

社会福祉士しゃかいふくしし

福祉の相談援助を担う国家資格。名称独占の資格で、福祉サービスを必要とする人の相談に応じ、助言・指導や関係者との連絡調整を行います。秘密保持義務や連携の義務が法律に定められています。

用語の説明

介護福祉士かいごふくしし

介護を担う国家資格。心身の状況に応じた介護を行い、本人や介護者への指導も行います。一定の研修を受けるなどの条件のもとで、喀痰吸引等の医療的ケアを行うことができます。

用語の説明

理学療法士りがくりょうほうし

座る・立つ・歩くといった基本的な動作の回復や維持を、運動療法や物理療法で支える国家資格。

用語の説明

作業療法士さぎょうりょうほうし

食事や着替え、家事、仕事といった日常の作業を通じて、心身の機能と生活行為の回復を支える国家資格。精神障害の分野でも活動します。

用語の説明

言語聴覚士げんごちょうかくし

ことばによるやりとりや聞こえ、飲み込み(嚥下)に困難がある人を支える国家資格。検査・訓練・助言などを行います。

用語の説明

地方公共団体ちほうこうきょうだんたい

都道府県や市町村などの地方の行政組織のこと。法律の条文では「国及び地方公共団体」という形で、責務の主体として書かれることが多い言葉です。

用語の説明

ケアマネジメントケアマネジメント

必要な支援を見立て、複数のサービスを組み合わせて計画にまとめ、実施と見直しまでを一連の流れとして管理する方法。相談・アセスメント・計画・実施・モニタリングという循環で説明されます。

用語の説明

介護予防ケアマネジメントかいごよぼうケアマネジメント

要支援の人や事業対象者に対して、生活機能の維持・向上をねらって行うケアマネジメント。地域包括支援センターが中心となって担います。

用語の説明

リハビリテーションリハビリテーション

心身の機能の回復にとどまらず、その人らしい生活と社会参加を取り戻すことまでを指す言葉。医学・教育・職業・社会の各分野にわたります。

用語の説明

養護者ようごしゃ

家庭などで高齢者や障害のある人を現に世話している家族などのこと。虐待防止の法律では、施設の職員(施設従事者等)と分けて扱われます。

用語の説明

介護給付かいごきゅうふ

障害者総合支援法では、居宅介護や生活介護、施設入所支援など、介護の必要度に応じて使うサービスの区分。介護保険法でも要介護の人向けの給付を指す言葉として使われるので、どちらの制度の話かを見分けます。

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事業者じぎょうしゃ

商業その他の事業を行う個人・法人・団体等を指す言葉です。福祉サービスの提供者だけでなく、店舗や宿泊施設なども含み、営利・非営利を問いません。法律によって具体的な対象範囲を確認します。指定を受けて行う障害福祉サービスなどには、人員・設備・運営の基準が定められています。

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要支援ようしえん

介護保険で、日常生活に見守りや部分的な手助けが必要で、介護予防の取組によって改善が見込まれると判定された状態。要介護とは使えるサービスの範囲が異なります。

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被保険者ひほけんしゃ

保険に加入し、要件を満たすと給付を受けられる人のこと。保険料の負担や納め方は制度や加入区分によって異なります。保険を運営する側の「保険者」と読み違えやすいので、どちらの立場の話かを意識して読みます。

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認知症にんちしょう

脳の病気や障害によって記憶や判断などの認知機能が低下し、日常生活に支障が出ている状態のこと。年齢相応の物忘れとは違い、背景に原因となる病気がある点が区別のかぎです。アルツハイマー型、血管性、レビー小体型、前頭側頭型といった原因ごとの特徴の違いが繰り返し問われます。

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特別養護老人ホームとくべつようごろうじんほーむ

老人福祉法に基づく施設で、常に介護が必要で自宅での生活が難しい高齢者が入所して生活する場のこと。介護保険法では介護老人福祉施設と呼ばれ、原則として要介護3以上の人が対象です。在宅復帰に向けたリハビリテーションを役割とする介護老人保健施設とは目的が異なる点を押さえましょう。

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特別区とくべつく

地方自治法に定められた特別地方公共団体で、現在は東京都の23区を指す言葉。福祉の分野では市町村とほぼ同じ役割を担い、介護保険の保険者にもなります。保険者を「市町村」とだけ覚えていると、「市町村及び特別区」という正しい記述を誤りと判断してしまうので注意しましょう。

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審査請求しんさせいきゅう

行政の処分に納得できない人が、行政機関に対してその見直しを求める不服申立てのこと。介護保険では、要介護認定など保険者の処分に対する審査請求を、都道府県に置かれる介護保険審査会が受け付けます。裁判所に訴える行政訴訟とは別の手続きであり、国民の側から行う行為である点も問われます。

