第37回(令和7年2月実施) 高齢者福祉
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問題文は「第37回社会福祉士国家試験 試験問題」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)より、出題当時の文言のまま掲載しています。正答は同センター公表の「合格基準及び正答」に基づきます。解説は管理人(ばっふぁ)が独自に作成したものです。
問題 85
「令和6年版高齢社会白書」(内閣府)に示された日本の高齢者を取り巻く社会情勢に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 165歳以上人口増大により、死亡数は2006年(平成18年)から2022年(令和4年)まで増加傾向にあるが、2030年(令和12年)以降は減少に転じると見込まれている。
- 265歳以上人口に占める一人暮らしの者の割合は増加傾向にあり、その傾向は、少なくとも2050年(令和32年)までは継続すると見込まれている。
- 32023年(令和5年)現在の高齢化率を都道府県別にみると、最も高いのは島根県であり、最も低いのは埼玉県である。
- 4介護保険制度における要介護認定・要支援認定を受けた者は、2021年度(令和3年度)には第一号被保険者の3割を超えている。
- 565歳以上の者について、2023年度(令和5年度)における住宅所有の状況をみると、持家(一戸建て・分譲マンションなどの集合住宅)が5割程度となっている。
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正答2
「令和6年版高齢社会白書」から、高齢者を取り巻く社会の現状を問う問題です。統計の問題は、細かい数値の暗記より「増えているのか減っているのか」「どこが1位か」を押さえているかで決まります。
押さえる流れは次のとおりです。
・65歳以上の一人暮らしは男女とも増え続けており、今後も増加が見込まれる
・死亡数も増え続ける見込みで、多死社会はこれからが本番
・が最も高いのは秋田県、最も低いのは東京都
・要介護・の認定を受けたは2割弱
・高齢者の住まいは持家が8割程度
正答は選択肢2です。未婚率の上昇や家族の形の変化を背景に、一人暮らしの高齢者は2050年に向けてなお増え続けると推計されています。
管理人の視点: この統計は、施設の入所相談の顔ぶれとそのまま重なります。以前は家族が付き添って来る相談がほとんどでしたが、いまは一人暮らしで頼れる親族がいない方の相談が珍しくありません。身元保証のこと、亡くなった後のことまで一緒に考える場面が増えました。「一人暮らし高齢者の増加」という一行は、現場ではこういう形で現れています。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
死亡数は今後も増加傾向が続くと見込まれています。ピークは2040年頃とされており、2030年以降に減少へ転じるという見通しではありません。
- 選択肢2(正答)
○ 適切です
65歳以上人口に占める一人暮らしの人の割合は男女とも増加傾向にあり、2050年まで増え続けると推計されています。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
都道府県別の高齢化率は、最も高いのが秋田県、最も低いのが東京都です。島根県は上位ですが最高ではなく、埼玉県も低いほうですが最低ではありません。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
要介護・要支援の認定を受けた第1号の割合は2割弱です。3割は超えていません。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
65歳以上の人の住まいは、持家(一戸建て・分譲マンションなどの集合住宅)が8割程度を占めています。5割程度ではありません。
問題 86
日本の高齢者福祉制度の発展過程に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 11963年(昭和38年)の老人福祉法の制定によって、デイサービスやショートステイを含む在宅福祉サービスが法定化された。
- 21982年(昭和57年)の老人保健法の制定によって、市町村及び都道府県における老人保健福祉計画の策定義務が法定化された。
- 31997年(平成9年)の介護保険法の制定によって、介護保険の保険者は市町村及び特別区であることが法定化され、併せて広域連合や一部事務組合も保険者になることができるようになった。
- 42005年(平成17年)の「高齢者虐待防止法」の制定によって、使用者(高齢者を雇用する事業主)による虐待が高齢者虐待の定義の一つとして、法定化された。
- 52023年(令和5年)の「認知症基本法」の制定によって、国民に対して、認知症の人を不当に差別する行為を禁止することが法定化された。
(注)
- 1「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。
- 2「認知症基本法」とは、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」のことである。
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正答3
高齢者福祉の法制度が積み上がってきた順番を問う問題です。年号と中身の組み合わせを入れ替えて出してくるので、次の流れで覚えます。
・1963年 …などを制度化。在宅は老人家庭奉仕員(ホームヘルパー)の規定まで
・1982年 …老人医療費の一部負担の導入など
・1986年 老人福祉法改正…デイサービス・の法定化
・1990年 …在宅サービスの推進、市町村への権限一元化、の策定義務化
・1997年 の制定(2000年施行)
・2005年 …虐待の主体はと
・2023年 …共生社会の実現のための
正答は選択肢3です。のは市町村及びで、規模の小さい市町村が単独で運営するのは難しいため、や一部事務組合による共同運営も認められています。
選択肢1は1963年の制定時と1986年以降の在宅サービスの整備を混同しています。選択肢2の老人保健福祉計画の策定義務化は1990年の改正です。事業の開始、法定化、市町村への一元化を分けて整理します。
管理人の視点: 保険者の仕組みは、利用者の介護保険証で実感できます。保険者名の欄が市町村名ではなく広域連合の名前になっている方がときどきいて、これがまさに選択肢3の形です。制度史は年号の暗記になりがちですが、いま現場で手にする書類のどこにその痕跡が残っているかを探すと、急に覚えやすくなります。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
1963年制定時の老人福祉法には老人家庭奉仕員の派遣等が規定されたが、デイサービス・ショートステイはまだ法定化されていなかった。両事業は1986年の改正で法定化され、1990年の福祉八法改正では在宅サービスの推進や市町村への権限一元化が進められた。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
正しくありません。1982年の老人保健法は、老人医療費の一部負担の導入や保健事業を定めたものです。老人保健福祉計画の策定義務化は、1990年(平成2年)の福祉関係八法改正によるものです。
- 選択肢3(正答)
○ 適切です
正しいです(正答)。介護保険の保険者は市町村及び特別区です。あわせて、複数の市町村が広域連合や一部事務組合をつくり、共同で保険者となることも認められています。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
正しくありません。防止法が定める虐待の主体は「養護者」と「養介護施設従事者等」の2つです。による虐待が定義に入っているのは、2011年(平成23年)制定ののほうです。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
正しくありません。基本法は、基本理念や国・の責務などを定めた法律です。国民については、認知症への正しい知識と理解を深めるよう努めるというの形で、差別行為を禁止する規定が置かれたわけではありません。
問題 87
介護保険制度の介護報酬などに関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
- 1介護サービス事業者は、自己負担分を除いた介護報酬を国民健康保険団体連合会に請求する。
- 2介護報酬の額の基準を厚生労働大臣が定めるときには、あらかじめ介護保険審査会の意見を聴かなければならない。
- 3介護サービス事業者からの介護報酬の請求などに関する審査の事務は、社会保険診療報酬支払基金が行う。
- 4介護保険施設入所者のうち、低所得者など一定の条件に該当する者を対象として、入所中の食費と居住費の負担軽減を図るための補足給付が設定されている。
- 5介護報酬の1単位当たりの単価は、介護サービス事業所の所在する地域やサービス種別にかかわらず、全国一律に定められている。
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正答1・4
の請求・支払いの流れと、それを取り巻く仕組みを問う問題です。まず、お金の流れを1本の線で押さえます。
・利用者は分(原則1割、所得により2割・3割)をに払う
・事業者は残りの介護報酬を団体連合会(国保連)に請求する
・国保連は(市町村)から委託を受けて、審査と支払いを行う
次に、名前の似た機関を仕分けます。
・国保連…介護報酬の審査・支払い
・…では、の保険料を者から集めて市町村側に渡す役割