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作業療法さぎょうりょうほう

手芸や工作、家事などの作業を通じて、食事や入浴、調理といった応用的な動作の能力や社会に適応する力の回復を図る治療のこと。担うのは作業療法士(OT)です。立つ、歩くなどの基本的な動作を主に扱う理学療法とも連携します。飲み込みを含む食事の支援には、言語聴覚士など多職種とともに関わります。

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高齢化率こうれいかりつ

総人口に占める65歳以上の人口の割合のこと。高齢化の進み具合を示す代表的な指標で、日本では上昇が続いています。都道府県別に見ると差が大きく、最も高いのは秋田県、最も低いのは東京都という両端の組み合わせが、統計問題でそのまま問われます。

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広域連合こういきれんごう

複数の市町村や都道府県が、広い区域にわたる事務を共同で処理するために設ける特別地方公共団体のこと。介護保険では、単独での運営が難しい小規模な市町村が広域連合をつくって保険者になることが認められています。後期高齢者医療制度の運営主体も、都道府県単位の広域連合です。

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通所型サービスつうしょがたさーびす

介護予防・日常生活支援総合事業に位置づけられた第1号通所事業のことで、日帰りで通い、運動機能の向上や閉じこもりの予防などを目的に行われるサービス。要支援者に加えて、基本チェックリストで該当した事業対象者も利用できます。要介護の人が使う通所介護とは根拠となる仕組みが違います。

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要支援者ようしえんしゃ

介護保険で要支援1または要支援2の認定を受けた人のこと。介護予防を目的とした予防給付と、市町村が行う総合事業のサービスを利用できます。要介護者が居宅介護支援を受けるのに対し、要支援者の計画づくりは地域包括支援センターが中心となって行う点が問われます。

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老人保健法ろうじんほけんほう

1982年に制定され、老人医療費の一部負担や市町村による保健事業を定めた法律です。1986年には老人保健施設の創設に関わる改正、1990年の福祉関係八法改正では老人保健計画の規定が設けられました。デイサービス・ショートステイの法定化は1986年の老人福祉法改正と区別します。2008年には高齢者の医療の確保に関する法律へ改められました。

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福祉関係八法改正ふくしかんけいはっぽうかいせい

1990年に老人福祉法・身体障害者福祉法・老人保健法など8つの法律を改正したものです。在宅福祉サービスの推進、施設入所等に関する権限の町村への移譲、都道府県・市町村の老人保健福祉計画の策定義務化などが柱です。デイサービス・ショートステイの法定化そのものは1986年の老人福祉法改正であり、1990年の改正と区別します。

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ショートステイしょーとすてい

介護をしている家族が休養したり急な用事ができたりしたときなどに、高齢者が短期間だけ施設に泊まって介護や機能訓練を受けるサービスのこと。介護保険では短期入所生活介護、短期入所療養介護として位置づけられています。在宅生活を続けるための支えという性格を押さえましょう。

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老人保健福祉計画ろうじんほけんふくしけいかく

市町村と都道府県が、高齢者の福祉サービスと保健事業の目標や見込み量を定める計画のこと。福祉関係八法改正によって策定が義務づけられました。現在は、老人福祉法に基づく老人福祉計画が介護保険事業計画と一体のものとして作られており、計画の名前と根拠法の組み合わせを入れ替える出題に注意が必要です。

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高齢者虐待防止法こうれいしゃぎゃくたいぼうしほう

高齢者虐待の防止と養護者への支援等を定める法律です。虐待の主体は養護者と養介護施設従事者等で、使用者を別の主体として定める障害者虐待防止法と区別します。生命・身体に重大な危険がある場合は発見者に通報義務があり、施設職員が勤務先で職員による虐待を発見した場合は重大な危険の有無にかかわらず義務があります。その他には通報の努力義務が定められます。

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養介護施設従事者等ようかいごしせつじゅうじしゃとう

高齢者虐待防止法で、虐待をする側の一方として定められた人たちのこと。老人福祉法や介護保険法に基づく施設や事業所で働く人を指し、介護職だけでなく施設の管理者なども含まれます。家庭で高齢者の世話をする養護者と対になる言葉で、職場の雇い主を意味する使用者とは別物です。

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認知症基本法にんちしょうきほんほう

認知症の人が尊厳を保ちながら暮らせる共生社会の実現に向けて、基本理念と国や地方公共団体などの責務を定めた法律のこと。国民については、認知症への正しい知識と理解を深めるという努力義務の形で書かれています。処罰や個別の給付を定める法律ではない点に注意しましょう。