・…厚生労働大臣が介護報酬の基準を定めるときに意見を聴く相手
・介護保険審査会…などへの不服申立ての窓口。都道府県に置かれる
もう1つの正答は補足給付です。施設の食費・居住費は原則自己負担ですが、低所得の入所者には負担限度額が設けられ、超える分が特定入所者介護サービス費として給付されます。
管理人の視点: 補足給付は、の入所相談で毎回説明する制度です。負担限度額認定の段階によって、同じ部屋・同じ食事でも月々の支払いが数万円変わります。しかも申請しないと始まらず、預貯金額も要件に入ります。「年金が少ないから施設は無理」とあきらめかけている家族に、まずこの制度を案内するのが相談員の仕事の入口だと思っています。
- 選択肢1(正答)
○ 適切です
事業者は、利用者から受け取る自己負担分(原則1割)を除いた介護報酬を国民団体連合会に請求します。国保連は保険者である市町村から委託を受けて、審査と支払いを行っています。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
介護報酬の額の基準を定めるときに厚生労働大臣が意見を聴くのは、審議会です。介護保険審査会は、要介護認定など保険者の処分への不服申立て()を受ける機関で、都道府県に置かれます。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
介護報酬の請求に関する審査の事務は、国民健康保険団体連合会が行います。支払基金が介護保険で担うのは、第2号の保険料を医療保険者から集めて市町村側に交付する仕事です。
- 選択肢4(正答)
○ 適切です
特定入所者介護サービス費、いわゆる補足給付の説明です。施設の食費・居住費は原則自己負担ですが、低所得の入所者には負担限度額が設けられ、基準費用額との差額が保険から給付されます。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
1単位は10円が基本ですが、人件費の地域差を反映した地域区分と、サービス種別ごとの人件費割合によって単価は変わります。全国一律ではありません。
問題 88
A社員(社会福祉士)は、B社の総務部門に在籍し、企業内での相談支援を担当している。事例を読んで、AによるCさんへの介護休業制度に関する助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Cさん(52歳、無期雇用の正社員、入社後1年4か月)は母親(84歳)との二人暮らしである。この母親は、20日前にインフルエンザにかかり5日間入院した後、現在も自宅療養中であるが、退院後は歩行もできず、排せつや食事摂取に常時の介助が必要となった。要介護認定はまだ受けていない。Cさんは10日前から時間単位で年次有給休暇を取得して母親を介護しているが「仕事を辞めるわけにはいかず、母親の今後の介護はどうすべきか」と悩み、直属の上司からAへの相談を勧められた。なお、Cさんは母親以外に介護が必要な家族・親族はいない。
- 1現時点でのCさんの母親の状態は、介護休業制度の対象に該当する可能性があると助言した。
- 2介護休業を取得するためには、あと2か月の勤務期間が必要と助言した。
- 3介護休業を取得する場合、医療保険制度の介護休業給付が受給可能と助言した。
- 4介護休暇の取得は、年度あたり14日間が可能なことを助言した。
- 5現在の状況では、所定労働時間の短縮の措置を受けることは難しいと助言した。
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正答1
※ 法改正等による補足
2025年(令和7年)4月施行の改正育児・法で、介護離職を防ぐための仕組みが強化されました。介護に直面したことを申し出た労働者への制度の個別周知と意向確認、40歳前後の従業員への早めの情報提供、研修や相談窓口の整備が事業主の義務になり、介護のためのテレワークの導入がになりました。介護休暇についても、勤続6か月未満の労働者を労使協定で除外できる仕組みが廃止されています。この問題の正答(介護休業の対象となる状態の考え方)に変わりはありません。
育児・介護休業法の介護休業制度を、事例に当てはめて使えるかを問う問題です。
いちばんの急所は、介護休業でいう「」はのとは別物だという点です。負傷・疾病・障害により2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態であればよく、認定を受けている必要はありません。
事例の「退院後は歩行もできず、排せつや食事摂取に常時の介助が必要となった」が、答えを決める一文です。要介護認定はまだでも、介護休業の対象に該当する可能性がある。これが選択肢1です。
数字もまとめて押さえます。
・介護休業…対象家族1人につき通算93日まで。3回まで分けて取れる
・…から、休業開始時の賃金の67%
・介護休暇…対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日。時間単位でも取れる
・無期雇用の労働者に勤続期間の要件はない(労使協定で除外できるのは入社1年未満の人など)
管理人の視点: 家族の介護は、入院をきっかけにある日突然始まります。相談を受けるとき私が必ず伝えるのは、介護休業は「93日間自分で介護をするための休み」ではなく「働きながら介護を続けられる体制をつくるための休み」だということです。要介護認定の申請、との調整、サービスの手配に充てる。Cさんの「仕事を辞めるわけにはいかず」という思いに応える使い方は、そちらです。
- 選択肢1(正答)
○ 適切です
介護休業の対象となる「要介護状態」は、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態をいい、介護保険の要介護認定を受けている必要はありません。歩行ができず、排せつや食事に常時の介助が必要な母親の状態は、これに該当する可能性があります。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
Cさんのような無期雇用の労働者に、勤続期間の要件はありません。労使協定で対象外にできるのは入社1年未満の場合などですが、Cさんは入社1年4か月なので、これにも当たりません。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
介護休業給付金は、ではなく雇用保険制度の給付です。休業開始時の賃金の67%が支給されます。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
介護休暇は対象家族1人につき年5日(2人以上なら年10日)で、時間単位でも取得できます。年14日ではありません。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
事業主には、介護のための所定労働時間の短縮などの措置(短時間勤務、フレックスタイム、時差出勤など)を講じる義務があり、Cさんも利用できます。
問題 89
事例を読んで、A介護老人保健施設の支援相談員であるB職員(社会福祉士)が、通所介護事業所のC生活相談員から受けた情報提供の依頼に回答するにあたり、A施設に勤務する他の職員に専門的な意見を求める際、最も適切な職種を1つ選びなさい。
〔事 例〕
入所後2か月が経過したDさん(81歳、要介護2)は「介護サービスを利用しながら家族と自宅で暮らしたい」と希望しており、施設内で家庭復帰支援に向けたサービス担当者会議が開かれた。Dさんは脳梗塞後遺症で左片麻痺があるが、屋内での日常生活動作は補助具などを使っておおむね自立している。しかし、球麻痺によって食事や飲水の際にむせ込むことがある。Bは、数日前にDさんが退所後に利用を希望している通所介護のCに連絡をとった際「Dさんの嚥下に関する訓練の状況や誤嚥を防ぐ適切な方法を知りたい」と情報提供の依頼を受けており、その情報をこのサービス担当者会議の場で取得しようと考えた。
- 1看護師
- 2介護福祉士
- 3薬剤師
- 4作業療法士
- 5言語聴覚士
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正答5
多職種連携の中で、どの専門職に何を聞くべきかを問う事例問題です。介護老人保健施設は在宅復帰を目指す施設で、の専門職が配置されています。
まず、リハビリ3職種の分担を押さえます。
・(PT)…起きる・立つ・歩くといった基本動作の訓練
・(OT)…食事・入浴・家事など応用的な動作の訓練
・(ST)…ことばと聞こえ、そして飲み込み(摂食嚥下)の訓練
答えを決めるのは、依頼内容の「嚥下に関する訓練の状況や誤嚥を防ぐ適切な方法を知りたい」という一文です。嚥下の評価と訓練を専門とするのは言語聴覚士です。名前から「ことばの専門職」とだけ思われがちですが、摂食嚥下は言語聴覚士の中心的な仕事の1つです。看護師やも食事の場面に深く関わるものの、訓練の状況と誤嚥予防の専門的な方法を聞く相手としては、言語聴覚士が最も適切です。
管理人の視点: とろみの濃さ、食事の形態、いすと姿勢、ひと口の量。誤嚥を防ぐ手立てはこの組み合わせで決まり、その設計図を描くのが言語聴覚士です。現場では「むせたから、とろみを濃く」とやりがちですが、濃すぎるとろみがかえって危ないこともあります。には言語聴覚士がいない施設も多く、私の職場でも外部の評価に頼っています。だからこそ、この事例のように施設の垣根を越えて情報をつなぐ相談員の役割が重くなります。
- 選択肢1
✕ 適切ではありません
看護師も摂食嚥下のケアや訓練に関わり、その分野の認定看護師もいる。本問は嚥下訓練の状況と誤嚥予防の専門的な方法について意見を求める場面であり、選択肢の中では摂食嚥下の評価・訓練を専門領域とする言語聴覚士が最も適切である。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