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介護休業かいごきゅうぎょう

育児・介護休業法に基づき、要介護状態の家族を介護するために労働者が取得できる休業のこと。対象家族1人あたりの上限日数と、分割して取れる回数が同法に定められています(具体的な日数は改正されることがあるため、最新の条文で確かめてください)。自分の手で介護をするためというより、介護の体制を整えるための期間と位置づけられています。

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要介護状態ようかいごじょうたい

介護を必要とする状態のことで、介護保険法と育児・介護休業法とで意味が異なる用語。介護休業でいう要介護状態は、負傷や病気、障害により2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態を指し、介護保険の要介護認定を受けている必要はありません。事例問題では、この違いが答えを分けます。

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介護休業給付金かいごきゅうぎょうきゅうふきん

介護休業を取得した雇用保険の被保険者に対して、休業中の所得を補うために支給される給付のこと。支給するのは雇用保険であり、医療保険や介護保険からの給付ではない点が繰り返し問われます。休む権利を定める育児・介護休業法と、お金を出す雇用保険法という役割分担で整理しましょう。

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ケアマネジャーけあまねじゃー

介護支援専門員の通称で、要介護者などの相談に応じ、ケアプランをつくり、サービス事業者との連絡調整を行う専門職のこと。都道府県が行う試験と研修を経て登録される資格です。要介護の人の居宅介護支援を担い、要支援の人の計画づくりは地域包括支援センターが中心になります。

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嚥下機能えんげきのう

食べ物や飲み物などを口から咽頭・食道を経て胃へ送る働きです。低下すると誤嚥や栄養・水分摂取の問題が生じることがあります。言語聴覚士は摂食嚥下の評価・訓練を専門領域とし、医師・歯科医師、看護師、介護職、管理栄養士なども協働します。看護師が嚥下訓練に関われないという意味ではありません。

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介護保険かいごほけん

加齢に伴う病気などで介護が必要になったときに、介護サービスを利用できる社会保険制度のこと。保険者は市町村と特別区で、第1号被保険者は65歳以上、第2号被保険者は40歳以上65歳未満の医療保険加入者です。介護を家族だけで抱えず社会全体で支える仕組みとして始まりました。

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社会保障しゃかいほしょう

病気、老齢、失業、貧困などで生活が不安定になったときに、国や社会が給付やサービスで暮らしを支える仕組みの総称。試験では、生活安定・向上機能、所得再分配機能、経済安定機能という3つの機能の区別が問われます。保険料を出し合う社会保険と、税を財源とする社会扶助に大きく分かれます。

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高齢者虐待こうれいしゃぎゃくたい

高齢者に対する身体的虐待、介護や世話の放棄、心理的虐待、性的虐待、経済的虐待のこと。高齢者虐待防止法が行為者として定めているのは、現に世話をしている養護者と養介護施設従事者等の2つです。職場の使用者による虐待も対象に含む障害者虐待防止法との違いが問われます。

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診療報酬しんりょうほうしゅう

保険診療を行った医療機関や薬局に対して、医療保険から支払われる報酬のこと。改定は原則2年ごとで、原則3年ごとの介護報酬と同じ年度に重なることがあります。入退院支援に関する評価など、社会福祉士の配置や関与が施設基準等で評価される項目もあります。混合診療は原則として禁止されています。

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介護報酬かいごほうしゅう

介護保険サービスを提供した事業者に支払われる対価です。原則3年ごとに改定され、市町村から委託を受けた国民健康保険団体連合会(国保連)が保険給付費の審査・支払いを行います。国保連は国保等の医療の診療報酬の審査・支払いも扱うため、「医療はすべて支払基金、介護だけ国保連」とは区分しません。

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社会保険診療報酬支払基金しゃかいほけんしんりょうほうしゅうしはらいききん

健康保険等の保険者から委託を受け、医療機関等の診療報酬の審査・支払いを行う機関です。医療の審査・支払いには国保連も関わります。介護保険では医療保険者から介護給付費・地域支援事業支援納付金を集め、市町村側へ交付する役割があり、介護報酬を直接審査・支払いする国保連と区別します。

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使用者しようしゃ

障害者虐待防止法で、障害者を雇用する事業主や事業の経営担当者など、労働者に関する事項について事業主のために行為をする人のこと。同法は虐待を養護者、障害者福祉施設従事者等、使用者の3つに分けて捉えます。高齢者虐待防止法には使用者による虐待という類型がない点が違いです。

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社会保障審議会しゃかいほしょうしんぎかい

厚生労働大臣の求めに応じて、社会保障や人口問題について調査・審議する審議会のこと。介護保険や年金などの制度見直しは、この下に置かれた部会での議論を経て進みます。制度を決める場そのものではなく、意見をまとめる場である点に注意します。