介護福祉士は日々の食事介助を担い、むせ込みの様子をよく知る立場ですが、の評価や訓練の専門職ではありません。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
薬剤師は薬の専門職です。飲み込みにくい人への剤形の工夫などには関わりますが、嚥下の訓練は担いません。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
士が担うのは、食事の動作(食器や自助具の使い方など)を含む応用的な動作の訓練です。飲み込む機能そのものの訓練を専門とするのは言語聴覚士です。
- 選択肢5(正答)
○ 適切です
言語聴覚士は、ことばや聞こえとならんで、摂食嚥下の評価・訓練を専門とする職種です。嚥下訓練の状況と誤嚥を防ぐ方法について意見を求める相手として、最も適切です。
問題 90
事例を読んで、地域包括支援センターのA社会福祉士が、Bさんとともに利用を検討するサービスのうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
一人暮らしのBさん(80歳)は、心身の不調を感じたため要介護認定を申請した。その結果は要介護及び要支援ともに非該当であったが「基本チェックリスト」により運動機能の低下と閉じこもりの傾向にあることが示され、介護予防・生活支援サービス事業対象者に該当した。BさんはAと相談した結果「自宅の中だけで過ごすことが多いため、運動や気分転換のために外出の機会をもつ必要があると思う。そうして人と関わる機会が増えれば、今後の生活に向けた意欲も増すかも知れない」と考えるに至った。
- 1第1号通所事業(通所型サービス)
- 2地域密着型通所介護
- 3介護予防通所リハビリテーション
- 4小規模多機能型居宅介護
- 5居宅介護支援
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正答1
(総合事業)の対象者とサービスを問う事例問題です。
認定の結果ごとに、使えるサービスを整理します。
・要介護1〜5…。居宅介護支援、地域密着型通所介護、小規模多機能型居宅介護はここ
・1・2…予防給付(介護予防通所など)と総合事業
・非該当でも、で該当すれば「」として、総合事業の介護予防・生活支援サービス事業を使える
答えを決めるのは、Bさんが「要介護及び要支援ともに非該当」でありながら、基本チェックリストで介護予防・生活支援サービス事業対象者に該当したという部分です。この設問で挙げられたサービスのうち、Bさんの認定状況と希望に合うのは総合事業ので、選択肢の中では第1号通所事業(通所型サービス)がそれに当たります。運動と外出の機会、人との関わりというBさんの希望にも、通所型サービスの中身がそのまま合っています。
管理人の視点: 「非該当だったので、もう何も使えないと思っていました」という相談は本当に多いです。非該当は行き止まりではなく、基本チェックリストを通れば通いの場につながる道が残っています。閉じこもり気味だった方が週1回の体操教室に通い始めて、歩き方も表情も変わっていくのを何人も見てきました。認定結果が出る前や非該当のときに何を案内できるか。ここはの腕の見せどころです。
- 選択肢1(正答)
○ 適切です
第1号通所事業(通所型サービス)は総合事業の1つで、に加えて、基本チェックリストで該当した事業対象者が利用できます。運動機能の向上や閉じこもりの予防を目的とした通いの場で、Bさんの希望に合っています。
- 選択肢2
✕ 適切ではありません
地域密着型通所介護は、要介護の認定を受けた人が利用する地域密着型サービスです。非該当のBさんは利用できません。
- 選択肢3
✕ 適切ではありません
介護予防通所リハビリテーションは、要支援1・2の人が予防給付として利用するサービスです。非該当のBさんは対象になりません。
- 選択肢4
✕ 適切ではありません
小規模多機能型居宅介護は、通い・訪問・泊まりを組み合わせる地域密着型サービスで、要介護の認定を受けた人が対象です。要支援者向けには介護予防小規模多機能型居宅介護が別にあります。
- 選択肢5
✕ 適切ではありません
居宅介護支援は、要介護者への(ケアプランの作成など)です。事業対象者であるBさんの場合は、によるを受けることになります。
出典
- 問題文:「第37回社会福祉士国家試験 試験問題 高齢者福祉」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
- 正答:「第37回社会福祉士国家試験の合格基準及び正答について」(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)
- 試験センター「過去の試験問題」の「過去問題利用にあたっての留意事項等」に基づき掲載しています。